メダカや金魚を飼育するには、ろ過フィルターは必要なのでしょうか。
または、ろ過フィルターを使わずに、飼育管理することはできないのでしょうか。
ろ過フィルターが無いだけで、設置場所の選定に幅が広がることから、水槽導入の敷居がグッと下がるため、皆さんも1度は考えたことがあるのではないでしょうか。
結論から言えば、メダカや金魚はろ過フィルターを使わずに飼育管理することはできます。
ただし、それには水槽サイズに対し、魚数や水草の量を調整する必要があります。
ここでは、ろ過フィルター無しで飼育するポイントをプロ目線でご紹介いたします。
ろ過フィルター無しで管理する飼育方法: 資材編
水槽の選び方
水槽サイズは、最低でも60センチ以上の水槽サイズが必要です。
なぜなら、水槽水量を多く確保する必要があるからです。
水槽水量は、多く確保することで水の汚れるペースが遅くなるため、ろ過フィルター使わずに飼育することが難易度を下げることができます。
水槽を選ぶ場合は、設置できる最大の水槽を準備しましょう。
底床の選び方
底床は敷かない、いわゆるベアタンクで管理することもできます。
ベアタンクで管理することで、水槽底に溜まった残餌や糞をホースで簡単に吸い出すことができます。
ただし、底床を敷かないとバクテリアの繁殖や定着が不安定となるため、水換えを3日に1回とこまめに実施することとなります。
そのため、水換え頻度を少しでも減らし日々の管理を簡単にしたい方は、底床を敷くことをおすすめします。
そこでおすすめの底床は、吸着系ソイルです。
設置当初、バクテリアが不十分な時、吸着系ソイルを使用することで水槽内にあふれた栄養を吸着して水質を安定させる働きをしてくれます。
また、ソイルを使うことで水草は根が張りやすくなり水草の育成がスムーズとなり、フィルターを使わない水槽管理に良い効果を果たすことができます。
照明の選び方
照明は1日8時間程度点灯させるようにしましょう。
魚はもちろん、水草の育成にも適度な光を与えることで、健康に育てやすくなります。
水草が健康に育つことで、水槽内の硝酸塩やアンモニアを吸収するため水質浄化を助けます。
ろ過フィルター無しの水槽を管理するためには、照明は付けるようにしましょう。
ろ過フィルター無しで管理する飼育方法: 生体編
生体数の決め方
ろ過フィルター無い場合、強制的に綺麗にできないことから生体数は少なくすることが必須条件となります。
生体数が少なければそれだけ汚れにくいためです。
ここでは、メダカと金魚、それぞれにおける適正数を解説していきます。
メダカの選び方
ろ過フィルターがあれば20~30匹程度飼育できますが、60センチ水槽でろ過フィルターを設置しない場合、多くても10匹程度に抑えましょう。
金魚の選び方
ろ過フィルターがあれば体長3~4cmほどの金魚が7匹程度飼育できますが、60センチ水槽でろ過フィルターを設置しない場合、多くても3匹程度に抑えましょう。
金魚のサイズも4センチ前後の小型な個体を選ぶようにしましょう。
水草の選び方
水草は、成長の早いマツモやアナカリスなどの、いわゆる金魚藻と呼ばれる水草を15本~20本程度入れると良いです。
成長の遅いアヌビアスナナなどの水草では、栄養を吸収する能力が弱くここでは向かないため使用は控えましょう。
ろ過フィルター無しで管理する飼育方法: 実践編
水換え方法
水換えは3日に1回~1週間に1回程度を、水槽内の3分の1程度実施しましょう。
PHや硝酸塩、アンモニアを1週間に1度計測し、その値を見て水換え頻度や量を調整しましょう。
給餌方法
餌は、1日~2日に1度、3分程度で食べきれる量を与えるようにします。
ろ過フィルターが無いため、餌の残りが出ないように細心の注意を払って気を付けましょう。
水草のトリミング
水草は、魚の泳げるスペースが確保できていれば、トリミングは不要です。
ただし、枯れている水草は水質悪化の原因となるため、発見次第すぐに取り除くようにしましょう。
まとめ: メダカや金魚飼育にフィルターは不要!? フィルター無しでも良い条件とは
いかがでしたか。
ろ過フィルターを使わずに、メダカや金魚を飼育する方法について解説しましたが、お分かりいただけましたでしょうか。
ろ過フィルターが無くても金魚やメダカを飼育管理することは可能です。
ただし、ろ過フィルターを無ければ、生体数を減らしたり、水換えの頻度が上がったりと制約ができます。
このことから、ろ過フィルターを使わずに管理することもできますが、その代わり日々の管理は手間がかかる可能性は否めません。
また、ろ過フィルターを使わずにメダカや金魚を管理する方法として有名なのは、玄関やバルコニーで管理をするビオトープがあります。
ビオトープは自然のサイクルを利用して管理する方法です。水槽内でもこの方法を参考にして行えば上手に管理できます。
ろ過フィルターを使わずに水槽管理するコツは、いかに水槽内のバクテリアを増やせるかにかかっています。
水槽内のバクテリアを最適に増やして管理するために、底床を敷く、生体を減らす、水換えペースをこまめに行うなど管理を徹底する必要があります。
ただし、ろ過器が無いことで一度水質が安定してルーティン管理ができれば、それほど難しいものではありません。
ろ過器使わずに管理するには、手間もかかることもあるかもしれませんが、機材を揃えないで水槽鑑賞できればそれは魅力的なことです。
是非、本記事を参考にして、ろ過器無しでメダカや金魚を管理してみてください。
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
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