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ヒーターを使わない水槽の保温術を動画で解説!
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水槽用ヒーターが無い場合の水槽保温方法を音声付きで解説します。
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ヒーターを使わないとどうなるの?
お正月休みが終わり、お仕事が始まったアクアリストの方も多いかと思います。
年間で一番寒い時期は、ちょうど1月の終わりごろから、2月にかけてのあたりになります。
1月~2月にかけての寒気は水槽の温度にも影響してきます。
この時期、水槽の管理で気になるのは、冬季の低温化における水槽内の水温維持のこと
だと思います。
強い寒気の影響を受けると、水槽の水温はぐんぐん下がってしまいますよね…。
冬季の、水槽内の水温低下は曲者です。
下手をすると、水温の低下が、生体の健康状態にも影響することがあります。
勿論のことですが(↓)
「うちは水槽用のヒーターがあるから平気です!」
という飼い主さんがほとんどだと思います。
しかしながら、ヒーターの取り付けが難しいような小型水槽だったとしたら、
「水温をヒーターなしで保温していく方法」が必要になりますよね。
また、急なヒーターの故障が起こった場合は、一時的にでも水槽の保温をしなくては
いけなくなります。
☆というわけで、今回は、水槽にヒーターを設置出来ない場合の保温術について
お話ししたいと思います。
主に、急なヒーター故障時の応急処置としても使える方法です。
一般的なものから、裏技編まで揃えてみました。
ヒーターを使わない水槽の保温術
たとえば、金魚の場合は、四季の水温に慣れさせた方が、強くなると言われているように、
必ずしもヒーターが必要でない、温度変化に強い種類の魚もいます。
しかし、通年ヒーターを必要とする熱帯魚の立場からしてみると、
「熱帯魚のワイ、ヒーターなしの水槽なんてしんどいわ…」
という事態にもなりかねず、
水温が20℃を下回ると、熱帯魚の活動が低下し、最悪、水槽の生体が全滅ということにも
なりかねないわけです。
ヒーターを使わない水槽の保温術に必要なもの
水槽を保温するのに必要なもの 5つ
- ホッカイロやお湯の入ったペットボトル(数本)などの保温材
- 段ボール箱や発泡スチロールなどの保温容器
- 新聞紙やアルミホイルなどの水槽周りの保温材
- 水槽の下に敷く断熱材
- 水中モーター(水槽内に直接設置するろ過器のモーター)
ヒーターを使わない水槽の保温術 (緊急時編)
☆ヒーターが壊れた時に行うとよい水槽の保温術です。
1.保温容器で水温を保とう!
特に冬時期の、急なヒーターの故障、慌てますよね?
そんな時には、段ボール箱や発泡スチロール容器を活用できます!
☆段ボール箱や、発泡スチロール容器は、保温性が高く、水温の下がりやすい冬季のヒーター
なし水槽の保温にも向いています。ヒーターが壊れてしまったら、とりあえず、
水槽を保温容器に入れて保温のつなぎにしましょう。
特に発泡スチロール容器が保温にはおススメですが、水槽サイズにあった容器を購入するか、
近所のスーパーなどで(野菜や果物が入っていた発泡スチロール容器)などを
わけてもらうのがおススメです。水槽より大きめのサイズを選ぶようにしてください。
また、ご自宅にあるものでも代用可能です。
2.ホッカイロやお湯の入ったペットボトルで水温をあげよう!
保温容器が準備出来たら、保温容器に入っている水槽の周りに、ホッカイロや
お湯の入ったペットボトルを置いて、水槽内の水温が下がらないようにしましょう。
☆保温容器は、水温を一定に保ってくれますが、水槽側面や水面からの放熱は防げません。
ヒーター以外の、熱源を用いて、下がり出した水槽の水温を上げることが必要になります。
この場合、水温が上がりすぎないように、水温計は必ず設置して、様子を見てくださいね。
水槽を温かい部屋に移動して保温力を補助する方法
ホッカイロやお湯の入ったペットボトルの準備が難しい場合は、
水槽を温かい部屋(リビングやキッチン)に置くなどして、保温するのもおススメです。
置き場所は、エアコンなどの暖房器具があり保温されている場所がベストです。
3.新聞紙やアルミホイルを水槽に巻いて保温しよう!
