アクリル水槽の価格や作り方を知っていますか? あるいは、あなたはアクリル水槽に対して、どのようなイメージを持っていますか?
「アクリル水槽は、高級なイメージがある=購入金額が高くなりそう」
「アクリル水槽は、オーダーメイドができる=何となく自由度が高そう」
「アクリル水槽は、衝撃に強い=ガラスよりも割れにくい?」
――などのイメージが、おそらくあるかなと思います。
しかし、普段お店で購入できるメーカー製の水槽はガラス製がほとんど。アクリル水槽を購入しようと思っても、なかなか比較ができません。そこで今回の記事では、「アクリル水槽の価格や作り方+設置事例」について詳しく紹介していきたいと思います。
いつかアクリル水槽が欲しいなと思っている方だけでなく、大型魚や海水魚用などの水槽を選んだり、オーダーメイドの水槽が欲しいと思った時に、ぜひ参考にしてみて下さい。
アクリル水槽とは?
アクリルの板を使用して製作した水槽の事です。アクリル板はガラスに比べると加工がしやすいため、㎜単位での水槽の制作やオーバーフロー、円柱水槽などの特殊な加工をすることができます。
アクリル水槽以外には、ガラス水槽やFRP水槽などが魚の飼育では使われています。
アクリル水槽のサイズと価格
まずはアクリル水槽がどのくらいの価格なのかを知ってもらうために、東京アクアガーデンのオンラインショップで購入できるアクリル水槽(規格水槽)を紹介したいと思います。
小型水槽(~45㎝)
小型のアクリル水槽は、20㎝キューブ水槽で5,000円程、45㎝キューブ水槽で12,000円程で購入することができます。もちろん、キューブ水槽以外にも30㎝水槽などの色々な規格が用意されています。
中型水槽(60㎝~90㎝)
中型のアクリル水槽は、60㎝×30㎝×45㎝水槽で20,000円程、90㎝×45㎝×45㎝水槽で25,000円程で購入することができます。
この他にも、90㎝×60㎝×60㎝水槽や60㎝キューブ水槽などの規格が用意されています。
大型水槽(120㎝~)
大型のアクリル水槽は、120㎝×45㎝×45㎝水槽で38,000円程、150㎝×60㎝×45㎝水槽で83,000円程で購入することができます。
この他にも、240㎝×60㎝×60㎝水槽や200㎝水槽などの規格が用意されています。
円柱水槽(丸型水槽)
円柱水槽は、直径30㎝×高さ45㎝の水槽で67,000円程、直径80㎝×高さ60㎝の水槽で283,000円程で購入することができます。流石に、特殊な形状の水槽になるとちょっと高いですよね。
この他にも、直径60㎝や直径45㎝などの水槽の規格が用意されています。
アクリル水槽の作り方
アクリル水槽は、1つ1つ専門の職人さんが製作しています。それにより細部へのこだわりや特殊な加工、綺麗な仕上げが可能になります。
アクリル板を用意&カット
アクリル水槽用の板には、主に次の3種類があります。
・量産ができて安価な、押し出し板。
・押し出し板よりもクラック(ヒビ)が入りにくい、キャスト板。
・魚や水草を映えさせることができる、色がついた板。
これらの板を使用&加工して水槽を製作していきます。なお、東京アクアガーデンがお届けするアクリル水槽は、最高の品質を実現するために「国内工場・国内材料・国内生産」かつ「透明度が高く頑丈なアクリル素材・カナセライトを使用したキャスト板」で製作しています。
(↓アクリル板をカットするための機械です!)
