水温が上がりやすい夏は、魚たちの食欲や水槽内の環境が変化しやすい季節。生体の健康を守るため、いつも以上に餌の管理や与え方に気を配ることが重要です。
高水温で体力を奪われ気味のときに無理に餌を食べさせると、消化不良などに繋がる可能性がありますし、餌の食べ残しが増えて水質に影響が出るのもよくありません。
また、高温多湿の環境では、餌が湿気りやすい点にも十分注意が必要で、うっかり傷んだ餌を与えたことが、後々生体や水質のコンディション悪化を引き起こす原因になることもあります。
この記事では、「どのような餌を選ぶか」「どこに保管するか」「どのくらいの量を与えるか」など、夏場の餌の与え方のポイントや管理のコツについて詳しく解説します。
目次
夏は餌の与え過ぎに注意!

気温が高く水温が安定する夏は、魚たちの活動量が増加するとともに食欲も増していて、いつもより多く餌を食べる様子が見られます。
しかし、いくらたくさん欲しがるからと言って、必要以上に餌を与えるのはNG。食べ過ぎは消化不良などを引き起こしますし、水中に餌が浮いている時間が増えると水質悪化や酸欠の原因になりかねません。
そもそも、水温が高い時期は菌類や微生物の働きも活発で、食べ残しやフンが早く分解されてアンモニアなど発生量が増えやすいです。
冬に比べて水質の悪化や酸欠が起こりやすくなっており、そこに多量の餌が投下されると悪循環になってしまいます。
夏場は欲しがるだけ与えるのではなく、水を汚さない量を見極めることを意識して餌やりをするのが適切でしょう。
夏の給餌量目安

一回の餌やりで与える量は、季節に関わらず1~2分程度で食べきれる程度が目安です。
魚の食いつきが良いからと言って一度に与える量を増やすと、食べ残しが増えて水の汚れに繋がるため、給餌量は守るようにしましょう。
もし、稚魚や成長期の個体をしっかり大きく育てたいときや、食いつきの良い個体がいるなどの理由で餌の量を増やしたい場合は、給餌量ではなく一日に与える回数を増やして対応するのがおすすめです。1分以内で食べきれる少量の餌を、1日2回~3回に分けて与えると、食べ残しを出さずに効率よく栄養を摂取させることができます。
また、給餌後5分ほど経ったら水槽内を確認し、食べ残しがあればすぐに取り除いてください。
底砂の上や水草の隙間に残った餌は見落としやすいため、全体をくまなく確認しましょう。
沈んだ餌を取り除く際は、スポイトやクリーナーポンプ、プロホースなどの掃除用品が便利です。底砂の表面に残った餌やフンを吸い出せるため、夏場の水質管理にも役立ちます。
給餌のタイミング

夏の餌やりは水温が上がる日中を避けて、朝や夕方など比較的涼しい時間帯に行うのが適切です。
例えば、朝7時頃や夕方16時頃など、水温が上がりきる前・下がり始める頃に時間を決めて習慣化するとよいでしょう。
ただし、普段日中に与えていた場合は、急に給餌時間を変えると魚がストレスを感じてしまいます。
特に小型魚や稚魚、体調を崩している個体がいる場合は、数日かけて少しずつ時間をずらし、魚を慣れさせながら調整していくのがおすすめです。
食べ残しを早めに取り除くことで、夜間の水質悪化や酸欠のリスクを抑えやすくなります。
高水温のときは餌を控える