更に、ヒーターを使用しない水槽の保温を強化する場合は、水槽の側面に、アルミホイルや
新聞紙をまいて保温するという方法もあります。
チョコレートなどにも巻かれているアルミホイルは、放熱を防ぐ効果があり、
水槽の保温には一役買ってくれる便利な存在です。
古新聞で、水槽を包んで保温するという方法もあります。新聞紙が濡れると、逆に水温が
下がる原因になりますので、汚れたら交換するような形で保温を続けるのがいいでしょう。
ヒーターを使わない水槽の保温術 (裏技編)
・上記の緊急時編の水槽の保温術に加え、地域にもよりますが、
通年ヒーターなしの水槽でも熱帯魚などが飼える裏技をご紹介いたします。
☆この場合は、水槽サイズが30㎝以下の小型水槽を目安にしてくださいね。
ヒーターの代わりに、水中モーターの熱を利用して保温する
☆水中モーターというのは、水槽の中に直接設置する、投げ込み式の水中ポンプやろ過器を
動かすモーターの事を指します。外付けのモーターを使用されている方の話でも、
モーター稼働時は大量の熱が発生するため、水槽の水温が1~2℃程度上昇するとのことです。
☆これを投げ込み式の水中モーターにしてみたところ、冬時期でも関東圏内の水槽で
24℃をキープしていたという情報が見つかりました。
フィルターの駆動源として水中モータ(投げ込みフィルター)を使用すると、小さな水槽であれば冬(関東地区)でもヒータ無しで24度程度を維持できて一石二鳥です。
フィルターのモータは構造がシンプルなので効率が悪く結構な発熱源です。水中モータのモータであれば、コイルやローターから発する全ての熱が水槽の水に伝わります。(外部式フィルターはローターのみ、上部フィルターは伝わらない)
数ワットのヒータで24時間ずっと温めていると同じ効果です。
また、水中モーターの発熱について記事にされている方もいらっしゃいます。
※モーターは稼働時に、高温になりやすいので、中に冷却用のファンが設置されています。
下の画像は私が使用している上部フィルターのモーター部の写真(汚くてすいません…)ですが、
黒い円盤のようなものがついています。
モーターは円盤の下にありますが、この円盤、実はファン(扇風機)になっていて、
モーターに風を送ってモーターを冷やす効果があるんです。
つまり、“モーターは発熱する”んです。触るとヤケドするほどの熱さです。
この写真はモーターのカバーを外しているのでファンもモーターも露出していますが、
モーターには普通はカバーがついています。
モーターを触ってみると… めっちゃ熱かったです。触ると火傷する可能性もあります。
そんなモーターが水中にあるということは…“水温を上昇させる”という影響を受けることになります。
水中モーターがヒーターの熱源の代わりになる!?
私自身はこの方法を試したことがないのですが、他にも同様の情報があり、
これが本当であれば、関東以南のさほど冬の厳しくない地域だったら、水中モーターのみで、
年間を通して、水槽を保温する熱源が得られるかもしれないということになりますね。
水槽のろ過ができて、ヒーターいらずとあれば、経済的にもお得な方法ですので、
ヒーターを設置するスペースがなくて困っているという方は、水中モーターの設置を試して
みるのもいいと思います。
逆に、夏場は水中モーターとの併用で、水温が高くなりすぎることも考えられますので、
夏時期に水中モーターをヒーターの代わりとして使用する際は、ろ過器やモーターの種類を
変えたり、ファンを使用した方がいいでしょう。
補助1)断熱効果の高い素材を使用して、保温力を強化する
上記の水中モーターだけでは心もとないという方には、水槽の底面に使用できる、
断熱材の使用をお勧めします。
水槽側面以外からも、外部の温度影響を受けやすいのが水槽底面です。
水槽の下に断熱シートを置くだけでも、保温効果には差が出ます。
補助2)水槽側面に発泡スチロールを貼り付けて保温する
主にDIYコーナーで取り扱われている、発泡スチロールの塊を細工して、水槽サイズに
合わせてカットし、水槽側面と背面に貼り付けて保温効果を上げることが出来ます。
何よりも、発泡スチロールは加工しやすく、保温性が高い素材です。
加工して水槽に貼り付ける際は、角に隙間ができないよう、ぴっちりと間隔を合わせることが
大切です。
この場合も、断熱シート同様、水中モーターなどの、ヒーターの熱源の代わりに出来る機材を
使用してくださいね。
補助4)水槽に蓋をして保温力をアップする
水槽用の蓋は水の蒸発を防いでくれたり、水槽内の水を保温する効果があります。
水槽用の蓋というものも販売されていますが、なかなか入手が困難であったり、高価な場合が
多いです。手軽に水槽の蓋を用意したい場合は、加工しやすいプラスチック板か、
ホームセンターで購入できるような、樹脂製の透明テーブルクロス(厚みのあるもの)が
おススメです。
ヒーターを使わない水槽の保温術
番外編(1)「ウーパールーパー水槽を管理している場合の保温注意点」
ウーパールーパーは、暑さに弱い!
