ショップで気に入った水草を購入したものの、家の水槽に植えようとしても、なかなか上手に植えることができないという経験はありませんか?
ちゃんと植えられたと思っていても、しばらく時間が経つと浮いてきてしまって、せっかくのレイアウトが台無し…という経験のある人もいるかもしれません。
そのようなことを防ぐためにも、私たちがやっている水草の植え方や下処理について、ご紹介していきます。
水草を植えて育てるのは初心者には難しい?
ショップなどに展示してあるアクアリウムを見ると、水草のレイアウトがとても美しく、こんな風にしてみたい、と思ったこともあるのではないでしょうか。そのようなショップの展示や、ネット、書籍などを参考にして、水草を植えている人は少なくないはずです。
しかし、せっかく自分できれいに植えることができたと思っていても、数時間から次の日になると、時間の経過とともに水草が浮いてしまって、レイアウトが台無しになってしまったり、枯れてしまったりすることもあります。
そのような経験をすると、水草は初心者が自分で扱うのは難しいのではないか、と思う人もいるかもしれません。しかし、初心者でも正しく扱えば、丈夫に育てることができます。
水草は生きているので、正解はありませんが、基本的な知識を身につけておけば、失敗することも少なくなってきます。
今回は、みなさんに基本的な知識を身につけていただけるよう、水草の扱い方のポイントをご紹介していきます。
水草の3つのタイプ
水草は、成長の仕方によって様々なタイプに分けられますが、その中の主なタイプを3つご紹介します。
有茎草
上に伸びる茎の節から、小さい葉を展開していくタイプの水草です。
【主な種類】
- ハイグロフィラ
- ウィステリア
- アルテルナンテラ・レインキー
ロゼット型水草
日本の陸地に自生しているタンポポのような葉っぱを、真ん中から放射状に展開していくタイプの水草です。
【主な種類】
- エキノドルス
- クリプトコリネ
- ニムファ
活着(着生)する水草
流木や石に根を伸ばし、絡まって体を固定していきながら成長していくタイプの水草です。
【主な種類】
- アヌビアス・ナナ
- ミクロソリウム
- ウィローモス(コケ)
水草の下準備と植え付けに必要な3つの道具
水草を、本来の成長の仕方に合うように植えていくためには、下準備が必要です。正しい下準備をして、スムーズに植え付けるために必要な道具が3つあります。
【必要な道具】
- ピンセット
- ハサミ
- ビニタイ
それぞれ水草用のものがショップなどで販売されています。
有茎草の下準備2つと植え方
【下準備の手順】
1.茎の下側の色が薄くなっている部分を切り取る
色が薄くなっている部分を残したまま植えると、その部分は溶けてしまうので水草が浮いてしまったり、最悪の場合は、そこから枯れていってしまったりすることがあります。
2.植える時に、砂に埋まってしまう部位の葉を取り除いていく
植えるときに砂の中に入った葉は、枯れてしまうので、取り除いておいたほうがよいです。
有茎草の植え方
草が水槽の底面に対して直角になるよう、まっすぐ植えます。ピンセットを斜めにして掴みながら植えると、スムーズに植え付けることができます。
ロゼット型の下準備2つと植え方
【下準備の手順】
1.ロゼット型の水草は、購入時のポットの中にウールが入っているので、水で洗いながらきれいに取り除き、根は数センチ残してカットする
ウールは細かい繊維なので、残してしまうと、根の成長を邪魔したり水槽の中で舞い上がってしまったりします。
2.色が変化していたり、枯れていたりする葉があったらなるべく根元から取り除く
このような葉は、残しておくと枯れてしまうので、必ず取り除きましょう。
ロゼット型の植え方
根っこを画像のようにピンセットで掴んで、矢印の動きで植えていきます。
活着(着生)する水草の処理2つと植え方
【下準備の手順】
1.アヌビアスやミクロソリウムのほとんどは、ポットとウールがあるので取り除く
理由はロゼット型の水草と同じように、根の成長を邪魔したり、ウールの細かい繊維が水槽内で舞い上がったりするからです。
2.根茎(横に這っている太い茎のこと)から出ている細い根を切り取る
水草の成長に従い、また根が生えます。
活着(着生)する水草の植え方
流木や石に、ビニタイを使って巻きつけていきます。
この方法は他のミクロソリウムなどの水草にも応用できます。
まとめ:美しいアクアリウムレイアウトで水草を浮かせない植え方
今回は3つのタイプの水草の下準備や植え方について、紹介しました。以下の3つが大切なポイントです。
- 販売時に水草に付いているポット、ウールは外す
- 使いやすいハサミとピンセットを用意する
- 下準備の際には水草を乾かさないようにする
水草はきちんと下準備をすることによって、枯れてしまうのを抑え、丈夫に育てることができます。紹介してきた下準備の方法や植え方を参考にして、それぞれの水草の成長を楽しんで頂けたら幸いです。
生き物が好きで動物関係の専門学校へ入学。
アクアリウムの飼育サークルへ入部し、アクアリウムの魅力に取りつかれる。
以降、自分の好きなものを仕事にしたいという想いからアクアリウム業界に勤めています。
自宅でも淡水魚や海水魚、サンゴなど様々な魚を飼育管理しています。実家では大型犬を4頭、出店で持って帰ったミドリガメを15年以上、家族の一員として迎え入れています。