レッドテトラはネオンテトラに代表されるテトラ類の1種で、カラシン目に分類されている小型魚です。「ファイヤーテトラ」の別名を持ち、その名の通り全身が燃えるような鮮やかな赤色に発色する奇麗な熱帯魚です。
レッドテトラを上手に飼育するポイントとしては、以下の3点が挙げられます。
- 適切な水温・水質を保つ
- 強い水流が生じないようにする
- 餌のサイズに注意する
レッドテトラは小型カラシンの中でも特に小さいので、給餌や混泳時にはサイズ感を意識することが重要です。それでは、レッドテトラの飼育法について詳しく解説していきましょう。
レッドテトラとは?
レッドテトラとは「ネオンテトラ」などと同様、カラシン目に分類される淡水魚です。体長は最大でも2.5cm程度とカラシンの中でも特に小型で、別名「ファイヤーテトラ」と呼ばれている通り、体色は全身が燃えるように鮮やかな赤色に染まります。
水草水槽などで複数匹を飼育すると、その赤色がよく映えるので、アクアリウムの主役としてもワンポイントとしても活躍してくれます。食性は他のテトラ類と同様に雑食性で、餌の選り好みはせずに何でもよく食べてくれるのですが、体が小さいので餌のサイズには注意が必要です。
性格は温厚なので色々な生体との混泳も楽しめますが、やはり小型であるがゆえにタンクメイトを選ぶ必要があります。価格相場は10匹で1000円前後と手頃な値段で入手可能です。
レッドテトラの寿命は3~4年
寿命は平均で3~4年で、小型魚の中では安定して寿命を迎える傾向が強いです。水流などに気を付けてやれば、健康に育ちます。
レッドテトラの飼育方法
レッドテトラの飼い方の基本
飼育法の基本としては、他のテトラ類やラスボラなどの小型魚の場合と概ね同様です。すなわち、適した水温は25~27℃前後で、水質はpH6.0~7.0程度の弱酸性から中性を好みます。
餌は前述の通り、何でも食べてくれるので人工飼料をメインに与え、たまに生餌を与えると喜びます。ただし、レッドテトラは体も口も小さく、口に入らない餌は食べられないので、カラシンなど小型魚の育成を目的とした粒が小さい餌を選んでください。
レッドテトラは環境の影響で体色が変化することが知られています。そのため、水槽導入時はストレスを感じて発色が良くないことがありますが、環境に慣れてくれば赤色が引き立つようになります。
色揚げには餌や水質も重要で、餌は色素物質の1つである「アスタキサンチン」が多く含まれている物が効果的です。水質は、弱酸性の軟水を維持すると赤色の発色を引き出せます。
なお、色揚げ用の餌ばかり与えていると、栄養が偏って成長不良に陥るので、他の餌と併用するようにしてください。飼い込むことで発色を引き出すこともレッドテトラ飼育の醍醐味です。
レッドテトラに最適な水流
レッドテトラは強い水流を好みません。そのため、フィルターの排水やエアレーションによって、速い流れが水槽内に発生しないように配置には注意が必要です。フィルターの排水が問題になるようでしたら、排水口に「フローパイプ」を取り付けると、流れを穏やかにできます。
レッドテトラの混泳について
レッドテトラは混泳相性が良い魚種で、様々な生体との混泳を楽しめます。しかし、サイズ差には注意が必要で、レッドテトラが口に入る大きさの魚種には食べられる危険があるので、中型以上の魚種とは混泳は避けた方が無難です。
また、本種は弱酸性の水質を好むので、弱アルカリ性での管理が望ましい魚種との相性はあまり良くありません。
以上のことから、相性が特に良い魚種としては「プリステラ」や「ラミーノーズテトラ」などの温厚な小型魚が挙げられます。遊泳層が重ならない「コリドラス」や小型の「プレコ」などとも相性が良く、両者はクリーナーとして活躍するだけでなく、水槽の下層を賑わしてくれます。
レッドテトラ水槽で育てやすい水草
レッドテトラは印象的な赤色をしているので、水草水槽で群永させるだけでも大変見栄えの良いアクアリウムに仕上がります。ここでは、レッドテトラ水槽で育成しやすい、ちょっぴりハイクラスな水草をご紹介します。
逆を言えば、これらの水草のタンクメイトにはレッドテトラ(レッドテトラや混泳可能な魚たち)がおススメです!
エイクホルニア
ミズアオイ科の有茎草で、南アメリカ大陸やアフリカ大陸に自生している水草です。育成はやや難しい部類ですが、十分な光量と二酸化炭素(CO2)の添加をすれば上手に育てられます。
ミリオフィラム
アリノトウグサ科の有茎草で、主に南アメリカ大陸に分布しています。育成は容易で、少量で良いのでCO2の添加をすると奇麗に育ちます。
エキノドルス
オモダカ科に属するロゼット型の水草で、南米を代表する人気種です。高級水草と知られている本種ですが、改良品種などは手頃な価格で入手できます。色や草姿はバリエーションに富み、丈夫で育成もしやすいおすすめの種類です。
ニムファ
スイレン科の根茎タイプの水草で、東南アジアに分布する種類と、アフリカに分布する種類があります。色のバリエーションが豊富なので、様々な水槽レイアウトで活躍します。
レッドテトラの自然繁殖・雌雄の見分け方とは!
レッドテトラはワイルド個体の繁殖例はほとんどないのですが、ブリードされた個体であれば水槽内での自然繁殖も可能です。
雌雄の見分けは難しく、メスはオスよりもふくよかでオスはメスよりもスレンダーで各ヒレが長くなる傾向にありますが、小型ゆえにほとんど見分けがつかないことも多いです。そのため、繁殖させたい場合は、ある程度の個体数を同一水槽に入れると良いでしょう。
後は、産卵床の役割や稚魚が隠れるための水草・流木などを入れて、レッドテトラの成育に適した環境を維持すれば、自然に産卵にまで至ります。
本種はバラまき型の産卵形態を持つので、産卵床には「ウィローモス」を敷き詰めるようにすることがおすすめです。稚魚や卵は微小で、親魚を含む他の魚に食べられやすいので、必要に応じて隔離すると良いでしょう。
まとめ・混泳や繁殖などレッドテトラの飼育法について
レッドテトラは小型カラシンの1種で、全身が鮮やかな赤色に発色する優れた鑑賞性を持つ熱帯魚です。水質にうるさくなく飼育は容易なので、アクアリウムの入門種としても適しています。
しかし、小型カラシンの中でも特に小型なので、餌の大きさには注意が必要です。レッドテトラは環境によって発色に変化が見られます。飼い込むことで赤色を引き出す面白味がある、飼育しがいのある熱帯魚なので、ぜひレッドテトラの飼育に挑戦してみてください。
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