肉食魚は性格が荒い、サイズが大きくなりすぎるといったイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。確かに肉食魚は気性が激しいものが多く、他の種類と比べると大きく育つ種類が多いですが、家庭内の水槽で飼育することのできる程よいサイズのものもいます。
また外見がとてもカッコよかったり、ちょっと変わった魅力的な種類も多いため、肉食魚の魅力に引き付けられているアクアリストも多いです。
今回は自宅水槽でも比較的飼育しやすい、おすすめの肉食魚を5種類ご紹介していきます。
比較的飼育しやすいおすすめの肉食魚5選
肉食魚は成長しきるとかなり大きなサイズになってしまうものが多いですが、今回は90cm水槽で飼育可能な程よいサイズに育つ種類を5種類ご紹介していきます。
小型スネークヘッド(ドワーフ、レインボー)
スネークヘッドはスズキ目のタイワンドジョウ科に属する魚で、日本では「雷魚(らいぎょ」という名称でも知られています。一般的なコイ目のドジョウ科に属しているドジョウとは異なり、細長い体に蛇のような頭が特徴です。
頭に「腔所」があるのですがこの中の「上鰓器官」という器官の働きで、空気呼吸することも可能です。しかしヒレと腔所どちらか片方だけでは必要な酸素を得ることができないといわれています。
人間でも手を口に近づけると噛みつかれ、出血してしまうほどの強いアゴの力を持っているので、水槽メンテナンスの際は注意が必要です。
種類によっては大きく育つものもあるので、自宅で育てるなら小型の「ドワーフ」や「レインボー」といった種類がオススメ!
スネークヘッドの育て方などの詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています!
ポリプテルス
ポリプテルスは夜行性の肉食魚で、90cm水槽の飼育には「デルヘッジ」や「セネガルズ」といった中型~小型の種類がおすすめです。「エンドリケリー」などの大型種になってくると120cm以上の水槽が必要になります。
「古代魚」としても知られている淡水魚で、古生代~中生代に存在した「硬鱗魚」と似たよう名特徴を持っているので「ハイギョ」や「シーラカンス」などと近縁種なのではないかという見方をしている人もいます。
白点病などの魚の病気にはかかりにくいのですが、「マクロギロダクティルス・ポリプティ」というポリプテルスにだけ寄生する寄生虫が存在しているので、2匹目以降を同じ水槽内に入れるときは注意しましょう。
ポリプテルスの育て方はこちらの記事をご覧ください!
ブラックゴースト
ちょっとユニークな外見で独特な泳ぎをするブラックゴーストは、夜行性の肉食魚です。
ナイフフィッシュの仲間ですが、背びれがなく腹びれ~尻びれがつながっていて、泳ぐときはこのヒレを動かして水中をゆっくりと泳ぎます。肉食魚の中でも飼育は比較的容易ではあるのですが、警戒心が強いのか水草など物陰に隠れていることが多いです。
見た目とは裏腹に気性が激しいこと、夜行性なので同じ水槽内の魚が眠っているときに食べてしまうと言ったことが考えられるので、混泳には向きません
餌は肉食魚専用の人工飼料や冷凍アカムシ、メダカといった小魚を食べてくれますが、目が退化しているため自身の出す微弱な電波で餌を探します。
また水質変化に弱く白点病にかかりやすいという特徴もあるので、飼育の際は水質管理などには十分注意しましょう。
リーフフィッシュ
リーフフィッシュはその外見が、落ち葉のように見えることからこの名前がつけられました。成長しても10cmほどと肉食魚の中では比較的小型ですが、気性が激しいため混泳には向きません。また水槽内のコケ対策として入れることの多いエビ類は、口に入ってしまうため餌と思って食べられてしまうことがほとんどです。
餌はメダカやアカヒレといった小型魚や、エビ、市販の冷凍アカムシなども食べますが、大食いなので水が汚れやすいためこまめな水槽掃除や水換えが必要になってきます。人工飼料に慣れることもありますが、慣らすのはアクアリウム初心者にはなかなか難しいです。
オスカー
オスカーはシクリッドの仲間で、同じ種類でも1匹ごとに体色や模様の出方や、体形が変わってくるので自分好みの1匹を見つけるまでが大変かもしれません。人に慣れることでも知られている肉食魚ですが、大きくなるうえに寿命も長いので、飼育するときはきちんと最期まで飼うつもりで購入しましょう。
販売されている稚魚のサイズが小さいため60cm水槽で飼育できそうと思う人がいますが、オスカーが成長したときの水槽内のゆとりなどを考えると、最低でも90cm水槽での飼育が望ましいです。アクアリウム初心者にはおすすめしにくく、中級者~上級者向けの肉食魚です。
比較的人工飼料も食べてくれることが多いですが、購入時はショップで人工飼料も食べてくれるかを確認し、購入してから人工飼料に慣らすという方法もあります。
オスカーの飼育詳細については、こちらの記事を参考にしてください。
肉食魚飼育のポイントとは?
肉食魚を上手に長生きさせるには、「人工飼料に慣らす」「こまめな水槽メンテナンス」の2つがポイント。この2つを上手く行うことで、水槽の管理もしやすくなります。
生餌や冷凍アカムシばかりでは餌やりが大変
肉食魚の飼育を始めるときには、「人工飼料でも飼育が可能か」という点がとても重要です。生餌や冷凍アカムシばかり食べていると、どうしても栄養が偏ってしまうため、栄養バランスの優れた人工飼料と併用してあげることで、長生きさせやすくなります。
また飼育する数によっては生餌などのストックが多くなってしまうため、生餌用の専用水槽が必要になったり、冷凍庫での保管場所が必要になってきます。飼育者が仕事で単身赴任や長期出張、旅行などで不在になる場合、生餌や冷凍アカムシばかり与えていると、他の人に世話を任せにくく、不在時の餌やりが難しくなってくることでしょう。
人工飼料なら誰でも簡単に餌やりができる
生餌や冷凍アカムシなどと比べると、人工飼料は手軽に与えることができ、ストックする場所もそれほど必要なく、保存しやすいというメリットがあります。手間がかからず餌やりをルーティン化しやすくなることで、飼育しやすくなるんです。
水槽メンテナンスはこまめに!
今回ご紹介した肉食魚は種類によっては単体飼育推奨なものもいますが、90cm水槽で飼育できるものばかりです。大きくなればその分フンも多くなり、水を汚しやすくなりますが、大型水槽になるほど全体の水量が増えるため、水質が安定しやすくなります。
病気を防ぐためにも、水槽のこまめなメンテナンスは必要となりますが、きちんと世話をしてくれれば魚も慣れてくれ長生きしてくれることでしょう。
まとめ:自宅水槽でも肉食魚飼育を始めてみよう!
今回は小型~中型の肉食魚をご紹介しました。生餌や冷凍アカムシなどの管理もあるので、一般的な熱帯魚や海水魚の飼育よりは手間がかかります。しかしオスカーのように人に慣れる肉食魚もいますし、ブラックゴーストのようなユニークな外見のもの、古代魚に分類されるものなど、魅力的で迫力のある種類が多いです。
水槽が大きくなるので水換えなどもやや手間がかかりますが、手間をかけている分、小さな稚魚の段階から飼育していくので愛着がわきやすいです。自宅スペースに90cm水槽を置く場所があるのなら、一度肉食魚飼育を行ってみませんか?
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