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熱帯魚水槽周りにゴキブリを発見!アクアリウムのプロが発生原因と対策を解説!

ゴキブリはその生命力と繁殖力の強さから、都市部でもよく見られる代表的な害虫です。アクアリウムを運用している方の中にも、水槽周りにゴキブリが発生して頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

水槽の周辺にゴキブリが発生する理由は、その場所がゴキブリにとって快適な環境になりやすいからです。ここでは、水槽周りにゴキブリが発生する原因とその対策についてご紹介します。

ゴキブリの習性について

水槽周りにゴキブリを発生させない、あるいは発生した場合に効果的な対策を取れるようにするためにも、まずはゴキブリの習性について把握しておきましょう。

ゴキブリの繁殖形態

ゴキブリは雌雄異体なので、通常時は繁殖にあたってオスとメスが必要です。しかし、周囲にオスがいない場合、メスは単為生殖に切り替えることが可能なのです。そのため、1匹のメスがいるだけで増殖してしまう恐れがある点は知っておいてください。

ゴキブリも昆虫なので、基本的には卵生の繁殖形態を持ちます。中には卵胎生のものもいますが、屋内に出没する種類に関しては気にする必要はありません。ゴキブリは卵鞘(らんしょう)と呼ばれる、がま口のカプセル状の入れ物を作成して卵を保護します。

卵鞘には種類にもよりますが10~50の卵が入っており、すぐに産み落とす種類もいますが、卵がふ化する直前までメスが体に保持する種類もいます。ゴキブリの本体の他に卵鞘が見られた場合、すでに繁殖が始まっており、大量発生する場合があるので注意してください。

また、卵鞘内はゴキブリの体液で満たされており、乾燥や薬物に対して耐性を得ているので、駆除するには物理的に潰すなどの処理が必要です。

負の走光性

夜間に街灯などの光源に、昆虫類が集まっている様子を見たことがある方は多いと思います。このような光に集まる性質を「正の走光性」と言い、その逆に光を避ける性質を「負の走光性」と言います。ゴキブリは後者の「負の走光性」を持っており、暗い場所を好みます。

そのため、ゴキブリを発見した際に普通の室内灯などで照らすと、隠れてしまうので注意してください。逆に言うと光が当たらない場所に逃げ込むので、そこに追い込むことも可能です。

ゴキブリを含む昆虫類は主に紫外線を光として認識しているので、ゴキブリを探すときは赤外領域に近い赤色の光を点けると良いでしょう。

水槽周りに出没しやすいゴキブリの種類

ゴキブリは全世界に3000~4000種類いると言われていますが、水槽の周辺に出没しやすい種類は限られます。ここでは、水槽の周辺に出没しやすいゴキブリの種類をご紹介します。

チャバネゴキブリ

元々はアフリカに自然分布していたと考えられていますが、現在では船舶や航空機によって世界中に運ばれ分布域を拡大しました。

成虫でも体長1.0~1.5cm程度の小型のゴキブリで、国内に生息している種類で最も個体数が多いと言われています。成長速度と世代交代が早いせいか、薬物耐性を得ることもある厄介な種類ですが、動きは遅いです。

クロゴキブリ

都市部のゴミ置き場などでよく見かける、チャバネゴキブリと並ぶ一般的な種類です。成虫の体長は3cmほどで、名前の通り黒光りする体が特徴です。

特筆すべきはその行動速度で、身に危険を感じるとあっという間に逃げてしまうので、対処しようと殺虫剤などを取りに行っている間に見失うこともよくあります。

ワモンゴキブリ

成虫の体長は4.5~5.0cm程度に達する、家屋に出没し得るゴキブリとしては国内最大級の種類です。特徴は胸部に入る黄褐色の模様で、沖縄県や小笠原諸島などの温暖な地域を好み、本州ではあまり見かけません。

