水槽用フィルター選び(入門編 part2)

水槽にフィルターをつけることで酸素供給や水質悪化の軽減をされますが、どのようなしくみで効果を発揮しているのかを理解することで安定した水質を管理できます。

ろ過の仕組み

フィルターを使って水槽の水をろ過する際には2つの効果が必要です。

  1. 物理ろ過
  2. 生物ろ過

物理ろ過とは

フィルターの中にはウールマットという目の細かいマットや、ろ材という多孔質の石のような物が入っています。

フィルターは水槽の水を汲み上げて、フィルター内を水が通過する際にウールマットやろ材に水を通すことで餌の食べ残しやフンを濾し取り水を綺麗にします

これは一般的な浄水器などにも使われている仕組みです。

水槽の濁りがひどい場合には、物理ろ過の能力をより高める為に汚れの吸着率が高い活性炭を使うこともあります。

生物ろ過とは

物理ろ過を行うことにより水中内のゴミが取り除かれ見た目は綺麗になりますが、餌の食べ残しやフンから出るアンモニアはろ過しきれない為、水質の改善はされません。

このようなアンモニアは微生物によって徐々に魚に取って害の少ない物質に分解・ろ過します。

分解の順序

アンモニアは3段階を経て徐々に魚に取って害の少ない物質に微生物が分解・ろ過します。

  1. アンモニア(魚にっとって強い毒性をもつ)
  2. 亜硝酸  (アンモニアに比べて毒性は下がるが、魚にとっては有害)
  3. 硝酸塩  (完全な無害ではないが多少であれば飼育可能)

アンモニア

アンモニア臭など理科の実験でも聞いたことがあると思います。

水槽を設置したばかりの頃は微生物が水槽内に湧いていない為、餌の食べ残しやフンなどから発生したアンモニアが分解・ろ過されず水槽内に残留しつづけます。

アンモニアが出ている状態で魚などを入れても死んでしまい、死んだ魚からさらにアンモニアがでます。

アンモニアが出ているときは魚や餌の投入は控えましょう

亜硝酸

アンモニアを微生物が分解・ろ過すると亜硝酸に変わります。

亜硝酸はアンモニアに比べると毒性は下がりますが、魚にとっては有害です

亜硝酸が出ているが状態で魚などを入れても死に、死んだ魚からさらにアンモニアがでることで水質の改善がされません。

亜硝酸がでているときは魚や餌の投入を控えるか、量を減らしましょう

硝酸塩

亜硝酸を微生物が分解・ろ過すると硝酸塩に変わります。

硝酸塩は亜硝酸に比べると毒性が下がり、多少の量であれば魚にとっても影響はありません。

また、水道水にも少量ですが含まれています。

どうすれば微生物が湧くのか

物理ろ過はマットや活性炭を入れることで効果を発揮しますが、生物ろ過に必要な微生物はどうすればいいのでしょうか。

答えは水槽に微生物を入れるです。

微生物は徐々に水槽内で増える為、もととなる微生物を水槽に入れてあげる必要があります。

では、どこから微生物を連れてくるのか。

方法は3つあります。

  1. 微生物の湧いた飼育水やろ材を入れる
  2. 微生物の入ったバクテリア剤を使う
  3. 水草やライブロックなど入れることで自然発生する

飼育水

病気などが発生していない状態の整った水槽から飼育水を抜き、新たに設置した水槽の水に使います。すると、砂やろ材に微生物が定着し新しい水よりも早く水槽内の環境が整います。

飼育水と同じ原理で使用していたろ材を新しい水槽のフィルターに移すことも有効です。

ただし、洗わずに移すと水槽の水が濁る為、飼育水で洗った後に移し替えましょう。

水道水であらうと塩素により微生物が死んでしまいます。また、飼育水で洗う際にも洗いすぎに注意が必要です。

バクテリア剤

バクテリアが含まれている液体が販売されています。

飼育水を手に入れる事ができなかったり、大型水槽の立ち上げ時に使うといいでしょう。

ただし、人によってはあまり効果が無いと感じる方もいるようです。

自然発生

水草やライブロックにもバクテリアが付着しているので、レイアウトをした水槽はしばらくするとバクテリアが増えます。

また、空気中にもバクテリアがいるので何も入れなくても多少は増えます。

まとめ

  • 水槽のろ過は物理ろ過と生物ろ過が必要
  • 生物ろ過によってアンモニアが分解・ろ過される
  • 生物ろ過に必要な微生物は飼育水などを入れると増える

 

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