室内でも水温が30℃を超えるようなときは、無理に餌を与えないのが賢明です。
魚は程よい水温では活動量が増えますが、高水温が続くと体に負担がかかり、消化能力が落ちることがあります。
また、食べ残した餌が水槽内で傷みやすくなるのも問題なので、思い切って1~2日ほど餌を抜くことを視野に様子を観察してみましょう。
酸素をしっかり供給することで、魚の負担を軽減し、水質悪化や酸欠のリスクを抑えやすくなります。
ただし、稚魚や幼魚、体調を崩している個体がいる水槽では、絶食の判断は慎重に行います。体力が少ない個体は、餌を抜くと一気に弱ってしまいやすいです。
また、柔らかく食べやすい水草を入れている水槽では、絶食中に魚が水草をかじってしまう点にも注意してください。レイアウトを崩されてしまうのはもちろん、体調を整える絶食の意味がなくなってしまいます。
この場合は、魚の種類や状態を見ながら、給餌量や絶食期間を調整しましょう。
冷凍餌や活餌は量に注意
嗜好性が高くて魚の食いつきが良い冷凍餌や活餌ですが、人工餌に比べて水を汚しやすい傾向があることから、夏場は与え方に注意が必要です。
頻度や量が多すぎるとあっという間に水質が悪化する危険があるため、夏場は可能な限り量を控えて、人工餌を中心に切り替えると管理がしやすいでしょう。
冷凍餌や活餌を与える場合は、おやつ感覚で魚がすぐに食べきれる量を厳守すると安全です。
また、食べ残しが出たときは放置せず、スポイトやクリーナーポンプなどで早めに取り除いてください。
夏の餌の管理法とおすすめの餌

