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添加剤特集!! サンゴ・イソギンチャクに効果的な添加剤の選び方と使用方法とは

サンゴやイソギンチャクを飼育する場合、上手に添加剤を併用することでより簡単に管理・育成をすることができます。

人工海水に含まれている栄養素だけでも飼育することができますが、サンゴの量が多くなるにつれ、栄養素の消費量が多くなり水換えだけで補うには非常に労力がかかります。

そんな時は、添加剤の出番です。

添加剤を使用することで、簡単に栄養素を補えます。また、水換えの労力と人工海水の塩代も抑えることもできるため非常におすすめです。
しかし、便利な添加剤も使い方を誤れば逆効果となることがあり、正しく使うからこそ有効なのです。

ここでは、正しい添加剤の選び方と使用方法について、わたしの使用経験と、海水用品大手レッドシーの販売メーカーであるMMC企画へ訪問し直接聞いてみました。

サンゴ・イソギンチャク用添加剤の選び方

数ある添加剤の中で、本当に必要な添加剤をピンポイントで選ぶには、PH、アルカリニティだけでなくカルシウムやマグネシウム値などあらゆる値を計測し、そこから不足しがちな添加剤を導き出す必要があります。

しかし、80種類近くある栄養源すべてを計測することはほぼ不可能です。
そこで、レッドシーが提唱する誰でも簡単に添加剤を使用できるRCP(リーフケアプログラム)を基にし、水槽内の飼育種類に合わせたおすすめの添加剤をご紹介していきます。

サンゴ・イソギンチャク用添加剤の種類

おすすめ主要添加剤

  1. ファンデーションA カルシウム+
  2. ファンデーションB KHアルカリニティ
  3. ファンデーションC マグネシウム

ファンデーションA カルシウム+

レッドシー ファンデーションA カルシウム+ 500ml

主要添加剤とは、天然海水内の主要栄養分です。
天然海水に多く含まれている栄養分である、カルシウムやマグネシウムはサンゴの骨格成長にとても必要です。

カルシウムは、白い骨格を持つハードコーラルにとくに必要で不足すると白化するなど問題が発生します。
カルシウムリアクターを使い補給する方法もありますが、添加剤を使って手軽に補う場合は、入れ過ぎてイオンバランスが崩壊しないように気を付けましょう。

ファンデーションB KHアルカリニティ

レッドシー ファンデーションB KH/アルカリニティ 500ml

カルシウムやマグネシウムがサンゴの骨格形成を健全に使用されるには、アルカリニティの値が適正でなければなりません。

海水魚、サンゴ水槽ともに、とくにアルカリニティの値は大切です。
アルカリニティの値が適正であれば、その他の値も大体適正値に揃います。

ファンデーションC マグネシウム

レッドシー ファンデーションC マグネシウム 500ml

マグネシウムはカルシウムの4倍近く含まれています。
マグネシウムが不足すると、カルシウムが適正にサンゴの骨格に吸収できません。
カルシウムリアクター内にマグネシウムメディアを入れて補給する方法もありますが、手軽なマグネシウム添加剤を使うことをおすすめします。

トレースカラーズABCD

すべてのサンゴの骨格や軟部組織に存在する31種類の中間元素や微量元素が含まれています
海水には約80種類程度の栄養元素から成立しており、そのなかでもごくごくわずか栄養素を微量元素、中間元素と言います。

トレースカラーズは、ごくわずかな栄養素を補給するためのもので、とくにサンゴの色素生成に有効です。
サンゴの色揚げに効果を期待する場合は、同社のNO₃:PO₄-Xを併用しましょう。

アルジーマネージメント: NO₃:PO₄-X

レッドシー NO3:PO4-X アルジーマネージメント 500ml

水槽内に生えるコケを抑制するために必要な添加剤です。
リン酸塩と硝酸塩がコケの原因となりますが、自然発生するバクテリアを活性化することで、コケの栄養源を減少させコントロールします。

水槽のシステムや状態によりますが、数日から数週間で効果がでてきます。
最近のサンゴ水槽でいろいろなシステムがありますが、本商品のいわゆる炭素源を使う方法は最先端のサンゴ飼育システムの一つです。