☆ヒーターを使用しない水槽の場合でも、夏時期は逆に水槽の水温を下げるという工夫が
必要です。
特にウーパールーパーを飼っている方は、夏季の水温上昇には気を付けてくださいね。
水温が20℃を超えるとウーパールーパーの体調が悪くなります。
熱帯魚は26℃くらいが適温ですが、ウーパールーパーの場合、水温は27℃を超えないように
しましょう。
番外編(2)「小さい水槽にはベタ用のヒーターがおススメ!」
ちなみに、「水槽が小さすぎて、通常サイズのヒーターが設置できない」という場合は、
10L以下の小型水槽であれば、ベタ用のヒーターを使用するという手もあります。
(※30㎝クラスの小型水槽でも、ベタ用のヒーターで、秋の終わりごろまでは、
十分保温できます。この場合、水量によっては、大きいヒーターよりも電気代がかかる場合が
あります。)
まとめ
「ヒーターを使わない水槽の保温術」7つの方法
- 保温容器を準備する
- 水温を上昇させるためのホッカイロやお湯の入ったペットボトルを設置する
- 水槽の側面や背面を、発泡スチロールや新聞紙、アルミホイルなどで覆う
- 水槽に蓋をして保温効果を高める
- 水槽底面に断熱材を敷く
- 水中モーターの熱源を使って、水温を一定に保つ
- 水槽を温度が一定な温かい部屋に置く
☆ヒーターを使わない水槽の保温術にはある程度のコストと手間が掛かります!
金魚やメダカなどの、ヒーターを無理に使用しなくてもいい種の魚でしたら上記の方法で十分
保温対策が可能かと思いますが、ヒーターを使用する以上に、維持管理コストがかかる場合が
あります。
熱帯魚などのヒーターが必要な水槽でのヒーター故障の際は、なるべく早めに、
新規のヒーターを準備して、水槽を保温しましょう!
☆熱帯魚水槽の場合は、水量や水槽の置き場所によっても保温効果が違ってきますので、
「ヒーターを使用しないで水槽内の水温を保温したい」という方は、
飼い主さん自身で匙加減をしながら、水中モーターの使用などでヒーターの代用として様子を
みていくのがおススメです。
以上、急なヒーターの故障時などの水槽保温のご参考になれましたら幸いです。
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水槽のプロ トロピカライターの山田です。
金魚飼育を経てから熱帯魚を飼うようになりました。
趣味は水族館とアクアリウムショップ巡りです。
長年の飼育経験を活かしつつ、アクアリウムに関する様々な情報をお届けさせていただきます。
コメント
イモリを買っているのですけど餌を食べてくれません。どうすれば良いのでしょうか?
ピンセットで餌をつかんで、イモリの目の前でフリフリと動かすと食いつくことがありますよ。
餌と認識していないだけのこともあります。
冷凍赤虫などの好物を与えてみるのも良いです。
北海道の真冬で、室温20度前後(深夜間は16度)です。
私は60センチ水槽に、自作の外部フィルター(水槽内に外掛けフィルター用モーターを使用)をつかっていますが、真冬でもヒーターなしで22~24度を保ってました!
そのせいでメダカが卵産みっぱなしでした……
コメントありがとうございます!
すごい保温術ですね!
23℃前後はメダカの繁殖にとって適温ですから、常に産卵モードですよね。
朝起きたらコリドラス1匹がヒーターと水槽の間に挟まっていました。出してあげたんですが、餌を食べないし目の上あたり(ヒーターが当たってた方の)が白くなっています。でも普通に動きます。餌や白くなっているのはどうすれば良いでしょうか。誰か教えてくださいっ!
実際に拝見しておりませんので、正確な回答でないことをご了承ください。
火傷はメチレンブルー浴などで消毒して、自己治癒力で回復させる方法になります。
しかしコリドラスは薬に弱いので、飼育水を清潔に保ちながら隔離ケースなどで安静にさせ様子見るのが良いと考えます。
餌を食べるようになれば回復傾向です。こちらのコラムもご参照ください。
・コリドラスやプレコ・ナマズの病気を治すには!ナマズの仲間にできる治療
https://t-aquagarden.com/column/catfish_disease
何卒よろしくお願いいたします。