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Step3

飼育水を整える!水をきれいにするバクテリアとは

アクアリウムで生き物を長期飼育するために必要なのがバクテリアたちの働きです。

バクテリアには様々な種類がいますが、中でも飼育水を快適な水質にしてくれる硝化菌(硝化バクテリア)は、魚たちにとって非常に有益な存在です。
ここではバクテリアの働きを解説します。

硝化バクテリアとは

生き物の住める水を作る菌類のことです。

硝化バクテリア』とはアンモニア酸化バクテリアである『ニトロソモナス』や亜硝酸酸化バクテリアの『ニトロバクター』などの総称です。
水槽内にそれぞれが十分に繁殖することで、生き物が住める水作りである『硝化サイクル』を完成させてくれます。

硝化サイクルを知ろう

フンなどから発生するアンモニアを毒性の低い硝酸塩に変化させるながれを『硝化サイクル』と呼びます。
硝化サイクルを簡単な図にすると以下のようなイメージです。

フンなどの汚れやそこから発生する毒素を分解してくれます。
最終的には低毒性の硝酸塩に分解されることで、魚や生き物たちに大きなダメージを与えることが無くなります。

この硝化サイクルは通常約4週間で完成します。
最初の1週間目でアンモニアから亜硝酸塩へ、2週目で亜硝酸塩のみになり、3週目で亜硝酸から硝酸塩がではじめ、4週目で硝酸塩のみ検出されるようになります。

硝酸塩のみが検出されるようになれば、硝化サイクルは完成です。

水槽飼育で水換えが必要な理由

硝化サイクルが完成すれば安心…というわけではありません。
硝酸塩も魚達には低毒であるにせよ良くない物質であることに変わりはないですし、残念ながら水槽のろ過装置では硝酸塩をなくすことはできません。

なので水槽にたまった硝酸塩は水換えで排出することになります。

熱帯魚などが本来棲んでいる自然の河川や海には硝酸塩はほとんど存在していません。
自然界では水は常に流れていますし、地層や植物・バクテリアたちによる完全な浄化サイクルがありますから、魚たちの生息域に留まることがないです。

つまり、硝酸塩もかぎりなく0のほうが魚たちにとって快適というわけです。

ただ、急激にたくさんの水量を換えてしまうと、pHがガクッと変化してしまうことがあります。pHが変わりすぎると魚はショック状態になってしまうので、1/5~1/3程度の水量をなるべくこまめに換えたほうが安全です。

バクテリア剤を使えば、すぐに硝化サイクルが完成するの?

アクアリウムショップやホームセンターに行くと、『バクテリア剤』を目にします。
バクテリア剤は硝化バクテリアを含んだ液体のことで、飼育水に直接、硝化バクテリアを投入することができます。

しかし、バクテリア剤を使用しても硝化バクテリアが素早く定着するかと言えば、そうとも限らないです。

バクテリアが定着するには住処が必要です。
バクテリアは表面が凸凹していて水流がある場所にあるもの…つまり『ろ材』や『底床材』を住処として良く定着します。
ホースやチューブにも白い塊(コロニー)を作って定着することも良くあります。

これらのような、定着しやすい素材や適度な水流が無ければ、たくさん投入しても定着できなかったバクテリアは死んでしまいます。
この時、バクテリアの死骸が水中に舞うことで白濁りや油膜が発生します。
あれらの原因は、主に硝化バクテリアの死骸です。

硝化バクテリアは酸素と水流でたくさん増える!

上の項目でバクテリアを投入しすぎた(=急激に増えすぎた)場合、死んでしまうと解説しました。
しかし、バクテリアを効率よく増やし、たくさん定着させる方法があります。

それはエアレーションと水流の調整です。

硝化バクテリアは酸素を必要とする好気性細菌です。水中の溶存酸素が多いほど活発になります。
そのため、エアレーションは効果抜群です。そしてエアレーションで増えた酸素を効率よく硝化バクテリアの好きな場所(住処であるろ材など)に届けるためには水流が必要です。
水流はろ過フィルターやポンプで作り出せますから、エアレーション装置と組み合わせることで、より増強できるといったイメージです。

実際に、油膜や白濁りが発生した時には、解決策としてエアレーションを良く使用します。
お悩みの場合は試してみてくださいね。