夏になると川で水遊びに行く機会が増え、川で魚やエビ、ヤゴなどを捕まえて、そのまま家に持ち帰り飼育しようとしたことはありませんか?
しかし自然の中で育った川魚やエビ、ヤゴなどは、ショップで販売されている熱帯魚や金魚と違い飼育されるのに慣れていないため、すぐに死なせてしまうこともあります。
川で捕まえた生き物は、熱帯魚よりも飼育温度が低めなものが多く、きれいな水を好むものが多いため、ある程度熱帯魚や淡水魚の飼育に慣れていないと難しい場合もあるんです。
今回は川魚の中でも自宅で飼育しやすい川の生物を5種類、飼育のポイントなどを交えてご紹介していきます。
川でとれる自宅で飼いやすい生き物ベスト5!
それではさっそく、河でとれる生物で自宅で飼いやすいものを、ランキング形式でご紹介していきましょう。
川でつかまえることのできる生き物の育て方については、こちらの記事で詳しく書かれています。
ベスト1.ドジョウ
川で捕まえることのできるドジョウには、「ホトケドジョウ」、「シマドジョウ」、「ドジョウ」がいます。
ドジョウはヒゲが10本ですが、ホトケドジョウは8本、シマドジョウは6本とそれぞれヒゲの本数が異なります。
そしてドジョウは泥質の場所を好む傾向にありますが、シマドジョウは砂質の場所を好み、ドジョウやホトケドジョウは流れの緩い小川にいることが多いですが、シマドジョウは、水の綺麗な河川にいることが多いです。
ドジョウは魚の中でもとても丈夫で、自宅で飼育するのもとても簡単で越冬も可能で体が細長く、種類によっては20cmくらいにまで育つものもいるので、水槽は45cm以上で大き目のほうがよいです。
ドジョウの飼育についてはこちらの記事も参考にしてください。
ドジョウは砂にもぐる習性がある
砂にもぐる習性があるので、底砂は5cmくらいの厚さで、角のない細かな砂やソイルを使用します。ただし、ホトケドジョウは水槽内を泳ぐことも多いので、底砂はそこまで気にしなくてもよいと言えます。
普段は底砂にもぐっているドジョウですが、夜はとてもよく動き回り、水槽から飛び出すこともあるので水槽のフタは必須です。
ドジョウは寒さに弱い
適温は夏は27~31度、冬は10度前後ですが、ドジョウは寒さに弱いのでヒーターを入れて水温を10度以上にしたほうが元気に育ち、隠れ家として半分に切った土管などを入れておくと落ち着くようです。
餌は何でもよく食べる
雑食性なので、市販されている冷凍アカムシや、生き餌のイトメなどもよく食べますが、豆腐や麩なども食べますし、金魚の餌、熱帯魚用の沈下性の餌や、ドジョウ専用フードなども食べます。
ベスト2.メダカ
いまやアクアショップで購入するのが普通なメダカですが、比較的浅くて綺麗な小川などでは、野生のものがいます。メダカは環境に対する適応能力がそれなりに高く、アクアリウム初心者などでも飼育しやすいです。
野生のメダカも市販されているメダカ同様、水質にそこまでうるさくありませんし、逆に野生のもののほうが丈夫なことが多いです。育て方は市販されているメダカと変わらず、水槽内の環境がよければ産卵も簡単なので、自宅で簡単に繁殖することができます。
しかし親が卵や稚魚を食べてしまうことがあるので、繁殖させるつもりなら卵は別水槽に移し、孵化して親の口に入らないサイズになるまでは、別の水槽で育てる必要があります。
メダカの飼育については、こちらの記事を参考にしてください。
ベスト3.モツゴ
モツゴはコイ科の魚で、環境に対する適応能力が強く、水質悪化にも強いという特徴があり、生息地域は関東以西で、自然環境では河川の下流域に入ることが多く、底にいる生き物や着藻類などを食べています。
「クチボソ」という名前で呼ばれることもあり、体長は8~12cm、寿命は3~5年、なんでもよく食べる丈夫な淡水魚で、甘露煮にして食べられることもある魚です。
水槽内ではよく動き回るので、飼育水槽は60~90cm以上のものをおすすめします。
数が少ないといじめが発生する
1~3匹で飼育していると、強い魚が弱い魚をいじめるため、5匹以上で飼育することでいじめを回避することができます。
大人しい魚なので、他の魚との混泳は可能ですが、ストレスに弱い部分があり、強いストレスを感じるようになると餌を食べなくなってしまい餓死することもあります。
水温を上手く調整すること
飼育適正水温は5~30度なので、夏場は水温が30度以上になるようなら、水槽用のクーラーを設置したほうがよいでしょうし、冬もヒーターを使って水温を調整してあげる必要があります。
