6月18日午前7時58分ごろ、大阪で震度6弱の大きな地震が起きました。皆様の自宅や職場のアクアリウムは地震対策をしていますか?
水槽は地震に弱い製品です。しかし、市販の熱帯魚水槽には地震対策はがなにも施されていません。だからこそ、きちんとした知識のもとに地震対策をすることは非常に重要なのです!
基本的な地震対策は、こちらの記事を御覧ください。詳しく書いていますよ。
こちらの記事では小型の免震装置や吸収剤を使った方法をご紹介します!
免震装置を使った水槽の地震対策とは
免震装置をご存知でしょうか。最近ではニュースや建築関係のワードとして取り上げられることも多くなってきました。
様々なタイプの免震装置がありますが、主にビルやマンションなどを建設する際、建物の下にこれらの装置を入れて、地震による揺れを軽減させます。
簡単に言えば、地面の揺れを建物に伝わりづらくする装置です。
今回は、熱帯魚水槽用なので建物の下敷きにするような大きな装置ではなく、小型で簡単に設置できる装置をご紹介します!
小型の免震装置
グラレス・小型免震装置
まずはお手軽サイズの小型免震装置を紹介します。
アキレス株式会社が発売したグラレスという商品です。↓
上の写真だけでは、なんのことかわかりませんよね。。。
下の映像を見ていただければ一目瞭然なのですが、水槽の下に敷くことによって地震があったときの揺れを焼く80%減衰してくれる装置です。
https://youtu.be/DyCfVKePkrU?t=37s
この装置1個あたりに30キロの重さのものを上に乗せられます。60cm水槽だと4個のグラレスが必要です。
当社でも1つ購入して実験してみましたが、確かに効果を確認できました。
下の写真のようにグラレス(免震装置)を机の上に置き、その上に小型の水槽を乗せて机を揺らしてみます。すると、グラレス白い円形状の台座部分が、その下の透明の円形状の部分と別々にゆらゆらと動き出します。別々に動くことにより、上に乗っているものに揺れが伝わらない仕組みなのですね。結果、水槽はほとんど動きませんでした。
装置の裏側はこのようになっています。逆さまにして写真を撮っています。裏側にすると装置っぽい感じが伝わるのではないでしょうか。
バネが引っ張り合って揺れを吸収するとともに白い台座に揺れを伝えない仕組みになっているのが分かります。丸くパチンコ玉のように見えている部分は車で言うとタイヤの役割で、滑るように滑らかに透明な台座の上を動きます。
※技術的な質問などは、メーカーに問い合わせてください。
免震吸盤・小型免震装置
こちらは簡易式の免震装置です。
グラレスよりは、安価で購入できます。
ただ、グラレスのように機械的に揺れを吸収するのではなく、吸盤やスポンジなどで吸収する構造です。
私は試したことはありませんが、使用事例に熱帯魚水槽も載っているのである程度の効果はあるということなのでしょう。
免震マット
こちらは、今回紹介する中ではもっとも簡易的な免震構造です。
対象物の底に免震マット敷いて使います。1つ30キロまで耐えられるので、重さに応じて何個か設置してみてください。
これだけでも、ある程度の揺れは吸収できるのです。
実は水槽が揺れて一番困るのは、水があふれることです。水があふれて床がびしょびしょに濡れてしまうのが一番やっかいなのです。水槽が倒れるのはもっと困りますが、しっかり対策を取っていればよっぽどのことがないと水槽は倒れません。
水を水槽から溢れさせない、または被害を最小限にするためにはどうすればよいのか。これが一番気にしなければいけないポイントです。
この商品はとても簡易的ですのですべての揺れを吸収するわけにはいきませんが、免震構造があるので少しは改善してくれるのです。
グラレスからすれば性能は価格なりですが、このような商品は地震対策として積極的に取り入れることをおすすめします。
水槽と一体型の免震装置
当社が販売している商品で、水槽と一体型になった免震アクアという商品があります。
水槽の地震対策という意味では、最上級の部類に入るでしょう。
教育施設や公共の施設で使われることがあります。
例えば、幼稚園に設置した水槽にこの免震アクア(免震材)が使われています。↓
この写真だけでは、よく分からないかもしれません。普通のおしゃれな水槽に見えますよね。
しかし、実は水槽の下には免震装置が組み込まれているのです。
水槽の下にある黒くて丸いものは鉄板です。その上に海水魚水槽が乗っているのですが、水槽と鉄板が接地する部分にその免震材は使われています。
これの免震材の働きによって、地震が起こったとき水槽が鉄板の上を滑るように動いて水槽自身に揺れが伝わりにくくなるのです。
四角い水槽もあります↓
免震構造を使った水槽の地震対策まとめ
アクアリウムの地震対策には様々な方法があります。しかし、一方であまりその方法は知られていません。
私は、熱帯魚水槽に携わるものとして、地震対策の大切さを啓蒙してきました。
これまでは、地震で揺れたときにどう耐えるかということに着目してお伝えしてきましたが、今回はそもそも『水槽をなるべく揺らさないようにするにはどうするか』について記事にしました。
こういう方法もあるということを頭に入れておいてくださいね。
また、安価な商品もあるのでぜひご自身のアクアリウムに取り入れてみてください!
水槽が揺れて水が溢れたら本当に大変ですから。
知る人ぞ知る、東京アクガーデンのトップ代表CEO。
魚の知識は少ないけれど、熱帯魚業界は熱く語ります。
20キロ痩せたことが一番の自慢、ダイエットも仕事も同じだー!!