小さな熱帯魚がまとまって泳ぐ姿は美しく、大きな魚に負けないぐらいの迫力があります。
アクアリウムを始めたからには、誰もが一度は熱帯魚の群泳にチャレンジしてみたくなるのではないでしょうか。
しかし、実際にやってみると、なかなか群泳してくれないことも多いし、どの熱帯魚を入れたらよいのかわからないこともありますよね。
そこで今回は、群泳する姿がきれいなおすすめの熱帯魚を、群泳させるコツとともにご紹介していきます。
熱帯魚の群泳とは?どんな時に群泳する?
群泳とは、熱帯魚が固まって一緒に泳ぐ現象をいいます。
小さな魚に多く見られる行動ですが、自然の海ではイルカのような大きな生き物でも群泳する姿が見られます。
群泳は、危険回避行動の一種なので、危険やストレスが身近にあるときに群泳しやすくなります。
自然の海や川の様子を見ると、小さい魚達は常に固まって泳いでいる印象があるかもしれません。
これは、常に危険と隣り合わせの状況にある自然界ならではのことです。
では、水槽の中ではどうかというと、水槽の中ではそうそう危険にさらされることはないので、飼育を始めた最初のうちは群泳していても次第にバラバラに泳ぎ出すことが多いです。
水槽の飼育する上で、群泳を長期間保つことは、かなり難しいでしょう。
プロがおすすめ!群泳する姿がきれいな熱帯魚5種類
小型の熱帯魚は群泳する習性があるものが多いですが、その中から5種類を厳選してご紹介します。
ネオンテトラ
熱帯魚といったらコレ!というぐらい、ネオンテトラは有名ですね。体長は成長しても3cm程度、キラキラと光る青と赤の体色が特徴です。
とても丈夫で、値段も10匹で1000円程度と安価なので、初心者でも飼育がしやすい熱帯魚です。
新しい水槽に入れてすぐの頃は群泳しますが、慣れてくると次第に個々に泳ぎだし、数週間もするとバラバラになってしまいます。
水換えなど、新たなストレスが加われば再び群泳することはありますが、それも一時的なものです。
しかし、バラバラに泳いでいても、水槽内の各所でキラキラと輝く姿は、それはそれで美しいですよ。
ネオンテトラについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
ラミーノーズテトラ
ラミーノーズテトラは赤い頭と縞模様の尻尾が特徴的な小型の熱帯魚です。
大きさは5cm程度で、水槽の中を活発に泳ぎ回る姿は、とても華やかです。
丈夫で性格も温和ですし、値段も10匹1000円程度と安価なので、飼育はとてもしやすいでしょう。
ネオンテトラと比べると比較的長期に渡って群泳をするため、群泳のしやすい魚としてよく名前が上がる熱帯魚でもあります。
水槽に慣れてきても、数匹で固まって泳ぐ姿をしばらく見ることができるでしょう。
ラスボラ・エスペイ
ラスボラエスペイは、東南アジア原産のコイ科の熱帯魚です。
オレンジ色の体色が特徴で、この色は弱酸性の軟水環境で飼育すればよりいっそう、綺麗に発色するようになります。
体長は4cm程度まで成長します。
こちらの種も温和で飼育がしやすく、値段も10匹で1000円程度、初心者でも手を出しやすい熱帯魚です。
ラスボラエスペイも比較的長期に渡って群泳する姿を見ることができる熱帯魚です。
水槽の中層付近を固まって泳ぐ姿は、とても賑やかですよ。
トランスルーセント・グラスキャット
トランスルーセント・グラスキャットはナマズの仲間に分類される熱帯魚です。
特筆すべきはその見た目で、半透明に身体が透けていて、まるで骨が泳いでいるような姿は、水槽を神秘的に彩ります。
成長すると10cm程度まで大きくなるため、あまり小さな生き物と混泳させると、生き物を食べてしまう可能性があるので、注意が必要です。
飼育はしやすい熱帯魚ではありますが、ネオンテトラなどと比べると、水質の変化に弱く、また値段も一匹500円程度と少し高価になります。
群れで泳ぐというよりは、水槽の中層あたりで固まって漂う姿が目撃できるでしょう。
コリドラス
ころっとした丸い身体が特徴のコリドラスは、その見た目の愛くるしさからとても高い人気を誇る熱帯魚です。
体長は5cm程度で、水槽の底に沈んだ餌を啄むようにして食べるため、基本的には水槽の底を這うように泳ぎます。
複数匹一緒に飼育すれば、群れで底砂をついばむ姿を見ることができます。
値段は1匹300円程度と高くはありませんが、水質の変化やストレスに弱いため、飼育し始めには特に注意しましょう。
また、水槽の底で生活しているため、底砂が汚れていると病気になりやすいです。
底砂を綺麗に保つのが、健康に飼育するコツです。
コリドラスについては以下の記事でも詳しく解説しています。
きれいに群泳させるコツは?
基本的に水槽に入れた直後には群泳していた熱帯魚も時間がたつと群泳しなくなっていきます。
少しでも長く群泳させたいとき、群泳を復活させたいときなどに使える群泳させるコツをご紹介します。
補食する魚を混泳させる
群泳は、危険を回避するための行動ですが、水槽にはなかなか危険がないため、次第に群泳しなくなってしまいます。
では、とうすればよいのかというと、答えは簡単です。
小型の熱帯魚を補食する大型で肉食の熱帯魚を混泳させれば、危険を感じた小型の熱帯魚は自然と群泳するようになります。
ただしこの方法は小型の熱帯魚が補食されてしまう可能性がある、諸刃の刃であることをお忘れなく。
最悪全滅してしまうかもしれない、危険を覚悟の上で実行するようにしてください。
隠れ場所を減らす
水草や岩などの隠れ場所があると、熱帯魚は安心してしまい、群泳しなくなってしまいます。
隠れ場所をなくすことで、危険を感じて群泳しだすことがありますので、群泳させたいときは、隠れられるようなアイテムを水槽内に置かないようにしましょう。
水流を起こす
ネオンテトラやラミーノーズテトラなどのテトラ系に多いのですが、水流に向かって泳ぐ習性のある熱帯魚は、水槽内に水流を起こすと群泳しやすくなります。
ろ過装置などを使って水流を起こしてみるとよいでしょう。
まとめ・プロがすすめる!群泳する姿がきれいな熱帯魚をご紹介!
群泳しやすい熱帯魚についてご紹介しました。
群泳する姿は本当に見ていて飽きないので、ずっと見ていたいものですが、どんなに試行錯誤してみても、時間がたつと群泳しなくなってしまう場合もあるでしょう。
これはもう熱帯魚の習性として仕方のないことなので、期間限定と割りきって群泳を楽しんでみてはいかがでしょうか。
少々コツがいりますが、熱帯魚が群れで泳いでいる姿は、とても美しいものなので、ぜひ、実践してみてください。
トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!