ひと昔前と比べると、現在のアクアリウム用品はハイテクかつコンパクトなものが増えています。毎年アクアリウムメーカー各社が、さまざまな新商品を販売していますが、人気商品は改良されより良い品質のものが継続として販売されていますよね。
しかし残念なことに、アクアリストの間で優れていると評判が良くても、企業側の事情や判断などで、後継が作られず廃番になってしまった商品も少なくありません。
今回はちょっとマニアックですが、過去に市販されていた商品で現在は廃番になってしまい後継のない、優れていた水槽用品を5つご紹介していきます。
後継が無いけど優れた廃盤水槽用品5選!
アクアリウム歴の長いアクアリストなら、「この商品知ってる!!」という人もいるかもしれませんね。
今回ご紹介する商品はすべて廃番品ですが、一部まだ在庫があるものは通販で取り扱っていることもあります。
ジャレコ CO2ミキサー
水草水槽を作るときや、CO2添加必須な水草を育てるときに使用されるCO2ミキサー。 アクアリウム初心者さんに簡単に説明すると、水槽内にある飼育水にCO2を溶け込みやすくするための機材です。
いろいろなメーカーのものがありますが、こちらのジャレコのCO2ミキサーはサイフォンの原理を使用していて、設置が簡単でコスパ面でもよい商品でした。
CO2を節約できることでも人気がありましたが、逆に水中のCO2が増えすぎて生き物が酸欠にならないかチェックしなければならない、というちょっとしたデメリットがもあったせいか残念ながら廃盤になってしまった商品です。
アクアガーデンのスタッフの中でも、「これは本当によかった」と惜しむ声が上がるほどです。
コトブキ レグラススタンド
廃番品2つ目はコトブキが販売していた、ガラスを使用した水槽台『レグラススタンド』です。
水槽や小物の設置面に木材や鉄などではなく、ガラスを使用しています。
シルバーとガラスの透明な組み合わせが、クリアな印象を与えてくれる存在感の大きな水槽台です。
実際に水槽を設置すると、このような感じになります。
キッチンや廊下などのちょっとしたスペースにも設置しやすいデザインですし、色合いも明るいのでお部屋のレイアウトにも取り入れやすいですね。
「オーダーメイドでないのにガラス。開放感があって、おしゃれだった」と惜しまれています。
コトブキ アリーナ(半円形水槽)
まだ売ってるんじゃない?と思う人もいるかもしれませんが、残念ながらこちらも廃番品です。
半円形の水槽は、水槽内の生き物や水草などをしっかりと見せることができるので、インテリア性を重視したいという人に人気がありました。
コトブキのアリーナは上部がしっかりと閉じられているので、水はねや魚の飛び出し・水の蒸発が防止ができる優れもの。
また水槽サイズも個人宅で使用するのに程よいサイズ、というのも人気の理由のひとつでした。
こちらは実際に使用している画像です。
- 水槽サイズ:W620×D300×H500mm
- 水槽台サイズ:W620×D300×H700mm
2020年11月上旬現在、このサイズの半円形水槽は、オーダーメイドが主流です。
「手ごろな価格とサイズ感の半円柱水槽は重宝していた」と惜しまれています。
トロピカを運営している東京アクアガーデンでは、オーダーメイドの水槽や水槽台も受け付けています。もしこれと同じサイズのものを希望しているのであれば、一度相談してみてはいかがでしょうか。
インラインヒーター
インラインヒーターとは、外部式フィルターに接続しているホースに接続して使うヒーターのこと。水槽内に設置せずに使用するので、水槽内をすっきりさせることのできるアイテムです。
今回、惜しむべき廃盤(入手困難品)としてあがったのがハイドール社のインラインヒーターです。
200Wのもので100~180L、300Wのもので200~300Lの水を保温できるタイプ。サーモスタット内臓で温度は18~34℃の間でダイヤル設定することが可能な商品です。
まだ少しAmazonで在庫を確認できましたが、ほぼ入荷はないでしょう。
「ヒーターに接触する心配が無いから、水草を限界まで植え付けられる。ヒレの長い魚でも安心」というメリットもありますが、「交換に手間がちょっとかかる」というデメリットからか、インラインヒーター自体がややレアになりつつあります。
水草用蛍光灯
2020年現在、水草水槽では太陽光に近い周波数の光を出すことのできる、LED照明が人気になっていますが、蛍光灯でも水草用のものがあるの知っていましたか?
