日本が誇るアクアリウムの一流メーカーのアクアデザインアマノ、通称ADA社。
水槽から水槽台、そして二酸化炭素や液肥など、ネイチャーアクアリウムの制作から維持管理まで、ADA社の製品があれば楽しむ事ができます。
そんなADA社は、毎年世界水草コンテストと呼ばれる水槽のレイアウトを競う大会を開催しており、2020年に至っては参加国数60カ国以上、エントリー数2,000作品以上と、世界中の水草愛好家だけなく、アクアリウムに興味のあるアクアリストからも一目置かれる水槽レイアウトコンテストとなっています。
そんな世界から注目される水槽レイアウトコンテストに自身の水槽も出してみたいと思う方もいる事でしょう。
ここでは、ADA社の世界水草水槽レイアウトコンテストに出すための制作ポイントについて、はじめて参加する方向けに解説していきたいとおもいます。
ADAコンテストの制作に必要な志
ADAコンテストレベルの水槽を制作するには、もちろん技術や最低限の水槽資材は必要ですが、最も大切なことは自分が満足する水槽を作り上げるといった信念です。
約1年かけて、コンテストに向けて水槽制作をしていくことになるため、情熱がなければ続かない、そして納得いく作品ができないということを肝に銘じておきましょう。
では、ここからはADAコンテストレベルを作り上げるためのポイントを紹介していきます。
水槽レイアウトコンテスト仕様
レイアウトコンテストに出店する水槽サイズですが、もし可能であれば120cmより大きい水槽サイズがおすすめです。
大型流木や石を使うことによって迫力ある水槽レイアウトを作りやすく、インパクトを与える事ができるのも大きなメリットです。
120cm以上の水槽は販売店も限られてしまいますので、希望のサイズが見つからない場合はオーダーメイドを視野に入れても良いです。
ただ、大型水槽で長期間維持管理をするためには、かなりの時間を割いて水槽管理に費やさなければなりません。
そこへ、水流やろ過システム、そして水槽全体の水草を調子よく育てるためには、熟練の経験も必要となり、ここは非常に苦労するところでしょう。
大型水槽で綺麗な水草を維持管理していくためには、必ずADAレイアウトコンテストに出店する水草水槽のプロショップへ相談し、アドバイスをもらいながら水槽管理を継続していきましょう。
そのためには、お店に通いスタッフの方と仲良くなると良いですよ。
水槽レイアウト構図
最近の水槽レイアウトパターンは大きく2種類に分かれており、昔からある水中の自然を一部切り取った水槽レイアウトと、地上の風景を切り取り水中に沈めたスタイルのジオラマレイアウトがあります。
はじめてネイチャーアクアリウム水槽にチャレンジする方は、水中自然の一部を切り取った水槽レイアウトにチャレンジすることをおすすめします。
ネイチャーアクアリウムの起源である水中の一部を切り取った水槽レイアウトへチャレンジし、そこで水草の育成やレイアウトのコツを身につける。
そうすることで、そこからジオラマに行くか、そのまま水中の自然にこだわるかを考えても良いのかとおもいます。
ジオラマレイアウトは、石や流木を多用したりモスや前景草を使い水槽レイアウトを作り込んでいくことが多いため、頻繁な水草トリミングが必要だったり、石を使うことで水槽の硬度が上昇することから水草の育成難易度も上がるため、非常に難易度の高い水槽管理を強いられることになります。
ジオラマレイアウトを制作する際は、この点を理解して設計していくようにしましょう。
水槽レイアウトのコツ
水槽レイアウトは、目の前で作り上げた水槽作品が良いだけでは高評価を得れない可能性があることを知っておかなければなりません。
その理由は、ADA社の水槽レイアウトコンテスト参加方法が写真によるものだからです。
いくら、目の前の水槽が美しかったとしても、写真を撮影した時にベストな水槽レイアウトとして写らなければ満足な結果とならない可能性があるからです。
そのため、水槽レイアウトを制作している時も、常に写真を撮影し確認しながらレイアウト制作をしていくようにし、流木や石を設置した後はもう水槽レイアウトを変更するのが難しいため、必ず水槽の基礎、いわゆる土台はしっかり決めてから水草の植栽をするようにしましょう。
また、石や流木を多用する際は、水質変化の鈍い軽石などを使用し水槽重量を増やさない工夫をしましょう。
あまりに重量を重くし水槽に負荷を変えると、水槽破損の可能性が高くなるため注意です。
完成水槽の撮影はプロに依頼する
水槽レイアウトが完成し、いざ撮影をする際はプロの写真家に依頼することをおすすめします。
もちろん、自分自身で写真撮影することもできますが、水槽レイアウトコンテスト上位者の多くは、プロのカメラマンに依頼しています。
水槽写真を撮影するのは、素人とプロでは大きな差があるため、ここは惜しみなく投資をするようにしましょう。
せっかくここまで作り上げてきたにも関わらず、最後の写真で失敗しては非常に勿体ないからです。
また、もしどうしても自分自身で水槽写真を撮影する際は、最低でも熱帯魚の泳ぐ向きを揃える、そしてドライヤーなどを使い水面に波を立てるなど、ADA社のアクアジャーナルや過去の世界水草レイアウトコンテスト写真を参考にして、決めていきましょう。
写真をいかに綺麗に見せるかも、世界水草レイアウトコンテストでは、重要視されているのです。
まとめ:ADAコンテストの水槽を作るには!作成の基本・レイアウトポイントとは
いかがでしたか。
ここでは、世界水草レイアウトコンテストにおいての基本ポイントを解説しました。
もちろん、ここで解説したのは基本編でここから先は、水槽レイアウト技術と水槽管理テクニックの混じる深いお話となります。
まずは、この基本をしっかり熟知してスタートラインに立ち、ここからさらに技術を上げていきましょう。
そして、ただ頭で理解して管理をしていくよりも、水槽管理をしながら体で覚えていくようにしましょう。
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
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