コーラルニュートリション: リーフエナジーA/リーフエナジーB

レッドシー リーフエナジー A & B 2種の栄養剤セット 各100ml

サンゴの種類により異なりますが、サンゴに給餌をすることは最近の流れです。
バランスの取れた有益なサンゴフードは、サンゴの健康や活性を促進します。

最近では、照明のLED化に伴いサンゴフードを添加する方法がより良い方法とされており、SPS、いわゆるミドリイシにもサンゴフードを与えるリーフタンクリストが多いです。
もちろん、イソギンチャクには大変有効で効果的です。

添加剤の正しい使い方

つぎは、添加剤の使い方について解説していきます。
まずは、水質測定をして水槽の状態を確認しましょう。
水質測定には下記商品を使います。

  1. リーフファンデーションプロテストキット
  2. アルジーコントロールプロテストキット
  3. トレースカラーズプロテストキット

リーフファンデーションプロテストキット

レッドシー (RedSea) リーフファンデーション プロテストキット(Ca/KH/Mg) リーフケアテスト

リーフファンデーションプロテストキットは、サンゴにとって主要栄養分である、カルシウム、マグネシウム、アルカリニティを精密に計測可能なキットです。

レッドシーの提唱するRCP(リーフケアプログラム)の代表格である、栄養分を計測し基準値から不足している場合は、メーカー規定量に合わせて各添加剤を添加していきましょう。

アルジーコントロールプロテストキット

リーフケアテスト NO3/PO4アルジーコントロールプロテストキット

コケの素である、リン酸塩と硝酸塩を計測し基準値より値が高い場合、同メーカーのNO₃:PO₄-Xをメーカー推奨量に合わせて添加します。

なお、コケの抑制と同時にサンゴ体内に強制する褐虫藻量をコントロール可能なため、計測結果をもとに適正に使うことでサンゴの色揚げにも期待できる商品です。
わたしも、今現在実際に使用しており効果を感じている商品です。

トレースカラーズプロマルチテストキット

レッドシー トレースカラーズプロ マルチテストキット(コーラルカラープロ)

アイオディン(ヨウ素)、カリウム、鉄の濃度を高精度で計測できるテストキットです。
ここで計測するいわゆる微量元素は、海水中にごく微量のためすぐに消費されてなくなってしまいます。

数値が0にならないよう、他の計測と合わせて実施し必要に応じてトレースカラーズを添加しましょう。

まとめ: 添加剤特集!! サンゴ・イソギンチャクに効果的な添加剤の選び方と使用方法とは

いかがでしたか。

添加剤の選び方から計測から添加方法まで解説しましたが、お分かりいただけましたか。

最後に、わたしが体験してきた業界のサンゴ水槽における歴史をご紹介したいとおもいます。

わたしがサンゴ水槽をはじめた20年近く前は、いかにサンゴを育成できるかに重点が置かれていました。
高照度のメタハラを多灯し大型のプロテインスキマーを使う。添加剤は、カルシウム、ストロンチウム、ヨウ素が三大栄養素でSPS(ミドリイシ)におけるサンゴフードは不要と言われていました。

しかし、近年LEDに移行してからは、LEDの直線的な光は強光障害となりサンゴに良くない、小型で泡が細かい高性能のプロテインスキマーの出現、SPSにもサンゴフードを与えるのが良いと大きく飼育方法が変わってきました。

そして、飼育者のレベル向上と機器の性能向上から、サンゴの育成からサンゴの色をいかに美しく色揚げするかにシフトしてきています。

レッドシーの提唱する、RCPシステムもその一環で、これを大きくBPシステム(バクテリオプランクトンシステム)と呼び、炭素源を使いバクテリアの量をコントロールしていくという方法です。

他にも、有名なゼオライトを使用したゼオビットシステムやバイオアクティフなどありますが、RCPは、はじめてのかたでも安心して挑戦できるシステムだと感じています。

これからはじめる方は、最先端のRCPシステムにチャレンジしてみてはいかがですか。