飼育している海水魚が死んでしまう原因のTOP5って何だと思いますか?
海水魚の死因で多いのは、次の5つです。
- 白点病
- ケンカで弱る
- ハダムシの寄生
- 餌が食べられず餓死
- 水質が合わない
飼育を楽しみにして購入した海水魚を、少しでも長生きさせたいと思うのであれば、次のような対策や考え方をする必要があります。
- 導入前のトリートメント
- 購入前に魚の性質を知る
- 魚にとって最適な比重と硝酸塩について考える
今回は海水魚水槽で多い死因5つとその対策についてお話ししていきます。
海水魚の死因5個
熱帯魚のように海水魚でも飼育環境下で多い死因というものは色々ありますが、中でも多いのはこれからお話しする5つ。海水魚飼育を始めようと考えている人や、海水魚飼育初心者さんは要チェック!
1:白点病は海水魚で最も多い病気
淡水魚飼育でもよく目にする『白点病』ですが、海水魚でも発症しますし、導入時に一番問題になることの多い病気です。
『白い点がつく』のですが、この白点の数や場所が変化するという特徴があり、病気とはいいつつも『白点虫』が体につくことで発生します。
チョウチョウウオやハタタテダイなどがかかりやすく、ヤッコ・ハギ・フグなども要注意が必要な病気ですが、淡水魚で使用するかグリーンFゴールドの投薬と換水で治療しましょう。
ただしグリーンFはサンゴ水槽で使うことはできませんので、注意してくださいね。
換水は海水魚から離れてしまった白点虫を取り除くという目的もあり、サンゴのいない水槽で薬を全く使わないで治療したいのであれば、全換水がおすすめ。
またラクトフェリンやフコダインを餌に混ぜて与えることで、白点虫を体から離す、という方法もあります。
『硫酸銅』を使う方法もありますが、こちらは硫酸銅自体が毒性が強いために薬局で購入する場合には印鑑が必要ですし、初心者には使用量などが難しいためおすすめできません。
白点が一般の白点病より大きかったり、付着時間が長い場合は、『リムフォシスティス(リンホシスチス)』、白点が小さすぎる場合はウーディ二ウムの可能性があります。治療効果が全くなく点の大きさが一般の白点病と異なる場合は別の病気の可能性も考えましょう。
2:ケンカで弱ってしまう
海水魚は熱帯魚や金魚・メダカなどでも多い『ケンカ』、さらに『いじめ』といったことが原因で死ぬことも多いです。もともと広大な海の中に住んでいる海水魚たちは、遊泳場所が限られている上に狭い水槽内では縄張り争いが頻発しやすい環境になっているんです。
そのため性格のキツイものや縄張り争いの激しい海水魚を水槽内に入れることで、ケンカや縄張り争いが頻発してしまい、弱い方の体力が落ちる・体に傷がつくなどしてそこからさらに病気などで死んでしまうことは珍しくありません。
あまりにケンカや縄張り争いがひどいようなら、隔離する必要があります。
3:ハダムシが寄生していた
ハダムシは海水魚飼育では白点病の次に厄介な寄生虫で、寄生されていると目が白濁りしているように見える・尾腐れ病のような症状が出ることがあります。海水の中にいるときは透明に近い色をしているため、肉眼での発見が難しいという特徴もあるんですよ。
ハダムシは放置しておくとドンドン増えていくので、気性されている海水魚は弱って死んでしまうため、見つけ次第適切な処置をとる必要があります。
白点病とは違い、ハダムシの駆除は『淡水浴』をおこなうだけなんです。しかし淡水浴に使う水は、カルキ抜きをするだけでなく、サンゴ砂を入れた状態で1日放置してpHを合わせる・バッファー剤を使ってpHを合わせる必要があり、種類によっては汽水を使うことも。
淡水浴の時間は約2分。たった2分ですがハダムシには大きなダメージが与えられるため、透明だった色が白くなって米粒のような体が見えるようになり、魚の体から離れていきます。
