熱帯魚や海水魚、またウーパールーパーなどといった水棲生物を飼育するときに、水温維持のためヒーターを使用する人は多いです。特に冬は北海道などの北国では必須のアイテムとなっています。
しかしアクアリウム初心者やある程度アクアリウム歴の長い人の中には、水槽用ヒーターに種類があるということを知らないという人もいるのではないでしょうか。
今回はヒーターについてあまり詳しくないという人のために、水槽用のサーモスタット付きヒーターとオートヒーターの違いについてお話していきます。
サーモスタット機能付きヒーターの特徴やメリット・デメリット
まずサーモスタット付きヒーターの仕組みについて説明しましょう。ヒーターは水温を上げるための機械で、水温を上げる以外の機能はついていません。
サーモスタットはヒーターと連結して使う道具で、あらかじめ決められた水温になったときに、ヒーターの電源を落としてくれるアイテムです。自分で水温を設定することができるので、水温に敏感な熱帯魚水槽などでも使用することができます。
サーモスタット付きヒーターのメリットとは?
サーモスタット付きヒーターの場合、アクアリウム歴の長い人だとオートヒーターよりも故障しにくいという人も多いです。ヒーターとサーモスタットが別になっているので、どちらかが壊れてしまっても、壊れた機材を交換することで長く使用できるのでランニングコストが安くなります。
またオートヒーターと比べて温度設定の幅が広いので、さまざまな生き物に対応することができますし、500w以上必要になる大型水槽まで対応できると水槽の大きさもあまり選ばないというメリットがあります。
サーモスタット付きヒーターのデメリットは?
サーモスタット付きヒーターのデメリットですが、まず見た目的なものがあります。センサーコードが水槽内で見えてしまうため、水槽レイアウトの景観を損ねてしまいます。
またダイヤルなどで水温を自分で設定するために、間違えて水温を設定したのに気付かず、飼育している生き物に適さない水温になってしまうことがあります。何かの拍子でダイヤルがずれることもあります。
しかしこれは設定する前に水温設定をきちんと確認する、一度設定した後はビニールテープなどでダイヤルを固定し動かないようにすることで対策をすることができます。
サーモスタット付きヒーターはサーモセンサーが飛び出してしまう事故が起こることがありますが、これもセンサーを水槽の中にある他のコードと結束バンドなどで固定することで、飛び出し防止対策を行うことができます。
オートヒーターの特徴やメリット・デメリット
オートヒーターはサーモセンサーとヒーターが一体になったもので、購入者のサーモセンサーの飛び出し事故や、ヒーター本体をサーモに接続しなければならないのを知らずに、それぞれ別でコンセントに差し込んでしまうといった接続ミスを防ぐために作られました。
オートヒーターには「ダイヤル式」と「固定式」の2種類あります。それぞれのメリットとデメリットについてみていきましょう。
ダイヤル式オートヒーター
ダイヤル式のオートヒーターはサーモスタット付きのヒーターのように温度設定をダイヤルで行うものです。
ダイヤル式オートヒーターのメリット
ダイヤル式オートヒーターは設置がとても簡単で、サーモセンサーが一体型になっているため飛び出し事故を起こす心配がありません。
水温設定も自分の好きな温度に簡単に設定できる、というメリットがあります。
ダイヤル式オートヒーターのデメリット
デメリットとしてはアクアリウム歴が長い人の中には壊れやすいという人もいます。また対応ワット数が300wまでなので500w以上必要になるような大型水槽には1本では対応できません。
温度設定の幅もサーモスタット付きヒーターと比べると設定幅が狭いという特徴があります。
また機械が故障してしまったり、長期間使用して経年劣化で交換する場合には、一体型なので本体ごと交換しなければなりません。
固定式オートヒーター
固定式オートヒーターは、あらかじめ設定温度が決められていて自分で温度設定を行うことのできないヒーターです。一般的に流通量が多いのは「26℃設定」の固定式オートヒーターで、18℃や24℃などの商品も販売されています。
機能的にサーモスタット付きヒーターや固定式オートヒーターよりもシンプルなつくりになっているため、ヒーターの中でも比較的安い価格で購入できるものが多いです。
固定式オートヒーターのメリット
固定式オートヒーターは既に設定温度が決められているため、水槽内に入れるだけと設置が簡単です。またダイヤル式オートヒーター同様にサーモセンサーがないため、サーモの飛び出し事故がありません。
ヒーターの中でも比較的安価で購入できる、という点もメリットと言えるでしょう。
固定式オートヒーターのデメリット
アクアリウム歴が長い人の間では、サーモスタット付きヒーターよりも壊れやすいという人もいます。
またダイヤル式オートヒーター同様にワット数が300wまでなので、どちらかというと小型~中型水槽向きで、大型水槽での使用には向きません。
またサーモスタットとヒーターが本体内に入っているため、故障や経年劣化が起きた場合には本体ごと買い替えになります。
26℃設定のものが多いため設定されている温度選びを間違ってしまうと、20℃前後の低温管理を行う魚や、アロワナといった高温を好む魚には不向きというデメリットもあります。
ヒーターの使用年数は気を付けよう!
ヒーターは一度設置してしまうと、よほど高温になったり水温が上がらないといったことがない限り、小さな故障を発見しにくいものです。
ある日突然、何の予兆もなしに固定式オートヒーターのサーモが壊れてしまい、外出して戻ったら水槽の水がお湯になって熱帯魚が全滅…なんてことも実際に起こります。
ヒーターの寿命などについてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
まとめ:オートヒーターと水槽用サーモスタット付きヒーターの違いを理解して適切なものを使おう!
今回は水槽用サーモスタット付きヒーターとオートヒーターの違いやそれぞれのメリット・デメリットについてお話しました。
ヒーターは水温が下がってしまう冬場の水温管理を行う上で、必要なアイテムです。それぞれのメリット・デメリットをよく理解したうえで、自分の水槽や飼育している生き物にあった商品を選びましょう。
また長期間使用しているヒーターは水槽掃除や水換え時などに、故障していないか・断線していたり配線がむき出しになっていないかなどもチェックしておくと、事故予防や買い替え時を把握しやすくなります。
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