水槽を設置してから大きな問題もなく安定していた水槽が、ある日突然、魚が複数死んでしまうといったトラブルに見舞われることも、水槽管理を経験していればいつか発生してしまうかもしれません。
私たち水槽管理のプロは、突発的なトラブルが発生したときはすぐに水槽の状況を確認し、過去の経験から原因を予測し解決に必要な道具を手配します。
しかし、プロでない限りトラブルが発生すると同様してしまい、何から手を付けたら良いのか分からなくなってしまうのではないでしょうか。
トラブルはすぐに発見し解決することが大切です。
ここでは、水槽の調子が突然悪化した時に行う水槽管理のプロの対処法を解説していきます。
魚・水草の調子を見る
魚
病気が出ていないか、いじめられていないかなど1匹1匹確認しましょう。
水槽内の水草の隙間などくまなく確認し、死んでしまっている魚を見つけたらすぐに水槽から取り出しましょう。
もし、いじめられていたら隔離をする、病気の場合は隔離するか薬浴するなど適正な対応をしましょう。
水草
水草が枯れたり溶けている場合は、速やかに水槽内から取り出しましょう。
死んでしまった魚や枯れたり溶けている水草を水槽内にそのまま入れておけば、どんどん水質が悪化してしまい被害が拡大しますので注意しましょう。
水槽機材を確認する
水槽の調子が突然悪化する大きな原因の一つとして、水槽機材が正常に作動していない可能性が高いです。
トラブル時に必ず確認する必要がある機材を順にご紹介していきます。
ろ過循環器
ろ過循環器の停止または、流量が弱まることでろ過能力が弱まり水槽内にアンモニアなどの有害物が分解されずに生体にダメージを与える可能性があります。
ろ過器から出る水の勢いが弱まっていないか、ろ過材に汚れが蓄積していないか確認しましょう。
万が一、ろ過材の蓄積や水の勢いが目視で分からない場合、試験紙などを使い水質チェックをしましょう。
水温管理機材
水槽水温が正常水温または、設定水温で保温されているか確認しましょう。
下記詳細を細かく調べてもなおらず保証期間内の場合は、購入した専門店へ相談しましょう。
保証期間外なら速やかに交換が、メーカーまたは専門店に相談しましょう。
ヒーター
- サーモランプ点灯時にヒーターは放熱しているか
- サーモセンサーは適正位置に設置されているか
- コンセントは適正な差し方をしているか
- ヒーターとクーラーが同時作動していないか
クーラー
- 吸排気は正常に出来ており水槽台内に排熱がこもっていないか
- クーラーのへの流水量が適正なのか、低下していないか
- 水温表示は適正か
- クーラー作動時に本体から放熱しているか
- クーラー・ヒーターランプ適正に切り替わっているか
照明
照明が故障しており、点灯していない場合があります。
照明が点灯しなければ、光合成を必要とする水草の育成に支障がでます。
また、魚の餌の時間に照明が点灯していなければ寝ているため餌を食べることが難しくなります、
餌を食べることができなければ餓死してしまったり、食べ残しの餌が砂の上に蓄積し水質悪化を招いてしまいます。
故障している場合が、メーカー修理か交換をしその期間は部屋の光を1日8時間程度当てるようにしましょう。
照明用タイマー
水槽にコケが多いトラブルの場合、照明タイマーの異常が考えられます。
メンテナンス時に常時通電のままにしてしまったり、タイマースイッチとなっているが故障しており常時点灯となっている可能性もあります。
今一度確認し、故障している場合は交換しましょう。
自動給餌器(フードタイマー)
試運転をし与える餌の量が変わってしまってないか確認しましょう。
とくに、フードタイマーと呼ばれる自動給餌器は、餌を補充するタイミングで簡単に餌の量が変わってしまう可能性があります。
念のため、魚が数分で食べきれる量で調整されているか確認しましょう。
故障している場合は、手動で与えるか交換しましょう。
エアーポンプ
ブクブク泡を出すエアーポンプを設置している場合、いつもと同じ量の泡が出ているか確認しましょう。
泡が出ていない、または弱まっている場合はエアーチューブが潰されていないか確認し、潰れていなければパーツ交換または本体交換をおすすめします。
二酸化炭素添加機材
二酸化炭素の添加量が正常な量か確認しましょう。
二酸化炭素が出過ぎていると、水槽内が酸欠となり魚が弱ってしまいます。
また、吐出量が低下すると水草だと光合成の働きが悪くなり成長が悪くなります。
目視で判断付かない場合は、水質チェックをしましょう。
正常に二酸化炭素が出ない場合、二酸化炭素残量を確認し残っているようであれば、拡散器やチューブの詰まりを確認しましょう。
ここまでお伝えした機材を確認し、問題ある機材を復旧させてください。
もし、ここまでお伝えした機材に問題なければ、機材以外のところを確認していきましょう。
水換え用の水を確認する
水槽の水換えに使用する水を確認しましょう。
とくにトラブルが発生しやすい可能性があるものとして、RO浄水器などのフィルターが劣化し質の悪い水が精製されている場合があります。
フィルターの汚れ度合いを確認し、汚れている場合は交換しましょう。
まとめ: 水草水槽の調子が突然悪化した!3つの原因とプロが行う対処法を解説!
いかがでしたか。
突然水槽の魚が死んでしまったり、水草が溶けてしまうなどのトラブルに見舞われてしまえば驚いてしまうとおもいます。
とくに、水槽トラブルを起こす一番多いケースとして、ヒューマンエラーが挙げられます。
メンテナンス時の機材セットミス、水換え時に水温が大きく上下した、新しく魚を入れたなど環境が変わったタイミングで発生することが多いのです。
水槽環境を少しでも変えるときは、細心の注意を払いましょう。
しかし、そんな時でも落ち着いて本記事を参考にし速やかな対応を願っております。
皆様の素敵なアクアライフが1日でも長く続くことを祈ってます!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
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