皆さんは普段魚たちに与えている餌を、どのような方法で保管していますか?
実は魚の餌にも消費期限があり、その期間は開封後約6ヶ月と言われています。
ただし保存方法によっては、消費期限よりも早く餌が劣化してしまう可能性があるので、注意しなければなりません。
そこで今回は魚に与える人工餌や生餌の保存方法や、ダメになった状態の目安などについて解説をしていきます。
魚の健康を維持するために、餌の適切な管理方法や劣化の目安を知りたいという方は、ぜひこちらの記事をお役立てください。
魚に与える餌の消費期限とは?
まずは魚に与える餌の消費期限の目安や、古い餌を与えてしまった場合のデメリットについて解説をしていきます。
消費期限の目安
魚に与える餌の消費期限は、大体どのメーカーのものも開封後約6カ月と言われています。
しかし、保存環境によっては湿気などを含み劣化が早まってしまう場合があるので注意をしましょう。
古い餌のデメリット
続いては古い餌を与えてしまった場合のデメリットについて。
傷んだ餌を与えると以下のような問題が起こりやすくなります。
- 餌の食いつきが悪くなる
- 消化不良を起こしやすくなる
- 魚が病気になりやすくなる
餌に含まれる油分が空気に触れると、酸素と反応を起こし酸化してしまいます。
酸化した餌はにおいがきつくなるため食いつきが悪くなりますし、雑菌がつきやすくなるため、それを食べた魚が消化不良を起こしてしまうことがあるのです。
消化不良を起こした魚は体調を崩し、エロモナス症などの感染症にかかってしまうこともあります。
丈夫な魚種や健康な生体ならば、多少古くなった餌を食べても問題ないことが多いのですが、もしものことを考えて、トラブルの要因となる古い餌は与えないことをおすすめします。
使いきれず消費期限が過ぎてしまった餌は、早めに処分しておくようにしましょう。
人工餌の保存方法
人工餌は劣化しても見た目の変化が少なくわかりづらいです。そのため、消費期限に気を付けながら適切な保存を心がけ、常に劣化を遅らせるような工夫をしましょう。
ここからは人工餌の保存方法について、
- 冷蔵庫に入れる
- 密閉容器に入れる
- 乾燥剤を入れる
これら3つの方法を解説していきます。
冷蔵庫に入れる
もっとも手軽にできるのが、冷蔵庫に入れるという保存方法です。
冷蔵庫内は温度が一定に保たれており、湿度も10~30%とやや乾燥気味に保たれているため、高温多湿による劣化を遅らせることができます。
密閉容器に入れる
酸化を防ぐために密閉容器に入れて保存するのもおすすめです。
この場合、全量をひとつの密閉容器に入れるのではなく、少量ずつ小分けしたうえで密閉容器に保存しましょう。
一度に与える餌の量や頻度にもよりますが、大体2週間程度で使い切れる量を小分けしておくと、餌が空気に触れる機会をかなり減らすことができます。
乾燥剤を入れる
餌をシリカゲルなどの乾燥剤と一緒に保存しておくのもおすすめです。
湿気による劣化を遅らせることができるため、状態を保ちやすくなります。
生餌の保存について
続いては生餌の保存方法について。
冷凍餌が傷んだ場合の見分け方や、活餌を管理する際の注意点などについて解説をしていきます。
冷凍餌がダメになった状態とは
人工餌と比較すると、生餌は傷んだ状態が見極めやすいです。
特に冷凍赤虫などは、冷凍庫に長期間入れておくと冷凍焼けを起こしてしまい黒く変色したり異臭を発する場合があります。
また、冷凍での管理が不十分であったり、再冷凍を繰り返してしまった場合は、生餌が変色したり、解凍した際に汁が出てくることもあります。
このように変色や汁が見られる場合はダメになった状態ですので、速やかに処分しましょう。
そして、一度解凍した餌を再冷凍するのは絶対にNGです。
品質が極度に悪化し、餌を食べた生体の体調が悪くなってしまう可能性がありますので、十分に注意しましょう。
ブラインシュリンプは孵化したてが最適
ブラインシュリンプは、孵化をしたばかりの頃にお腹についている『ヨークサック』に栄養が詰まっているため、生まれたてを餌として与えるのが一番理想的です。
孵化させたブラインシュリンプはストックしたりせず、すぐに与えてやりましょう。
孵化のさせ方など詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご覧になってみてください。
ブラインシュリンプエッグの保存可能期間について
ブラインシュリンプは卵の状態であれば最長で5年ほどは保管できるとされています。
それ以上保管期間が伸びると孵化率が悪くなってしまうため、買い替えを検討しましょう。
活餌は健康管理に注意
ジャイアントミルワームやデュビア、餌用金魚(小赤)、餌用メダカなどの活餌は、病気を起こさないように育成管理するのが重要です。
最終的には飼育している魚たちが食べるものですので、餌だからと適当にせずにしっかりと環境を整えて丁寧に管理しましょう。
また、活餌を食べる魚種は古代魚が主ですが、古代魚は魚病薬が使えず治療手段が限られています。
病気を発症すると治療が困難になるケースが多いため、細菌などを持ち込む可能性のある餌を与えるのは避けておいたほうが無難です。
生餌の種類やアロワナにおすすめの餌については以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。
まとめ:魚に与える餌の消費期限とは?最適な保存方法と買い替え間隔を考える
魚の餌の消費期限は開封後約6ヶ月間と言われていますが、保存方法によっては消費期限よりも早く餌が傷んでしまう可能性があるため、適切に管理しておく必要があります。
人工餌の場合は密閉して冷蔵庫で保管し、高温多湿による劣化を防ぎましょう。
生餌の場合は長期間冷凍すると冷凍焼けによって変色したり傷んでしまうことがあるので注意をします。
活餌は病気を起こさないようにしっかりと環境を整えて丁寧に管理しましょう。
餌は飼育している生体たちの、生命の源です。
適切に保存をして、状態の良い餌を与えてあげてください。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!