身近な観賞魚である金魚ですが、飼育環境があわないと病気にかかりやすい傾向にあります。
金魚がかかる病気の原因はさまざまです。
- 水質悪化
- 消化不良
- ストレス
- 細菌感染
- 寄生虫 など
原因は多数ありますが、金魚の病気は毎日の観察やこまめなメンテナンスで防ぐことができます。もし病気になってしまっても、焦らずに対処することが回復の第一歩です。
金魚のかかりやすい病気と原因を知って、健やかな飼育を目指しましょう。
金魚が浮く!転覆病と便秘・消化不良との関係と対処法
転覆病とは、金魚がかかりやすい、浮袋の障害です。
- 斜めに泳ぐ
- 浮いてしまって潜れない
- 沈んでいて動けない
- 底で倒れている
このような症状がある場合は、浮袋の機能が低下して平衡を保てなくなっている可能性が高いです。
特に、餌を与えたあと数時間して消化が始まるあたりに多く症状がみられます。これは、消化器官への細菌感染によって、腸内にガスが発生してしまっているケースが多いです。
その他にも先天性であったり、他の病気が関係していたりと発症原因は複雑です。
しかし、消化不良が原因の場合は適切な処置を行うことで、快方に向かわせることができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
金魚のお腹が膨らむ!腹水病の解説と治療方法
金魚のお腹が異常に膨れてしまう病気です。
- 体型にたいして腹部が大きすぎる
- 餌を与えていないのに膨れている
- 水が詰まったように見える
このような症状がみられたら、腹水病である可能性が高いです。
原因は細菌(エロモナス菌)の体内感染です。見た目から焦ってしまいがちですが、落ち着いて薬などで対処すれば治療することができます。
産卵の場合は身が詰まっているように感じられますが、腹水病の場合は体液で満たされているように見えます。
腹水病については、こちらの記事をご覧ください。
金魚の目に異変!目に発症する病気の種類と対処法
金魚の目の周りが腫れたり、目が飛び出したように見える病気です。この状態を『ポップアイ』と呼びます。
腹水病と同様に、エロモナス菌の体内感染が原因で発症します。このエロモナス菌は水槽の中に必ず存在する『常在菌』です。普段は悪さをしませんが、金魚が体調を崩したり怪我をすると感染してしまいます。
体調不良とは
- 消化不良
- 怪我
- 水質悪化による不調
を指します。
こちらの病気は短期での治療が難しいので、発症しないように工夫することが大切です。日々の観察と、メンテナンス(水換え・給餌頻度・お掃除)に気を付けることで防げます。
目の病気についてはこちらの記事に詳しく書いています。
ポップアイがすすむと松かさ病になることがあります。こちらも併せてご覧ください。
金魚が突然死んだ!突然死の原因と対策
「昨晩までは元気だったのに、朝起きたら死んでしまっていた」と聞くことがあります。
金魚が突然死んでしまう原因はいくつかあります。多いのが、飼育し始めの水質悪化(アンモニア中毒)と餌の与えすぎです。
金魚に限らず、魚は鳴き声を出すことができませんから、毎日の観察でコンディションを見て整えてやります。水質や水温が不安定だと消耗し体調を崩してしまうので適性の範囲内か確認してあげましょう。
餌も、ねだるだけ与えてしまうと消化不良になりがちです。少なめの給餌を心掛けましょう。
こちらの記事で、突然死んでしまう原因を詳しく解説しています。
金魚の塩水浴とは!効果・濃度・期間・戻し方
体調を崩してしまった金魚の特効薬が『塩』です。
金魚は淡水魚ですが、塩を少し水に溶かしてやることで自己治癒力を高めることができます。
- 治療(回復)目的ならば、0.5%の濃度の塩水(水10Lに塩50g)
- 体調維持なら、0.05%の濃度の塩水(水10Lに塩5g)
この濃度で塩を添加してやると、病気が進行している場合を除いて元気になります。塩水で回復を促すことを『塩水浴』と呼びます。
添加物やにがり入りの塩は逆効果ですので絶対に使用しないでください。また、病気が進行している場合は、魚病薬をおすすめします。
塩水浴の効果や方法・期間などを詳しく書いた記事です。塩水浴を始める前にご覧ください。
金魚が口を動かすのはなぜ?ぱくぱくする理由
金魚を飼育していると、よく口をパクパクさせているのを目にします。
口を動かす理由としては
- エサを探している
- 酸欠
- エラ病
などが挙げられます。
常にパクパクし続けていないのであれば、餌を探しているだけのことが多いです。しかし、休みなく水面でパクパク(これを鼻上げと呼びます)している場合は、酸欠や病気の可能性が高いです。ゆったりと泳いでいるか、まずは観察してみましょう。
口を伸ばし大きく伸びをするようなポーズは『あくび』です。金魚は観察していると新しい発見が尽きず、とても楽しいですよ。
金魚が口を動かす詳しい理由は、こちらの記事をご覧ください。
金魚が弱ったとき!死なせないためにできる対処
金魚が弱ってしまったら、できることは限られています。
- こまめな水換えを行う
- 塩水浴をする
- 水温を高める
- 餌を控える
- エアレーションしてやる
あれこれ試してしまうと、逆に金魚の体力を奪ってしまう事さえありますので、シンプルな対処を心掛けましょう。
まずは水換えからはじめて、様子をしっかりと確認します。
毎日、愛情をもって観察し、少しの違いにも気づき可愛がってあげること、これが金魚を長生きさせるために最も必要なことです。
詳しい対処法はこちらをご覧ください。
まとめ:金魚がかかる病気とは!転覆病・細菌感染・体調不良の対処と治療法を解説
金魚が病気にかかるのには必ず理由があります。
金魚の寿命は約10年です。消化不良から体調を崩しやすいので、餌を与えながらフンの様子も見ると良いですよ。
困ったら水換えで様子を見て、回復の兆しが無ければ塩水浴や薬浴での治療に移行していくのがおすすめです。
何かおかしいな?と気づいたら、まずはよく観察し、適切な対処・治療を行ってあげましょう。愛情をもって観察・接することが金魚の長生きにつながります。