しかし、ビルの地下など冬でも温度と湿度が高い場所に住み着いていることもあり、本州の都市部でも家屋へ侵入するケースがあります。

水槽周りにゴキブリが発生しやすい原因

水槽周りにゴキブリが発生する原因は、水槽の周辺はゴキブリにとって快適な環境にあるからです。ゴキブリが好む環境は

・高温多湿である

・狭くて暗い

・餌が豊富にある

などが挙げらます。水槽は通常、水を入れて運用するので、ゴキブリも飲用水には困りません。また、屋内ならばそもそも生存が難しくなるほど低温にはなりませんし、周辺機器が発する熱で暖を取ることも可能です。

それから、水槽の周囲は周辺機器類とそのコードや電源で、狭くて暗い隠れ場所が豊富にあるうえに、熱帯魚類の餌はゴキブリも食べられるので栄養源も豊富です。

以上のことから、水槽周りはゴキブリにとって快適な環境の条件を満たしやすいので、対策を講じないと居ついてしまい、繁殖に至る例も見られます。

水槽の周辺でゴキブリが発生しやすい注意すべき場所

水槽台の内部

周辺機器を入れるための収納が付いているタイプの水槽台は、ゴキブリが好む条件をすべて満たしてしまいます。特に、オーバーフロー水槽で水槽台の内部にろ過槽を設置していると、湿度が上がりやすいので注意してください。

ゴキブリは淡水はもちろんのこと、海水も含有される塩分ともども生きる糧にしてしまいます。また、水槽からはねた水には目視できませんが、熱帯魚などから由来する有機物が含まれており、これもゴキブリの養分になります。

水槽台の下部

4つ足のキャビネットタイプの水槽台など、床と水槽台の間に空間ができるものも、ゴキブリの棲家になりやすいので注意が必要です。水槽台と床との隙間は暗いうえに、こぼした餌や有機物が含有された飼育水が入り込みやすく、ゴキブリを引き寄せてしまいます。

上部フィルター内のウールマット

上部フィルター内部のウールマット部も、ゴキブリにとっては快適な環境になります。湿度の面は言うまでもなく周囲も暗いうえに、常に餌となる有機物が含まれた飼育水が供給されるので、栄養面でも申し分ないのです。

外部フィルターのモーターヘッド部

見落としがちなのが外部フィルターのモーターヘッド部です。特に、排熱のための隙間が空いているタイプのモーターヘッドは注意が必要で、1mm×1cm程度のわずかな隙間でもチャバネゴキブリなどの小型の個体は侵入してしまいます。

ヘッド部の内部はモーターが動作しているので温かく、水を循環させているのである程度の湿度もあります。ここを根城にして外(と言っても屋内ですが)で餌を調達できれば、ゴキブリは生活に困らないのです。

電源タップ

エレコム 電源タップ 個別スイッチ 省エネ スイングプラグ 6個口 3m ホワイト T-E5A-2630WH

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複数の機器に電源を供給するための器具で、プラグの差込口が並ぶ構造をしています。ゴキブリはこの差込口にも侵入し、死骸やフンなどが原因でショートを起こす危険があります。

電源タップがショートを起こすと火花が生じ、コードなどに燃え移ると火災に発展する可能性があるので注意してください。

排水場所

飼育水を排水する場所も、ゴキブリが発生しやすい場所の1つです。洗面所のシンクや風呂場、ベランダや庭など、人によって飼育水を排水する場所は様々だと思いますが、前述のように飼育水にはゴキブリの養分となる有機物が豊富に含まれいるので、ゴキブリを引き寄せてしまいます。

餌のケースや袋

熱帯魚などの餌が入った容器の中もゴキブリにとっては絶好の環境で、さながらお菓子の家といったところでしょうか。人工飼料の袋はチャックで密封できるものも多いですが、少しでも隙間があるとゴキブリは侵入してしまいます。

また、アロワナなどの大型肉食魚を飼育している方の中には、餌用にコオロギやデュビアを飼育している方もいると思います。そのような生餌用の飼育ケースも、ゴキブリにとっては理想的な環境にあるので侵入してしまいます。

