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ディスカスと一緒に飼える魚や生き物は何がいる?ディスカスの混泳について

ディスカスは「熱帯魚の王様」と呼ばれるほどの代表的な魚種で、古くからアクアリウムの世界で親しまれてきました。ディスカスは非常に高い鑑賞性を持つので、他の生体と混泳させてより見ごたえのあるアクアリウムに仕上げたいとお考えになる方も多いと思います。

しかしながら、ディスカスは混泳相性が良い熱帯魚とは言えないので、混泳できる生体はかなり限られてきます。ここでは、ディスカスと混泳相性が良い生体と悪い生体、混泳時の注意点などについてご紹介します。

ディスカスのアクアリウムにおける特徴

ディスカスとの混泳を考えるにあたり、まずはアクアリウムでのディスカスの特徴について、改めて理解しておきましょう。

体長20cmほどになる中型魚

ディスカスは成長すると体長20cm前後に達する中型魚です。また、体高が高いのである程度の水深も必要になり、推奨される水槽の高さは45cm以上です。水槽の高さが足りないと、遊泳層による棲み分けが困難になるので注意してください。

動物食性が強い

ディスカスは「ディスカスハンバーグ」に代表されるように、生餌を好む熱帯魚です。また、ディスカスは餌を大量に必要とするので、水が汚れやすい熱帯魚として知られています。

混泳させるということは水槽内の個体数が増え、今まで以上に水質が悪化しやすくなるので、フィルターには十分な注意が必要です。

30℃程度の高水温を好む

(熱帯魚)マリンブルーディスカス(タイ産) (約3-5cm)<1匹>[生体]

ディスカスが好む水温は30℃近くの高水温です。そのため、温帯域に生息する比較的低水温を好む魚種や、一部の水草とは相性が悪いので注意してください。また、ディスカスに適した水質は弱酸性から中性の軟水です。水質に関しては多くの熱帯魚と共通しているので、問題は生じないでしょう。

同種を複数で飼育する

ディスカスは野生では群永しているので、飼育下でも同種を複数で飼育することが一般的です。その環境下に混泳させる生体を導入することで、過密飼育にならないように注意してください。ディスカスとの混泳では他の熱帯魚以上に、飼育スペースに余裕がある大型の水槽を用いることが重要です。

ディスカスと混泳させるおすすめの生体

ここではディスカスとの混泳が成功しやすい、おすすめの生体をご紹介します。

クラウンローチ

(熱帯魚)クラウンローチ(1匹) 北海道・九州航空便要保温

クラウンローチはドジョウの仲間で、ローチ類の中では体高が高くてしっかりとした体形をしているのが特徴です。飼育下での体長は10cm程度の底棲魚なので、サイズと遊泳層の面でディスカスとの混泳が成功しやすい魚種です。

コリドラス

(熱帯魚)ビギナー向けおまかせコリドラス(5匹) 北海道・九州航空便要保温

コリドラスはナマズの仲間で、水槽の底で生活する底棲魚です。ディスカスとはお互いに生活圏が重ならず、干渉し合うことがないので混泳相性は良い傾向にあります。

しかし、ミニコリ系はコリドラスの中でも特に小さく、遊泳性も高いことから捕食される危険性が高いので混泳は避けた方が良いでしょう。

また、コリドラス・ステルバイなどの一般的な品種に関しても、サイズ差が大きいと捕食される恐れがあるので、混泳は成魚に限定した方が無難です。コリドラスは骨が硬く、捕食したディスカスが骨を詰まらせて死亡する危険があるので注意してください。

ネオンテトラ

(熱帯魚)ネオンテトラ(20匹) 北海道・九州航空便要保温

ネオンテトラカージナルテトラといった、小型カラシン類とも混泳は可能です。ただし、まだ育ち切っていない若魚だと捕食される危険が大きいので、最大サイズ近くまで成長した成魚に限定する必要があります。

それでもなお、保険のために水草などを導入して、逃げ込める場所や隠れられる場所を多めに作っておくと安心です。

高水温に強い水草

(水草)アヌビアスナナ ゴールデン&バルテリー 流木付 Sサイズ(1本)(約15cm)

ディスカスは水草を食害せず、遊泳の際に引っこ抜かれる心配もありません。よって、混泳相性が良いように思えますが注意すべき点があり、それは水温です。水草の多くの種類は20~28℃の水温が適温なので、ディスカスが好む30℃ほどの水温では高すぎます。

そのため、混泳させる水草は高水温に強い種類を選ぶ必要があり、例としてはアヌビアスナナハイグロフィラウォーターウィステリアなどが挙げられます。

ディスカスとの混泳に不向きな生体

ここで紹介するのは、一般的にディスカスとの混泳相性が悪い生体です。中には混泳を成功させているアクアリストもいますが、経験とコツが必要なので安易に真似るのはおすすめできません。

