熱帯魚を育てる上で、誰もが飼育している熱帯魚の健康や、栄養を気にしていると思います。しかし具体的に、熱帯魚によい栄養とは何か分かっていない人が多いです。熱帯魚の健康は水質だけでなく、餌にも左右されることが大きいです。
もちろん、与える餌は栄養価の高いもののほうが、熱帯魚の健康も維持しやすくなるため、できるだけ栄養価の高い餌を購入する必要があります。
今回は市販されている魚の餌の中から、熱帯魚の健康を考えたうえで栄養価の高い餌をランキング形式でご紹介、そして栄養価の高い餌を選ぶポイントについてもお話していきます。
栄養価の高い餌ベスト5をご紹介!
まずは熱帯魚に与える餌の中から栄養価の高い商品を5つご紹介していきます。
「あれ?熱帯魚用じゃなく金魚や海水魚用?」と、間違えているのでは?と思う人もいるかもしれませんが、含有成分的に問題はありませんので、金魚や海水魚などの餌を熱帯魚に与えても大丈夫です。
ベスト1. シュアー
マリンテックの「シュアー(SUER)」は栄養価が高いうえに、バクテリアやウィルスなどが原因の感染症を考えた成分を配合しています。
熱帯魚の抵抗力を上げる効果があるとされている、甘草エキスやグルカン、溶菌酵素といったものや、消化吸収を助けてくれる乳酸菌やビタミン、ミネラルなどが含まれているので、熱帯魚の健康を考えている人にピッタリの餌と言えるでしょう。
小型魚用のSサイズは浮遊性が高い餌となっていますが、シェアーにはいくつかの種類があり、沈降性で中型魚用のもの、沈降性で小型用のもの、大型魚用のものもあるので、自分の飼育している熱帯魚の大きさによって餌の種類を選ぶことが可能です。
ベスト2. らんちうディスク 増体用
ヒカリ (Hikari) の「らんちうディスク 増体用」は、魚用の餌としてはハイカロリーな配合になっており、タンパク質は53%以上、脂質は12%以上も含まれています。さらに魚の健康管理のために乳酸菌や酵母菌、納豆菌や発酵魚粉なども使用されており、魚の体内で吸収されやすい餌です。
ただし、あまりにもハイカロリーなため、成長しきった熱帯魚に与えるとメタボ体型になってしまい、逆に不健康になってしまう可能性があります。
たまにおやつ程度に与える、他の餌とローテーションを組んで与えるなど、与え方に工夫して太り過ぎないようにしましょう。
ベスト3.おとひめ
メダカ飼育をしている人の間では割と有名な「おとひめ」も、グッピーなどの熱帯魚に与えることのできる、栄養価の高い餌のひとつです。
粗タンパク質は50%、粗脂質が10%と栄養価が高く、魚粉やビール酵母、などさまざまな栄養分が濃縮されて配合されています。さらに消化吸収がよいたんぱくと、熱帯魚の活力を上げる効果が期待できるDHA、リン脂質の含有量も多いので、熱帯魚も丈夫に育ちます。
水中に入れても形崩れしにくいため、水を汚しにくく、メダカや金魚のほか、グッピーやコリドラスなどといった熱帯魚にも与えることが可能です。
ベスト4.テトラミン スーパー
テトラの販売している「テトラミン スーパー」は、従来のテトラミンの配合成分を改良した熱帯魚用の餌です。
タンパク質、脂質、炭水化物の配合を見直し、脂質の量を増やしています。脂肪の燃焼やエネルギーを作りやすい体にしてくれるカルニチンを配合し、ビタミンやミネラルも増量され熱帯魚の健康を維持しやすいです。
色揚げのために天然のアスタキサンチンが豊富なクリルも配合され、各種ビタミンや栄養素は消化吸収に優れており、フンが少なくなって水質悪化を防ぐ効果も期待できる餌です。
ベスト5.らんちう貴族
どじょう養殖研究所の「らんちう貴族」は、孵化稚魚用、幼魚用、当歳魚用、成魚用と魚の年齢に合わせたタイプのものがあります。
金魚用の餌として流通していますが、熱帯魚に与えることもできます。EPAやDHAを配合し、海藻から抽出されたビタミン・ミネラルを使用し、金魚や熱帯魚が吸収しにくい小麦粉を使用していません。
また水質も悪化させにくいという特徴があり、愛用者が多い餌ですがやや大きめな餌なので、飼育している熱帯魚の大きさによっては、細かく砕いて与えてあげる必要があります。
栄養価の高い餌を選ぶポイント
熱帯魚用の栄養価の高い餌とは、「粗タンパク」と「粗脂肪」の割合が餌の中でどれくらいかをみて決めます。
粗タンパクは全体の48%以上、粗脂肪は8%以上の場合は栄養価が高く、熱帯魚が太りやすい餌になりますので、この数字を基準に考えるとよいでしょう。
しかし、栄養価が高い餌の場合餌の食べ残しが水槽内に残ってしまった場合、栄養価の低い餌と比べると水質悪化が早まるので、エビやコリドラスなどを投入して餌の食べ残しの処理をしたり、こまめに水槽を掃除するなどして水質悪化の予防を行う必要があります。
高栄養の餌は与えすぎに注意!
栄養価の高い餌を与えすぎると、熱帯魚も肥満になったり、フンづまりなどをおこしたりと体調を崩してしまうことが多いです。
熱帯魚の様子をみながら、必要なら他の餌と交互に与えたりする、与える回数を減らすなど餌の与え方を工夫して、太り過ぎない・体調を崩さないように管理する必要があります。
水質悪化に注意!
栄養価の高い餌は、食べ残されて底砂にたまっていくと水中に栄養分が溶けていくため、水中の栄養が飽和状態になりやすく、水質悪化が早まることがあります。
餌の成分に水質悪化を防ぐ善玉菌などが含まれているものを選ぶと、水質悪化しにくいので餌選びの時は水質悪化のことも考えて選ぶようにしましょう。
熱帯魚の栄養と健康を考える・栄養価の高い餌ベスト5と魚にあった餌の選び方まとめ
今回は熱帯魚の餌の中から栄養価の高い餌のご紹介と、栄養価の高い餌を選ぶポイントについてご紹介しました。
飼育している熱帯魚が餌は食べているし病気でもないのに痩せてきた、などといった場合は栄養価の高い餌に切り替えて様子を見ることも必要です。
人間と同じように栄養価が低いものばかり食べていては、熱帯魚も体調を崩してしまいます。
様子をみながら、飼育している熱帯魚にあった栄養価のものを与えるようにしましょう。
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