今回ご紹介する「興和システム 蛍光灯」は、まだ楽天などで在庫が販売されていますが、生産が終了している廃番品となります。
興和システムサービスが独自に開発したオリジナルのアクアリウム用品で、水草用のLEDが登場するまでは人気のあった商品です。水槽用の蛍光灯はLEDと比べると光が拡散して照射されるので、目に優しい、価格がLEDよりも安いというメリットがあります。
トロピカ内には、過去に水草育成用の照明について記載したページがあります。水草用の照明について知りたい人はこちらを参考にしてくださいね。
番外編:デジタル水槽
今回ご紹介するデジタル水槽は、主に90年代に販売されていたもの。
どんな仕組みの水槽なのかというと、専用のディスプレイに河川や海といった映像が流れ続けるもの。実際に魚などの生き物を飼育することなく、アクアリウム風景などを流すことができると、インテリア性が高い点で企業のエントランスなどで人気のアイテムでした。
2020年現在、4KなどでBlu-ray販売されているものもありますが、この商品が販売されていたのは90年代。当時の値段は本体価格が数十万円とかなり高価な商品で、機材一式購入しなければならないという点が大きなデメリットでした。
「水道、床の耐荷重が確保できない施設でも、設置可能なのが強みだった」という意見と、アクアリウムに興味を持つきっかけ作りというメリットがありました。
水槽用品は常に開発されている!
毎年季節の変わり目などで、各アクアリウムメーカーから新商品が出ることが多いですよね。メーカー側は常に商品の研究・開発をおこなっています。
実際に商品を購入した人からの声も取り入れ、自社独自の研究・開発によって新しい商品を製作したり、既存製品の改良をおこなっているのです。
利便性と安全性の両立が大切
アクアリウムで使用する水槽用品は、必ず水を使用します。そのため使用者がどれだけ使いやすいかといった利便性だけでなく、水漏れや漏電など事故防止などに対する安全面第一で開発されているんです。
販売当時アクアリストから人気が高く、優れている商品といわれていたものでも、技術の発達に伴い廃番になってしまうことも珍しくありません。アクアリウム業界では常に最新の技術を取り入れ、より良い商品の開発をすべくさまざまな研究がおこなわれています。
水槽新製品の傾向
近年販売されているアクアリウム関係の新商品の傾向を考えてみると、やはり一人暮らしや核家族化が進んでマンションやアパート暮らしの人が増えていることからか、水槽の小型化が進んでいます。
窓際やテーブルなどのちょっとしたすき間に置きやすい、小型で取り扱いがしやすく、邪魔にならない水槽商品が強化されているようですね。
まとめ:後継が無い!魅惑の廃盤品5選!CO2ミキサーなど懐かしの名品をご紹介!
今回はいつもの初心者さん向き記事から趣向を変えて、アクアリウム歴の長い方向けに、廃番になってしまった商品を5つご紹介しました。懐かしいアイテムがあったと思う人もいるのではないでしょうか。
家電製品やPCなどは半年サイクルなど新商品が出るサイクルが決まっていますが、アクアリウム用品はなかなかそのタイミングがつかめない傾向にあります。
廃番になっても在庫を抱えているショップが、通販や店頭で販売していることも多いですよね。そのため廃番品と知らずに購入してしまったなんてこともありますし、今人気の商品もいつ廃番になるかわからないのが現状です。
万が一廃番と知らず購入した場合や購入後に廃番になってしまったときは、故障したときの修理や部品の確保などが難しくなります。
時間に余裕があるなら自分が購入しようとしているアイテムの最新情報を調べたり、メーカーサイトや口コミなどで調べて廃番になっていないか確認しておきましょう。
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