ベスト4.サワガニ
サワガニは川の上流で水が綺麗な砂場や礫の多い場所にいることが多っく、子どものころによく川で捕まえたという人は多いのではないでしょうか。食用としても知られていて、唐揚げにして食べられることが多いです。
水のきれいなところに住んでいるので、飼育が難しいと思われがちですが、ザリガニなどと飼育方法は変わらず、飼育環境がよいと10年近く生きるものもいます。複数飼育は可能ですが、脱皮直後は甲羅が柔らかいため、共食いされることがあるので、注意が必要です。
サワガニは水質に敏感
水質悪化には弱いので、飼育するときはフィルターを設置しない場合は毎日水換えを行わなければなりません。アルカリ性の水質を好むので、底砂にはサンゴ砂がおすすめです。
大磯砂や、市販されている観賞用の石を入れて置くと、石を器用に運んで巣を作る様子を見ることができます。
しかし一度巣を作ると食事以外は巣からでなくなってしまうので、普段の様子を見たいのであれば隠れ場所を少なくしたほうがよいでしょう。
サワガニは脱走の名人
意外と移動するのがうまく、フィルターのコードを伝って脱走することがあるので、水槽にふたをするなど脱走を防止する工夫をする必要があります。
サワガニは高温に弱い
夏場は25度前後が最適な温度となっていますが、30度近くになっても、直射日光が当たるような場所でなければ、すぐに死ぬことはありませんが弱ります。
ベスト5.イモリ
イモリは綺麗な水をこのみ、河川の流れがゆるいところや、止水域にいることが多く、植物の根元や石の隙間などに隠れていることが多いです。
日本国内では「アカハライモリ」、「シリケンイモリ」、「イボイモリ」という3種類が棲息しています。
アカハライモリは北海道以外の本州・四国・九州とその周辺の島に生息し、シリケンイモリとイボイモリは南西諸島に生息しており、どの種類も両生類に分類されています。
イモリは肉食性
肉食性なので、自然の中では昆虫やミミズ、カエル、甲殻類などを食べていますが、飼育するときはイトメなどの生餌や、冷凍アカムシもよく食べてくれます。
触ったら必ず手を洗うこと!
アカハライモリは耳の後ろ側にあるこぶから毒を出しますが、人に害を与えるほど強いものではありません。しかしイモリを触ったときに毒が付着した手で目を触ったりすると、炎症を起こすことがあるので、イモリを触ったときは必ず手を洗いましょう。
長時間触るのはイモリにとってはNG
イモリは変温動物なので、長時間人間に触られていると体温調整が難しくなってしまい、弱ってしまいますので、可愛いと思ってもイモリに触るのは水換えのときなどだけにしておきましょう。
イモリは長寿な生物
自然の中ではアカハライモリは25~30年は生きるといわれており、飼育環境がよければ10年以上生きることもできます。長寿な生物なので、飼育するときはきちんと最後まで責任をもって飼いましょう。
水槽内に陸地を作ろう
完全に水棲ではないため、水槽内には陸地を作ってあげる必要があります。市販されている亀用の陸地などでもよいですし、底砂を斜めにして水地と陸地を作ったり、岩や流木などを置いて陸地を作るという方法もあります。
水温管理をしっかりと!
水温は常温で大丈夫ですが、イモリは暑さに弱く適正水温は20度前後です。夏場は水温が高温になるので、直射日光の当たらない日陰で水槽用のクーラーなどを使用して、水温を低く保ちましょう。
また冬も水温が10度以下になると冬眠してしまうことがあるので、ヒーターを使って15~20度くらいに水温を保つようにします。
川でとれる魚を飼育!自宅で飼いやすい川の生き物ベスト5!飼育のポイントもまとめ
今回は川で捕まえることのできる生き物の中から、飼いやすいものを5つご紹介しました。
川で捕まえることのできる生き物は、魚だけではありません。カニやイモリのほかにも、カエルやヤゴなどもいます。
自然環境で育った生物を自宅の飼育環境に慣らすのは大変ですが、生態などを観察すると意外に面白いです。お子さんの夏休みの自由研究で、川で捕まえた生物の観察日記を親子で一緒に作るのも楽しいです。
丈夫な生物は水質悪化や水温に気を付けていれば、意外に飼育が簡単なものもいるので、もし川遊びをして生物を捕まえたのなら、一度自宅で飼育してみませんか?
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