水草を主体とした水草レイアウト水槽を作る場合は、当然作り手が好きな水草を選定します。
しかし、熱帯魚を主体とした水草レイアウト水槽を作る場合は、水草の選定が大きく変わってきます。
なぜなら、熱帯魚を主体となると、その熱帯魚の好みである水質(PH)に合わせて最適な水草を選定する必要があるからです。
例えば、熱帯魚の好みに合わせPHを弱アルカリ性の水質としている水槽へ、弱酸性を好む水草を植栽しても美しく育てることは非常に難しいです。
では、どのようにして熱帯魚の好む水草レイアウト水槽を作れば良いのでしょうか。
今回は、熱帯魚を主体とした際の水草レイアウト水槽についてお伝えしていきます。
弱酸性の水質を意識した水草レイアウト水槽
現在流通しているほとんどの熱帯魚や水草は、弱酸性のPHとなる水質を好みます。
アクアリウム業界での弱酸性とは、PH6,0~7,0の間を指します。
熱帯魚で最もメジャーなネオンテトラなどの、アマゾン川に生息する熱帯魚は弱酸性を好む種類がほとんどです。
では、弱酸性を意識した水草レイアウト水槽のポイントを見てみましょう。
弱酸性に傾ける水草レイアウト水槽は、下記2つポイントが存在します。
- 底床をソイルにする
- 流木を入れる
どちらも、水道水で立ち上げた水質を中性から酸性よりに傾ける効果があります。
水草水槽でソイルを使用するレイアウト水槽が多いのは、水質を弱酸性にするためという理由の一つなのです。
飼育を検討している熱帯魚が弱酸性を好む場合は、ソイルと流木を採用することをオススメします。
弱アルカリ性を意識した水草レイアウト水槽
熱帯魚で弱アルカリ性を好む種類は少ないです。
弱アルカリ性とは、PH7,0~8,0の間を指します。
ネオンテトラ同様、熱帯魚の代表的な種類のグッピーのメダカ類や、アフリカンシクリッドは弱アルカリ性の水質を好みます。
しかし、近年はグッピーもいろいろな流通経路が確立されてきたため、中には弱酸性を好む種類も出てきました、
そのため、購入時はその水槽の水質を店員に聞くことをオススメします。
また、水草も同様です。
弱アルカリ性を好む水草は多くありません。
しかし、水草の特性を知れば美しい水草レイアウト水槽の維持管理はできます。ご安心ください。
では、アルカリ性となる水草レイアウト水槽はどのような水槽なのでしょうか。
写真をご覧ください。
この水槽で最も特徴的なのは、底床に敷いてある大磯砂です。
大磯砂は淡水で使用されることがほとんどですが、じつは海から採取しています。
そのため、砂の中に貝殻などが混じっており、それが水槽内で溶けだし水質をアルカリ性に傾ける効果があります。
そのため、大潮砂を使用すると必然的にアルカリ性に傾くため、ネオンテトラなどの弱酸性を好む魚には向いていません。
水草については、アヌビアスナナという種類の水草を主体とした水草水槽となっています。
この水草たちは、PHが弱アルカリ性でも十分育成可能な種類です。
じつは、弱アルカリ性で育成可能な水草というのは、水質への適応能力が高い非常に丈夫な個体なのです。
そのため、弱酸性の水槽でも育成が可能です。
まとめ
いかがでしたか。
熱帯魚の好む水質に合わせた水草レイアウト水槽とは、弱酸性と弱アルカリ性に分け、そのなかで底床や水草を選定することが大切になります。
しかし、弱アルカリ性となる大磯砂でネオンテトラが飼育出来ないのかと言われればそんなことはありません。
大潮砂でもネオンテトラの飼育は可能です。
そこで、大磯砂を敷いた水槽にPHを下げる働きがある流木を入れると、より飼育しやすくなります。
1つの水槽を設置する上で、その水槽の目的を何とするかで仕様など変わると思いますが、やはり、飼育する熱帯魚の好みに合わせた水質の中で泳ぐ色合いが最も美しい発色であることは間違いありません。
是非、今飼育している熱帯魚、またこれから飼育する熱帯魚を主体とした、熱帯魚の持つ一番美しい色合いを引き出す水草レイアウト水槽を意識して作って見てください!!
それも、熱帯魚水槽の醍醐味です!!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
よろしくお願いいたします!