アクアリウムを満喫してらっしゃいますか?
美しく、見て楽しいアクアリウム、どんどん新しい魚を増やしたくなってしまいますね。
「ちょっと餌を買いに来ただけ」「ちょっと見るだけ」のつもりが、ショップへ行くとつい新しい魚に目が留まり、欲しい……となってしまいますね。
ですがちょっと待ってください!
新しい魚を買うのは簡単です。でも、水槽に新たな魚を入れる余裕があるでしょうか。新しい水槽を置くスペース確保できていますか?
こちらのページでは、熱帯魚を増やしすぎてしまいがちな初心者の方に注意していただきたいポイントについてご説明します!
新規の魚をお迎えしたいときにチェックすること
アクアリウムが好きな人ならみんな同じかと思いますが、アクアショップへ行ったら絶対水槽見てしまいますよね。
美しい魚、かわいい魚、カッコイイ魚……色とりどりの魚たちが水槽を気持ちよさそうに泳いでいます。
ですが本当にその魚、買って大丈夫でしょうか?
何に注意して新規の魚をお迎えすれば良いのでしょう。
既存水槽に新たな魚を入れる余裕はあるか
現在すでに水槽をお持ちの方は、その水槽に
「新しい魚を入れるだけのスペース」があるのか、思い返してみましょう。
魚を飼うには、一般に「魚の体長1㎝ごとに水が1L必要である」と言われています。
体長20センチを超えるような大型の魚であれば、さらに余裕が必要になってきます。
理由は、過密飼育は魚にとってデメリットが多いからです。
- 水が汚れやすい
- 魚にストレスがたまる
- 魚が病気になりやすい
などを挙げることができます。
新しい魚を飼育して、今いる魚たちにとってデメリットが増えるようでは本末転倒ではないでしょうか。
今すでにいる魚と混泳させられる種類か
魚の種類には相性があり、混泳させやすい相手、させにくい相手がいます。
例としては、魚が泳ぐエリアが同じ位置同士は混泳させにくいですね。テリトリーの奪い合いになり、ケンカが増えるからです。
他にも気性の荒い魚は混泳はさせにくいですね。
気性の荒い魚の例としては
- スマトラ
- セルフィンプレコ
- エンゼルフィッシュ
などを挙げることができます。これらの魚はほかの魚をかじったり、なめたりするので混泳には向いていません。
また、好む水質が特殊な魚も混泳は向きません。
一般的な熱帯魚は弱酸性の水質を好みますが、中には弱アルカリ性の水質を好む種類もいます。
例としては
- プラティ
- ソードテール
- ベタ
- シクリッド
などがいます。アルカリ性を好む魚どうしであれば混泳は問題ありません。
新規の水槽を増やすことは可能か
既存の水槽にはもう新たな魚を入れることは無理そうだ…いっそのこと水槽ごと新しく設置しよう!という場合は以下のようなポイントに気を付けましょう。
新規水槽や魚を購入できる予算があるかどうか、は恐らく誰しも最初に思いつくでしょうから、見逃しがちなポイントについて説明します。
水槽を置く場所の確保
水槽は大きいだけでなく、かなりの重量となります。
いわゆる一般的な60cm水槽は、水を満タンにいれただけで60kgを超えます。
それに底砂、装飾の岩、魚、フィルターやライトなどの装置を含めたら100kgを超えることもあります。
2本目の水槽となりますので、そういった知識はあります!という方も多いと思いますが、床は2本の水槽(およそ200kg)に耐えられるでしょうか…。
水槽を2本置くとしたらやはり隣り合わせて置きたい場合が多いでしょう。「直射日光が当たらない」「コンセントがそこにしかない」などの理由でそこが一番設置に向いているという場合もあります。
ですが、床の耐荷重に気を付けて水槽を設置しましょう。
水槽を管理しきれるか
水槽が増えれば、それだけ管理の手間が増えます。費用もかさみます。
毎日の餌やりはもちろん、水換え・掃除・水質検査などをきちんと定期的に行えるかを考えておきましょう。
消費電気量に余裕はあるか
水槽を稼働させるには電気が必要です。
電気代そのものは、実はあまりかさみません。
問題になるのは、同じ部屋に複数の水槽を設置する場合の、「タコ足配線」です。
1つの水槽に用いる電気装置として
- ヒーター
- フィルターやクーラー
- エアレーション
は欠かせません。これだけで3つですね。2本の水槽で単純に考えて6になります。一つの部屋の同じコンセントに全部配線すると、キャパオーバーとなる可能性もあります。
タコ足配線は発火の恐れがありますので、くれぐれもご注意ください!
繁殖しやすい種類かどうか
繁殖しやすい種類の魚は、ただ飼育しているだけでどんどん殖えてしまう場合があります。オスとメスを同じ水槽内で飼育する場合は注意が必要です。
繁殖しやすい魚としては
- プラティー
- グッピー
- コリドラス
などがいます。
熱帯魚の繁殖は楽しく稚魚は本当にかわいいのですが、全部成魚になった場合にきちんと面倒をみられるかどうか、冷静に考えてみてください。
絶対やらないで!熱帯魚の放流
新しい魚を迎えたあと、絶対にしてはいけないことは「熱帯魚の放流」です。
飼えなくなった動物を外へ放つと、日本の生態系を壊します。今、外来生物が日本に昔からいた生物を駆逐しつつあることは、ニュースでも報じられている大問題です。
有名なところでは「ガー」がいます。ガーは50cm以上になる大型の魚です。飼いきれなくなって川へ放つ人が続出し日本の生態系を荒らしていることから、現在では新たに飼育することはできなくなりました。
こういった背景から、生きた熱帯魚を外の世界に放つのは厳禁です!もし飼いきれなくなったらアクアショップに相談するか、かわいそうですが殺すしかありません。
そうならないようにも、新たに購入するときによく検討することが大切です。
まとめ:魚を購入するときは冷静に考えて
熱帯魚はどれも美しく可愛らしいですから、新しい魚が欲しくなるのはわかります。
ですがそんな時こそ冷静に状況を判断し、最後まで飼いきれるかどうか検討してから購入しましょう。
癒しの元であるアクアリウムが悩みのタネになっては元も子もありません。楽しいアクアライフのためにもよく考えてくださいね。
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