アクリル板を接着
アクリルの板を接着して水槽にするには、主に2つの接着方法が用いられます。
・アクリル板同士を溶かして接合する溶剤接着。
・アクリル板の間にアクリル剤を入れて硬化する、より強度が強くて綺麗な重合接着。
もちろん、アクリル板を綺麗に接着するためには、繊細な作業と技術が求められます。
オーバーフロー加工
アクリル水槽は、水槽内の水を水槽の下に設置した濾過槽に落として、きれいになった水を水槽に再び戻す「オーバーフロー」ができるように加工することも可能です。
フランジ加工(リブ・センターフランジ・天板くりぬき補強)
リブとは、水槽上部内側に付ける補強です。蓋を乗せることが可能になります。リブに配線やエアホースを通すための穴を開ける加工も出来ます。
センターフランジとは、水槽上部中央に橋を架けるように取り付ける補強です。
天板くりぬき補強とは、一枚のアクリル板を加工して水槽の上部に取り付ける補強です。リブやセンターフランジに比べて強度が高く、接着箇所が少ないので見た目が綺麗になります。
帯加工
水槽の上部や下部にぐるりと一周貼る飾り帯です。アクリル板の接着部分を隠すことができます。また、長期の使用で接着箇所に汚れが付いた場合も目立ちにくくなります。
仕上げ(キズ消し)
仕上げとして、小さな傷やはみ出した溶剤を綺麗に整えます。そうすることで、ピカピカのアクリル水槽が完成します。
発送
丁寧に拭き上げた上で、傷が付かないように発泡スチロールなどの衝撃を吸収する素材で梱包してから発送します。
(↓大型水槽を発送するときの様子です)
アクリル水槽の魅力
ここからは、アクリル水槽の魅力について紹介していきます。
アクリル水槽のメリット
アクリル水槽のメリットには、次のようなものがあります。
・ガラス水槽に比べて衝撃に強い。大型魚の飼育にも向いている。
・板の厚さを増やしても透明度が変わらない。
・同じサイズのガラス水槽に比べて軽い。
・四角水槽、円柱の水槽、四角柱の水槽、六角形の水槽、特殊水槽など、様々な形の水槽を製作できる。
・5㎜~1㎝単位で水槽を製作できる。
・オーバーフロー加工やフランジ、ソケット加工などが簡単にできる。
・色が付いたアクリル板で水槽を作ることができる。
・実験用水槽やデモ水槽などの、特殊な水槽も製作できる。
簡単にまとめると、ガラス水槽に比べて「軽い、丈夫、加工が簡単」というのがアクリル水槽の特徴です。
(↓アクリル水槽のオーダーメイドの参考画像です)
アクリル水槽の注意点
一方で、アクリル水槽には使用上の注意点もあります。
・紫外線や熱線で劣化することがある。紫外線や熱線は避けた方が良い。
・ガラス水槽に比べて傷が付きやすいので、金属製のスクレーパーなどでこするのはNG。
簡単にまとめると、ガラス水槽に比べて「傷が付きやすい」というのが注意点です。
(↓東京アクアガーデンのオンラインショップでは、水槽の補強オプションもあります♪)
アクリル水槽の設置事例
ここでは、アクリル水槽の設置事例を紹介したいと思います。
①淡水魚古代魚水槽・モデルルーム
モデルルームの水槽の設置事例です。W2830×D310×H400の特注水槽になります。
②両面仕様の海水アクアリウム水槽・会社オフィス
会社のオフィスに設置した、両面から観賞できる水槽です。W1800×D500×H600mmの水槽になります。
③アクアテラリウム水槽・ホテルの客室
ホテルの客室にアクアテラリウム水槽を設置した事例です。W1500×D500×H800mmの水槽になります。
④大型円柱水槽(海水魚水槽)・クリニックのエントランス
クリニックのエントランスフロアに海水魚水槽を設置した事例です。φ1000×H1000㎜の水槽になります。
おわりに・アクリル水槽の価格と作り方
ここまでアクリル水槽の価格と作り方について紹介してきました。
実際、読み進めていくうちに「アクリル水槽は高い」というイメージが、少し変わってきたのではないでしょうか?
水槽の材料の品質や加工のクォリティー、アクリルの丈夫さや軽いといったメリットなどがありますし、規格サイズなら比較的お手頃に購入することもできます。
150㎝×60㎝の水槽でも83,000円くらいで購入できるので、大型魚を飼育している方なら、頑張れば手が届く現実的な金額に思えてきませんか? また小型~中型の水槽も、アクリル水槽なら自分好みのサイズを比較的安価にオーダーメイドで作ることができますし。
大型魚の飼育や迫力のある水草レイアウト水槽、海水魚の飼育などに、アクリル水槽をぜひ検討してみて下さい。飼育の幅や楽しみが、きっと増えること間違いなしです♪
(↓東京アクアガーデンのオンラインショップと過去記事はこちらから)