水質が悪くなりやすい夏は、餌の種類にも気を配り水を汚しにくいものに切り替えると、管理がしやすくなるでしょう。
また、餌そのものが高温や湿気で傷まないように、保管場所にも注意が必要です。
ここでは、夏の餌の保管法とおすすめの餌の選び方をご紹介します。
冷暗所で保管する
人工餌は高温や湿気に弱く、夏は特に劣化が早いです。
中でも油分を含む餌は酸化が進んで、開封後に香りが変わったり品質が落ちたりしやすいため、正しい保管を心がけましょう。
餌の保管場所は、直射日光が当たらず、温度変化の少ない冷暗所が基本。保管庫の中が26℃以下で光が入りにくい場所が最適です。
冷蔵庫の野菜室で保管するのも良いですが、パウダータイプの細かな餌は湿気や結露によって固まってしまう可能性も。
冷蔵庫で保管する場合は、開封後の餌を密閉袋や保存容器に入れ、湿気を防ぎましょう。使用後はすぐにフタを閉め、長時間室温に置かないことも大切です。
また、水槽の近くは水の蒸発や照明、機器の熱によって温度や湿度が高まりやすいため、夏に限らず、水槽台の中や水槽のすぐ横に餌を置く場合は、温度・湿度管理を意識してみてください。
水を汚しにくい餌を選ぶ
水中で崩れにくく、パッケージに「水を汚しにくい」と記載のある餌に切り替えるのも、水質を維持するのに効果的です。
ここでは、夏場におすすめの餌をご紹介します。
日清丸紅飼料 おとひめ
日清丸紅飼料『おとひめ』は、淡水魚・海水魚のどちらにも使える小粒タイプの人工飼料です。
高たんぱく高脂質で効率よく栄養摂取できて消化吸収もよいので、成長期の魚や増体させたい個体がいるときに特におすすめ。夏の繁殖期を乗り切る体力を付けさせるのにも向いています。
通常、高脂質の餌は水を汚しやすいですが『おとひめ』は嗜好性が高く、水を汚す間もなく食べ終わってしまうので、夏に与えても水質への影響はさほど気にならないでしょう。
ただ、どの餌にも言えることではありますが、食べ残しが出て水中にある時間が長引くと水が汚れてしまうため、与えすぎには注意し短時間で食べきれる量に調整するのがおすすめです。
キョーリン きんぎょのえさ 5つの力 基本食
キョーリン『きんぎょのえさ 5つの力 基本食』は、金魚の健康に配慮した専用の人工飼料です。
あっさり系で水を汚しにくく、夏場の餌やりにぴったり。浮上性の顆粒タイプで水面にとどまりやすく、食べた量や食べ残しを確認しやすいです。
ひかり菌や納豆菌、乳酸菌などが配合されていて、餌による水のニオイやにごりを抑える効果も期待できます。
こちらのシリーズには「基本食」のほかに、ヘルシーな「野菜」、色揚げをサポートする「色あげ」、腸内環境に配慮した「胚芽」、成長を促したいときに向いている「増体」のラインナップがあり、金魚の状態や育て方に合わせて餌を組み合わせながら与えるといった使い方ができます。
ミシロ 彩金魚 胚芽育成用
ミシロ『彩金魚 胚芽育成用』は、小粒で幼魚にも与えやすい金魚用飼料です。
新鮮な小麦胚芽を使用し、魚コラーゲンや植物ミネラル、生菌剤などを配合しています。
消化吸収に配慮された健康重視の餌で、夏に成長する幼魚の育成にもおすすめです。
浮上性(SSサイズ・Sサイズ)と沈下性(細粒・SSサイズ)があり、金魚のサイズや食べ方に合わせて選べます。
テトラ キリミン
テトラ『キリミン』は、繁殖期や成長期のメダカのためのメダカ用フードです。
高たんぱく・高脂肪の高カロリー設計で、健康維持や産卵をサポート。沈むのが遅く、大きく育ったメダカにも与えやすいです。
消化吸収に優れたフレークタイプで、食べ残しやフンの量を減らして水を汚しにくくする設計なので、夏場の餌やりでも安心して使えます。
キョーリン ヒカリ メダカプロス
キョーリン『ヒカリ メダカプロス』は、フンや食べ残しの分解をサポートするひかり菌とGB菌を配合したメダカ用フレークフードです。
水を汚しにくいのはもちろん、2種類の生菌が消化吸収を助け、健康なメダカを育成しやすくなります。
浮上性で水面にとどまりやすく、様々な体長のメダカが食べきりやすいのも嬉しいです。
オクトジャパン オクトゼニス ビットフード
オクトジャパン『オクトゼニス ビットフード』は、カラシンなどの小型熱帯魚に向いた粒タイプの人工飼料です。
ソフトで嗜好性が高く食いつき抜群。ビタミンやミネラルなどの必要な栄養素と、タンパク質・脂肪などの分解酵素が配合されているので、熱帯魚の消化吸収を助け健康な体づくりをサポートしてくれます。
水面に浮く時間が長く、ゆっくり沈むため、魚が食べきりやすいです。
オクトジャパン オクトゼニス プレコトムス
オクトジャパン『オクトゼニス プレコトムス』は、プレコやモーリーなどの草食性魚におすすめの沈下性の人工飼料です。
天然の海藻類を主原料に、藻類の香りを強めることで食いつきを高めています。
プレコの習性に合わせたタブレット状の餌で、崩れにくく水を汚しにくいのも特徴です。
まとめ|餌の夏対策!魚の餌を暑さから守る・おすすめの餌と管理のコツ

水温が暖かい夏は魚の食欲や活動量が高まる一方で、水質悪化や酸欠にも注意が必要な季節です。
餌を与えすぎると食べ残しやフンが増えて水が汚れやすくなるため、1~2分で食べきれる量を目安に調整しましょう。
気温が上がる日中帯を避け、朝や夕方に餌を与えるといった工夫も大切です。
また、高温多湿の環境では餌そのものも劣化しやすくなります。
開封後の餌は冷暗所で保管し、湿気や直射日光を避けることを意識してみてください。
特に水槽の近くは温度や湿度が高くなりやすいため、夏の間だけ保管場所を変えるといった検討も必要です。
夏に与える餌は水を汚しにくく、魚が食べきりやすい形状を選ぶのがおすすめです。
魚の種類や成長段階に合った餌を選び、給餌量と保管方法を見直すことで、暑い時期も健康的に魚を育てることができるでしょう。

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