エンゼルフィッシュ

(熱帯魚)ゴールデン・エンゼルフィッシュ(国産ブリード)(1匹) 北海道・九州航空便要保温

エンゼルフィッシュはディスカスと同様にシクリッド科に属する熱帯魚です。菱形の魚体に長く伸長する背ビレ、腹ビレ、尻ビレを持つ独特のフォルムが特徴的な、ディスカスと並ぶ熱帯魚の代表種です。

体長15cmほどに成長するのでサイズの面は良いのですが、シクリッドの仲間は縄張り意識が強い傾向にあり、遊泳層が重なると喧嘩することも珍しくありません。

縄張りを作らせないほどの過密飼育や、縄張りが重ならないほど大きな水槽で飼育すれば混泳は可能ですが、前者は管理が非常に難しく、後者は中型魚ということもあり設備や設置スペースの面で困難です。以上のことから、エンゼルフィッシュとの混泳は避けた方が良いでしょう。

プレコ

(熱帯魚)セルフィンプレコ 約10cm 1匹 [生体]

代表的なクリーナー生体で、多くの熱帯魚と混泳相性が良い傾向にあるプレコですが、ディスカスとの混泳には向きません

なぜなら、プレコがディスカスの体表を舐めて、ディスカスが衰弱してしまうからです。ディスカスはプレコに体表を舐められてしまうと、黒化したり拒食といった症状が出ることがあり、最悪の場合は死に至ります。プレコとの混泳は避けた方が無難です。

エビ

(エビ)ミナミヌマエビ(20匹)+(2匹おまけつき) 北海道・九州・沖縄航空便要保温

アクアリウムで飼育されるエビは、ビーシュリンプミナミヌマエビヤマトヌマエビなどが代表的な種類です。クリーナー生体として優秀な種類もいますが、基本的にはディスカスの好物で、十中八九捕食されてしまうので、混泳はできません。

その他の小型魚および大型魚

小型カラシンよりも小さいアフリカンランプアイなどの魚種は、ディスカスにとって捕食対象なので基本的には混泳は避けた方が良いでしょう。また、ディスカスは臆病な性格をしているので、自分より大きな魚がいる環境ではストレスを受けやすく、黒化などの症状が出る恐れがあります。

高水温に弱い水草

前述のようにディスカスは30℃程度の高水温を好みます。しかし、水草に適した水温はより低く、特にミクロソリウムボルビティスなどの水生シダは高水温に弱いので、ディスカスとの混泳には不向きです。

ディスカスとの混泳における注意点

個体同士の相性

熱帯魚の混泳において絶対はあり得ません。ここで紹介した相性が良い傾向にある熱帯魚でも、個体同士の相性が悪いとどちらかが死ぬまで争うこともあるので注意してください。そのため、混泳させる際は様子を見ながら慎重に行い、喧嘩した場合にいつでも対応できる準備はしておいてください。

メンテナンス性の悪化

ディスカスと混泳相性が良い熱帯魚は底棲魚が多いです。底棲魚にとって適した飼育環境を整えようとすると底砂を導入する必要がありますが、底砂を導入するとメンテナンス性が低下する点は留意してください。

また、水草と混泳させる場合も、ソイルなどを導入して直接植えてしまうと掃除が煩雑になります。水草の場合は、流木や石に活着した状態で導入すると、多少は掃除しやすくなるのでおすすめです。

繁殖期

ディスカスを含むシクリッド類は繁殖期にオスとメスがペアになり、協力して子育てをする生態を持ちます。その間は子供を守るためか気性が荒くなり、これまで混泳できていた生体を追い払うような行動に出るケースが散見されます。

ディスカス2匹が連れ添うように泳ぎ、周囲の生体を追いかけるなどの行動が見られた場合は、繁殖期に入ってペアが形成された可能性が高いです。その場合はペアを隔離するなどの対策を講じてください。

サイズ差

ディスカスは動物食性が強いので、前述した相性が良い傾向にある魚種でも、サイズ差が大きいとディスカスに食べられてしまいます。基本的にはディスカスの口に入らないサイズの魚にして、小型魚を混泳させる場合は十分に成長した成魚に限定してください。

まとめ・ディスカスの混泳について

ディスカスは一般的に他種との混泳が難しい熱帯魚で、単種での飼育が推奨されています。ここで紹介した混泳相性が良い熱帯魚と混泳させる場合でも、混泳が成功するかは最終的には個体同士の相性に依存します。

混泳に挑戦する場合は注意深く経過を観察し、いつでも隔離するなどの措置がとれる準備は整えておいてください。