海水魚飼育初心者さんがハダムシを見つけるのは難しいですが、今まで元気だったのに急に元気がなくなる・体色があせる・目が濁っているように見える・呼吸が早いなどといった症状がる場合は疑ってもよいかもしれませんね。
4:餌を食べられずに餓死
海水魚専門のお店や通販で購入する人がほとんどですが、お店で販売されているからといって必ずしも人工餌に慣れているとは限りません。海水魚は熱帯魚以上に人工餌に慣れていないものが多い傾向にあるので、購入後に餌の食いついが悪い・餌を食べなくなるといったことが起こるのも珍しくないんです。
海水魚飼育初心者さんは、購入前に店員さんにお店で与えている餌を聞いたり、人工餌に慣れているかなどを聞いて購入するようにしましょう。またいじめなどで餌を食べることができず餓死ということもあるので、日頃から水槽内の生き物の勢力関係やいじめがないか、給餌のときにしっかりといきわたっているかチェックする必要もあります。
いじめなどにあってあまりにもやせ方がひどい場合は、隔離して回復させてあげましょう。
5:水質があわなかった
海水魚は塩分の比重が低すぎることで、死んでしまうこともあります。東京アクアガーデンで海水魚飼育におすすめしている塩分の比重は『1.024以上』です。比重が低すぎると栄養素が不足してしまいますし、体調を崩しやすくなります。
海水魚を長生きさせる対策と考え方
海水魚の死因で多いものを5つご紹介しましたが、ここからは海水魚を長生きさせる対策と考え方についてお話ししていきます。
導入前は必ずトリートメントをする!
海水魚飼育初心者さんが見落としがちな『導入時のトリートメント』。ハダムシの所でも説明しましたが、淡水浴は2分ほどですむのでそこまで難しいものではありません。淡水浴をおこなうことで、ハダムシのような寄生虫を落とすことができるので、水槽内での発症率を下げやすくなりますよ。
購入前に魚の性質を知ろう
これは海水魚だけでなく熱帯魚や金魚・メダカなどすべての生き物にいえること。購入する前に必ず魚の性質や習性・飼育に必要な機材や環境などを確認しておきましょう。最初から魚の習性や性質を知ってしっかりとした環境で飼育することで、水槽内での混泳相手選びや、ケンカ・いじめ・餌を食べないといったことに対する対処法なども考えやすくなります。
最適な比重と硝酸塩を考える
先ほど東京アクアガーデンでおすすめしている比重は『1.024』とお話ししましたが、その理由は『南洋の海は比重が高い』という理由があるからなんです。
人気の高いカクレクマノミのような南洋の海水熱帯魚は、比重が高いとボディカラーの発色がよくなる傾向にあるので、特定の条件があって低めに保たなければならない場合を除き、この数値を目安にすることをおすすめします。
海水魚水槽では、硝酸塩は『ほぼ0にする』というセオリーがありますが実際どうなのかというと、魚だけの飼育なら多少あっても平気な場合が多いです。しかしサンゴ飼育をしている場合には0でないと影響が出てしまうんです。
AZ-NO3などといった硝酸塩の除去剤もありますが、サンゴや生き物に影響なく安全に除去したいのであれば、プロテインスキマーがおすすめ。
まとめ:海水魚が死んだ!海水水槽でよくある死因5個とその対策をまとめました!
淡水魚でも発症する白点病、海水魚では対処方が異なりますし、やはり海水魚ならではの死因もあるので、これから海水魚飼育を始めよう・海水魚飼育初心者さんはしっかりと海水魚の基本について勉強してから飼育を始めましょう。
水槽に入れる前のトリートメントや塩分の比重・硝酸塩の有無なども、海水魚を長生きさせるための重要なポイントになります。今は書籍やネットなどでも調べることができますし、ショップの店員さんや自分の周りにいる海水魚飼育者に聞いてみるのもよいですね。
しっかりと知識をつけて、長期の海水魚飼育を目指しましょう!
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