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熱帯魚につく寄生虫の種類と治療方法

最近なんだか飼っている熱帯魚の元気がないな、と思っていたら病気だったということありませんか?そして病気だったと思ったら、原因は「寄生虫」だったということも経験したことがあるという人もいることでしょう。

病気の原因にもなる厄介な「寄生虫」、皆さんはどれだけの種類を知ってますか?

今回は熱帯魚に寄生する寄生虫の種類と、治療方法についてお話していきます。

熱帯魚の病気について知りたいという人はこちらのページも参考にしてくださいね。

寄生虫はどこからやってくる?

今まで飼育していた熱帯魚に寄生虫が発生したことがなかったのに、ある日気が付いたら寄生虫が発生していた、なんてパターンが多いのではないでしょうか。皆さんは、この寄生虫の侵入経路を考えたことがありますか?

まず、寄生虫は水槽内で自然発生することはありません。ショップで購入したり、よそからもらってきた熱帯魚に寄生虫がついている場合があります。またソイルや水草、石や流木といったものにも、熱帯魚に寄生する寄生虫がついていることがあるんです。

外部から水槽内に入れたものに寄生虫が付着していたために、水槽内で寄生虫に寄生される熱帯魚が現れるわけです。

基本的にこれらの寄生虫は、熱帯魚だけでなく金魚やメダカといった淡水魚全般につきます。

熱帯魚につく寄生虫の種類

それではここから、熱帯魚につく寄生虫の種類とその対策についてご紹介していきます。寄生虫の多くは病気の原因になることも多く、寄生されていると同時に病気を発症してしまっていることが多いため、基本は病気の治療がメインになります。

ウオノカイセンチュウ

白点病

「ウオノカイセンチュウ」は、ゾウリムシやツリガネムシといった繊毛虫の仲間です。実はこのウオノカイセンチュウ は水槽内で常時発生している「常駐菌」的な存在なんですよ。熱帯魚が元気なうちはよいのですが、体調を崩してしまったり、弱っていると寄生されてしまい「白点病」になってしまいます。 

白点病は体の表面だけでなく、エラにもできてしまうため、熱帯魚が呼吸困難で死んでしまうことがあるので、発見したらすぐに治療しましょう。

ウオノカイセンチュウ の治療方法

治療方法ですが、ウオノカイセンチュウ は水温が25度以下になるととても動きが活発になります。そして30度以上になると動きを止めるので、水温をゆっくりと30度近くにあげます。市販している「メチレンブルー」、「グリーンF」といった白点病に効果のある薬を使い、こまめな水換えを行いましょう。

とても感染力が強いので感染した魚が出た場合には、見た目的に大丈夫そうでも水槽内の魚全てを治療したほうがよいです。

ウーディニウム

「ウーディニウム」は鞭毛虫という種類で、水質の悪化が原因で発生するといわれています。底砂はもちろん、きちんと汚れを落とせていない機材の汚れ部分で繁殖することも。

ウーディニウムも熱帯魚が元気なうちは平気ですが、調子を落としたり弱ってくると寄生し、「こしょう病」になってしまいます。人間の目で見ることができないため、熱帯魚の体にこしょう病の特徴である淡黄色の膜が覆うようになってから気づくケースが多いです。

ウーディニウムの治療方法

ウーディニウムもウオノカイセンチュウと同じで水温が25度以下で活発になり、30度で活動を停止するため、寄生されたらまずはゆっくりと水温を30度近くまで上げましょう。

そして「メチレンブルー」、「グリーンF」などのコショウ病に効果のある薬を使用して治療します。こしょう病も感染力が強力で潜伏する病気なので水槽内全部の魚に対して薬を使い、治療が終わるまでこまめな水換えを行います。

ウオジラミ(チョウ)とイカリムシ

【ウオジラミの駆除】ROKERS_TV #0030_金魚,熱帯魚,水換え,ろ過,

「ウオジラミ(チョウ)」は体長が5ミリほどの、丸っこい甲殻虫のような形状をしていて半透明です。大きなものは肉眼で確認することができます。

イカリムシは5ミリ~1センチほどで肉眼で見ることができ、糸くずのように見えます。 

ウオジラミやイカリムシは熱帯魚の体の表面に寄生して、血を吸います。ウオジラミやイカリムシが原因で病気が発生といったことはありません。しかし血を吸われることで体力が減っていき、吸血されている部分にかゆみを覚えるのか、しきりに体を石や水槽にこすりつけるため、傷ができてそこから病気になってしまうことがあります。

ウオジラミ(チョウ)とイカリムシの治療方法

治療方法ですが大きなもので目で確認できるものは、ピンセットで取り除くことができます。それ以外の方法では、水換えをこまめに行って、スポンジフィルターで寄生虫を取り除く方法があります。