ちなみに、デュビアは「アルゼンチンモリゴキブリ」の通称なので、デュビア自体がゴキブリの1種です。

水槽周りのゴキブリ対策

基本はゴキブリが嫌う環境を作る

ゴキブリを発生させないためには、前述したゴキブリが好む環境を作らないようにすることが重要です。つまり、水槽の周囲が

・低温で乾燥している

・開けていて明るい

・餌がない

などの状況になっていれば良いのです。これらの条件の内、低温や明るさなど達成が難しい項目もあるので、とにかくゴキブリの餌となるものがない状態を作るのが手っ取り早いです。

そのためには、水槽の周囲はもちろんのこと、屋内とその周辺を清潔に保つことを心がけましょう。以下で、それぞれの場所について具体的な対策法をご紹介します。

水槽台の内部・下部

水槽台の内部も下部もこぼした餌や飼育水はきちんと片づけて、水拭きをした後は乾拭きをするなどしてしっかりと乾燥させましょう。ゴキブリは人の抜け毛や繊維クズといったものまで餌にしてしまうので、しっかりと掃除をしておくことが重要です。

水槽台の下部など手が入らない場所も、細長い棒にキッチンペーパーなどを巻き付けたもので拭き掃除をしたり、ブロワーなどでこぼれた餌や埃を吹き飛ばして清掃を行ってください。

上部フィルター・外部フィルター

上部フィルターの場合は定期的にろ過槽を開けて内部の状態をチェックし、ウールマットの交換やフタを掃除しておきましょう。外部フィルターのモーターヘッド部も同様です。ヘッド部の隙間は排熱のために塞ぐことはできないので、定期的に内部の状態を調べましょう。

それから、フィルターの場合はいずれも、その周辺を清潔に保つことが重要です。そもそも、ゴキブリを屋内へと引き寄せない環境が整っていれば、ゴキブリがフィルター内部に侵入することはありません。

電源タップ・排水場所

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電源タップの場合は、差込口を保護するためのカバーや、養生テープなどで使用していない差込口を塞いでしまうことが1番です。排水場所に関しては、やはり清潔に保つことが重要で、飼育しを流した後はきちんと水道水で洗浄し、なるべく濡れたままの状態にならないよう乾燥させると良いでしょう。

餌の容器

人工飼料の容器はしっかりと密閉することが重要で、餌をこぼした場合はそのままにしておかず、速やかに片づけましょう。人工飼料は匂いがするので、ゴキブリを引き寄せてしまいます。

生餌ケースの場合は、ケース自体に対策を講じるよりも住環境を良くすることが重要です。すなわち、人が住む場所を清潔に保つということで、フィルターの場合と同じくゴキブリが家屋に侵入して来なければ、生餌のケースに侵入することもありません。

ゴキブリ対策は予防が重要

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ゴキブリは代表的な害虫ということもあり、各社がこぞって駆除するための新商品を発売しています。しかしながら、ゴキブリの駆除剤の多くは、水槽で飼育される水生生物にも悪影響を与えてしまいます。

写真のバルサンも、熱帯魚がいる部屋では使用禁止です。殺虫スプレーなども飼育水に溶け込んでしまうと、エビなど弱い生物から死んでしまいます。

水槽周りのゴキブリ対策はゴキブリが発生してから対処するのではなく、ゴキブリを発生させないことを念頭においてください。そのためには、住環境を清潔に保ちゴキブリが住みにくい環境を整えることが重要です。

まとめ・水槽周りのゴキブリの発生原因と対策法について

ゴキブリはその働きから「森の掃除屋」とも呼ばれ、生態系においては重要な役割を果たしています。動物の体毛のような多くの生物が養分として利用できないものも食べて分解し、排泄することで微生物が利用できる有機物へと変換しており、ゴキブリ自身は小動物のタンパク源となるからです。

しかしながら、体内にはサルモネラ菌などの病原性細菌を保有しており、病原体のキャリアになり得る点で人間とは相性が悪いことも事実です。よって、上手く住み分けるためにも、ゴキブリを寄せ付けないように水槽の周囲はもちろんのこと、屋内とその周辺を常に清潔に保つ努力をすることが重要です。

水槽のプロ トロピカライターの上原巧です。
魚介類は観賞するのも食べることも好きです。
情報を発信する立場として、正確な情報を分かりやすい文章でお伝えすることを心がけています。
私の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

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