海水魚水槽で主役となる人気の種類といえば、大型ヤッコです。
大型ヤッコと呼ばれるだけあり、水槽内では30センチ前後にまで成長します。
また、大型ヤッコ一番の魅力は幼魚と成魚で体の模様が変わることではないでしょうか。
例を出すと、サザナミヤッコとブルーフェイスエンゼルの幼魚模様は極端に似ています。
おそらく、一般の人が見ても違いが分からないかとおもいますが、成魚になるとまったく異なった模様に変わります。
水槽内で模様変化により成長を確認できるとことが面白い大型ヤッコ。
ここでは、代表的で飼育しやすい大型ヤッコの種類と共存しやすいサンゴをご紹介していきます。
飼いやすい大型ヤッコの種類
サザナミヤッコ
わたしが一番おすすめなのが、サザナミヤッコです。
サザナミヤッコは大型ヤッコの中で一番簡単で、価格もリーズナブルです。
幼魚は、青い体に白い縦線が混じった模様は一見シンプルに感じますが、水槽内で泳ぎだせば照明の光に照らされてメタリックブルーの色合いが映えて存在感があります。
成魚は白い縦線が一部消失し体の中央が淡く黄色味が出てきます。
メタリックブルーの色合いはそのままで、優雅に泳ぐその姿は大型ヤッコの存在感を大いに感じることができます。
タテジマキンチャクダイ
最もメジャーな大型ヤッコと言えば、愛称タテキンで知られるタテジマキンチャクダイです。
別名エンペラーフィッシュとも呼ばれており、海水魚の皇帝の異名をとるタテジマキンチャクダイ。
成魚になったその姿は、非常に美しく皇帝と呼ばれる理由がうなずけます。
まさに、海水魚らしい海水魚で古くからベテランアクアリストはもちろん、はじめて海水魚水槽にチャレンジする方でも憧れる代表的な魚です。
また、タテジマキンチャクダイは幼魚も特徴があり、体にうずを巻いているような模様を施すことから、ウズマキという愛称で呼ばれています。
ウズマキは成魚になると、うず模様がすべて消失してしまうためこの模様を楽しめるのも幼魚だけの特権です。
ブルーフェイスエンゼル
ブルーフェイスエンゼルは別名アデヤッコと呼ばれる大型ヤッコです。
サザナミヤッコやタテジマキンチャクダイより、ワンランク飼育難易度と価格が上となるブルーフェイスエンゼル。
幼魚はサザナミヤッコの幼魚とほとんど差別化できないほど似ています。見分けるコツとしたら、サザナミヤッコの幼魚より鮮やかなところです。
成魚はメタリックブルーの鮮やかな色にオレンジ色の差し色が混じる顔が美しくとても魅力的です。
しかし、美しい故なのかは不明ですが、わたしの経験上サザナミヤッコやタテジマキンチャクダイよりやや神経質です。
飼育する場合は、ブルーフェイスエンゼルがイジメられずに悠々泳ぐことができる環境下で飼育するようにしましょう。
クイーンエンゼル
海水魚の女王と呼ばれるクイーンエンゼル。
美しいスレッドが伸び、ブルーとイエロー、そしてオレンジ色の体色を持った非常に美しい海水魚です。
入荷ルートがアメリカ方面からと輸送時間が長いため、入荷状態があまり良くない場合もあります。専門店でじっくりトリートメントが完了した個体を購入するようにしましょう。
幼魚は、大型ヤッコの幼魚では群を抜いて美しいことから、成魚でなく幼魚から飼育するアクアリストも多いです。
クイーンエンゼルは、採取地域により色合いが変わるところも特徴的で、ブラジル産よりカリブ産は青味が強く人気があり、それより上のバハマクイーンと呼ばれる個体、さらに青味割合が非常に強くクイーンエンゼル最高峰と価値のあるベリーズ産クイーンと地域差が多いです。
また、近縁種でブルーエンゼルという種類もいます。幼魚期・成魚期においてクイーンエンゼルより青味が強く控えめな色合いになりますが、こちらも人気があります。
クイーンエンゼルと同じ遊泳場所である個体もいるため、自然界で交配したハイブリッド個体をダウンゼントエンゼルと呼び、こちらも人気があります。
他にもイナズマヤッコやフレンチエンゼル、キングエンゼルなどいくつも大型ヤッコがいますが、飼育しやすい個体に絞ったためここでは割愛させていただきます。
大型ヤッコと共存可能なサンゴの種類
大型ヤッコに限らずヤッコという種類はサンゴを食べてしまうため、サンゴ水槽には敬遠されがちです。そして、ヤッコのなかでも最もサンゴを食べてしまう大型ヤッコは、サンゴ水槽に入れることを躊躇してしまう方もいるでしょう。
ここでは、わたしの経験から大型ヤッコと共存可能なサンゴを紹介していきます。
トサカ類
トサカ類は大型ヤッコも食べにくい種類です。とくに、カタトサカ類はまず食べられないため共存可能です。
沖縄から入荷があるナグラカタトサカやヤナギカタトサカは、蛍光グリーンで非常に美しいためおすすめです。
ウミキノコ類
トサカ同様、こちらも大型ヤッコの食害ななりにくい種です。ウミキノコはいろいろな種類がありますが、ロングポリプと呼ばれる種類やウミキノコグリーンと呼ばれる種類は大変美しくおすすめです。
スターポリプ
スターポリプも大型ヤッコと共存可能です。こちらは、最近ミドリイシ水槽に入れるベテランアクアリストもいる程大変人気のある種類です。ただし、水質悪化などでスターポリプの咲き方が弱まると突かれやすい傾向があります。サンゴの健康状態が悪くなったらサンゴを隔離し元気に咲くようになったら戻すなど対応する必要があります。
まとめ: 大型ヤッコは色彩変化が魅力的! 飼いやすい種類から共存可能なサンゴとは
いかがでしたか。
大型ヤッコの魅力や一緒に飼育できるサンゴの種類などお分かりいただけましたでしょうか。
どの水槽でも主役級となるため、選び方次第で水槽の印象が決まってしまいます。
慎重に選ぶことも大切ですが、ご自身の好きな魚を入れるようするのが後々後悔しないで飼い込むことができるでしょう。
これまで、サンゴとの共存を諦めていた方も、本記事のサンゴから選んで入れてみてはいかがでしょうか。
それでは、素敵なマリンアクアライフをお過ごしください。
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
よろしくお願いいたします!
コメント
サザナミヤッコを複数同じ水槽で飼うことはできますか?
相性によっては、ケンカを起こすことがありますので、大型水槽であることが条件ですが、120cm以上の水槽で、他の生体を多く入れ、隠れ場所も多く作り、餌を行き渡らせれば可能です。
よろしくお願いいたします。