市販薬では「トロピカルゴールド」や、「リフイッシュ」といったものを使うことで駆除することもできますが、寄生虫は卵で増えるため長期的な治療が必要になります。

カマラヌス

吸血線虫(カマラヌス)が寄生したグッピー【part3】至近距離撮影動画!の巻 – Guppy Camallanus part3 –

「カマラヌス」は、日本ではあまり知られていない熱帯魚につく寄生虫です。これは欧米ではかなり有名な吸血線虫で、ネット上でもこのカマラヌスが原因で水槽が崩壊したというブログを書かれている人もおり、YouTubeでも寄生された魚の様子をUPしている人がいます。

カマラヌスに寄生された初期段階は、見た目的には普段と何の変化もありません。しかし徐々に何かにおびえるようになったり、食欲が落ち、やせて死んでしまいます。熱帯魚が死んでしまうころには、内臓がほぼ食べつくされていることが多いようです。

寄生される熱帯魚はグッピーのように、卵胎生の熱帯魚が多い傾向にあるそうです。

1匹寄生されているのが見つかったなら、その水槽内の熱帯魚全てが感染しているとみた方がよいです。卵から孵化して3ヵ月程度で肉眼で確認できる大きさになります。カマラヌスの卵を食べたミジンコも感染し、それを食べた魚も感染します。

幼体が水槽の底砂やガラス面に潜んでいる場合が多く、水槽内の熱帯魚ほぼすべてに感染します。 

カマラヌスの治療方法

残念ながら一般人には駆除する方法がないともいわれています。レバミゾールやフェンベンダゾ―ルといった薬を使用するという方法もあるようですが、一般人レベルではまず入手できません。仮に入手できたとしても毒性が強いため、熱帯魚自体が死んでしまう可能性もあります。

日本では販売されていませんが、海外で販売されている「セラ メド ネマトール」という薬で駆除できるという報告もあるので、個人輸入できる人なら試してみる価値はあるかもしれません。

カマラヌスの治療

カマラヌスが発生した水槽は、水草も生体もすべて焼却処分、器具はホルマリンなどで消毒する必要があります。同じ水槽を使いまわすと、一時期落ち着いたようにみえて数か月後に確実にカマラヌスが発生してしまうという悪循環に陥ります。

寄生虫の侵入を防ぐには?

寄生虫の侵入を防ぐ方法ですが、新しく水槽に入れる熱帯魚はまずメンテナンスを兼ねて薬浴をさせる、石や流木、機材などは殺菌するといった方法くらいでしょう。

また一度寄生虫が発生した水槽も、場合によってはリセットするほうが再発を防げる場合があります。

熱帯魚につく寄生虫の種類と治療方法まとめ

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今回は熱帯魚につく寄生虫の種類やその治療方法について解説しました。

寄生虫から病気が発生することが多いため、新しく購入した熱帯魚のトリートメントや、機材の消毒などは普段からきちんと行うようにしたいですね。

コメント

  1. ひろきち より:

    小さい頃兄が川で釣ってきた火花にウオノカイセンチュウが付いていて自然治療の塩水浴してましたけど痒みと呼吸混乱でとても辛そうで見てられないのでグリーンF買おうと決意しました!

    • 中島 より:

      コメントありがとうございます!
      ウオノカイセンチュウはしつこく、塩水浴では時間がかかってしまうため、魚の体力勝負になり大変ですよね。
      グリーンFにはやはりお世話になります。アグテンも直りが早いですが、強力ですので、グリーンFのほうが扱いやすいと考えています。

  2. クボティ より:

    9月頃より外来種のグッピーを飼い始めました。お尻から出ている赤い針みたいなものは3週間前くらいから気づいていたのですが、昨日検索してみて初めてカマラヌスとわかり、愕然としました。でも2匹の生体を処分する気になれず、にっくき線虫を目で追っていたのですが、ふと思いつきました。
    線虫をお尻から引きずり出すということを‼️
    生体を傷つけてはいけないので、タクシードライバーさんのような綿の白い手袋をつけ、手のひらに受けてそっと指で固定し、裏返してお尻から毛抜きで赤い針のような部分をはさみ、見事引きずり出し成功❗️
    もう1匹は二本の針が出てたのですがひっくり返すとお腹の中に入ってしまうため、何度か水に戻すことを繰り返し、出てくるまで待ち、4度目で出てきたところを二本とも挟んで引きずり出しました。根本的な解決だはないでしょうが、しばらく、この方法で駆除していくことにします❣️

    • 中島 より:

      カマラヌスは内臓に寄生するため、魚に与えるダメージが深刻です。寄生虫は本当にしつこく、種類は違いますがイカリムシが発生した際、水槽を半年以上乾燥させても、水を入れたら孵化したことがありました。倒しても倒しても出てくる可能性が高いので根気強く駆除することが重要です。カマラヌスは根本的な治療が難しく、なんとも的確なアドバイスができませんが、もしまた寄生を確認した場合は、その個体をいったん隔離し、処理をしたのちに再発しないかを確認するとよいかもしれません。がんばってください!