知り合いが熱帯魚や海水魚の飼育をしているのを見たり、雑誌やネットで「初心者でも簡単!」という言葉を見て、アクアリウムを始める人は多いと思います。
YouTubeなどの動画でも、簡単そうに飼育している様子をみて、「自分もできる!」と意気込んでしまうこともよくあることです。飼育前は自分の好みのカラフルな魚やエビ、水草を入れた綺麗なレイアウト水槽を作ることを夢見ますが、実際飼育してみると「こんなはずじゃなかった!」と失敗を感じることもよくあることです。
今回はそんなアクアリウム初心者がハマってしまやすい、落とし穴について解説していきます。
アクアリウム初心者がハマりやすい落とし穴とは?
アクアリウムを始めたときにただ漠然と「何となく」「綺麗だから」といった理由で飼育を始める人は多いです。また「デザインが好みだったから」という理由で、性能よりもインテリア性を重視した水槽を選んで失敗した、予想していたよりお金がかかるなど、さまざまな失敗談を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは理想と現実がかけ離れているというだけでなく、しっかりとアクアリウムを始める前に、知識を得ていないために起こることがほとんどです。
具体的な「理想と現実の違い」には、以下のようなものがあります。
予想していたよりコストがかかる!?
アクアリウム雑誌やイベントで展示されているような、綺麗デザイン性のある水槽を目指すためには、それなりにコストがかかります。初期投資なら水槽やソイル、ろ過機などの機材はもちろん、生き物を購入するのにもお金がかかります。
また魚や水草は、とても弱いためきちんとした知識なしに育て始めると、最悪の場合購入して3日もしないうちに死なせてしまうこともあるんです。
サンゴや水草の育成に、専用の照明を使用するだけではうまく行かないですし、二酸化炭素添加をプラスしてもきちんと水中に栄養分がないと水草は枯れてしまいます。
水草やサンゴに必要な栄養分を、水槽内に補給し照明・栄養・水質など全てがバランスよく整った状態でなければ育てるのに失敗してしまいます。
そのため照明や添加剤、肥料など上手く育てることのできるものがわかるまで色々な商品を使ったりと、何かと出費が多くなるケースもあるんです。
病気の治療を自分で行わなければならない
魚は犬や猫のように動物病院で治療してもらえることはありません。そのため魚が病気になったときは、自分で治療しなければならず市販の薬を購入する必要があります。
また病気になった魚を同じ水槽に入れたままにしておくと、他の健康な魚まで体調を崩したり、病気がうつり死なせてしまうこともあるんです。魚の病気は人間のように色々なものがあるので、病気に合った治療薬や治療期間を知っておかねばなりません。
主な魚の病気や治療法については、こちらの記事をどうぞ。
水温管理で失敗
意外とアクアリウムに慣れた人でも陥りやすいのが、「夏場の水温管理」です。特に熱帯魚は暖かい地域の魚なので、水温は常に25度前後で飼育することがほとんどなので、水温が高い分には問題ないと思っているアクアリウム初心者も中にはいます。
しかしいくら熱帯魚といっても30度以上の水温になってしまえば、体調を崩してしまいますし、気温が高くなれば水槽内の水がお湯になり、魚がゆだって全滅してしまうこともあります。
逆に冬も水温管理をせず放置していると、水温が低すぎて死んでしまうことがあるんです。メダカのように水温が低いと冬眠する魚もいますが、アクアリウム初心者の場合冬眠中や冬眠明けの管理で失敗してしまう人が多いです。
水槽選びで失敗
デザイン性がよくインテリア性が高いことから、オールインワン水槽を購入する人も多いですが、これもアクアリウム初心者の場合、失敗しやすいです。
一見管理が簡単そうに思えますが、底砂や水草を入れると、魚やエビなどをあまり入れることができなかった、メンテナンスが予想以上に大変だったという落とし穴があります。そのためインテリア性はよいものの、メンテナンスなどを考えてすぐに買い替えてしまったり、中にはアクアリウムを挫折してしまう人もいるほどです。
長期間留守にして失敗
お盆や正月休みなど、長期休暇中に旅行に出かけたりするときのことを考えていないアクアリウム初心者が意外に多いように感じます。1~2週間くらいなら水槽内のプランクトンやコケなどを食べることで、飢えをしのぐことが多いです。
しかし1週間以上家を空けるような場合には、魚が餓死してしまったり、フンなどから出る有害物質のせいで水質が悪化してしまい、生き物が病気になることもあります。
落とし穴にハマらないためにはどうすればいい?
アクアリウム初心者がハマりやすい落とし穴は、シッカリと対策をたてることで回避することができます。
水槽や機材の特徴を把握しておく
オールインワンタイプの水槽を購入する際は、きちんと水槽サイズや機材のしくみ・特徴を把握して、水槽に入れたい水草や生き物の数をよく考えて購入する必要があります。
付属している機材の仕組みや特徴をきちんと把握しておけば、実際に飼育を始めたときにメンテナンスがしやすいかどうかも分かりやすいです。
水槽サイズに合わせた生き物の数に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
入れる生き物や水草は成長しきったときの大きさを確認
店頭で販売している生き物は、どれも稚魚など成長段階のものがほとんどで、水草も背丈が低い状態で販売されています。そのため水槽内に入れて成長し始めて、「こんなに大きくなるの?」と驚く人もいるほど。
成長しきったときの大きさをきちんと把握せず、水槽内に生き物や水草を入れると、後から水槽が狭くなってしまい水槽を買い替えたり、別の水槽に生き物を分けるといった手間もでてきます。
生き物や水草を購入する前に、しっかりと育て方や特徴、最終的な大きさを確認しておきましょう。飼育する生き物の数は「今の大きさ」ではなく、「成長後の大きさ」で考えると後から別の水槽を用意することを回避しやすくなります。
水草も最終的な大きさを確認しておくことは大切ですが、定期的にトリミングを行うことで、水槽内が狭くなるのを防ぐことができます。
生き物や水草の育て方を購入前にチェック
アクアリウムで育てる生き物や水草は、それぞれの種類で育て方が異なったり、気性などに違いがあります。
事前に育て方をしっかりと覚えることで、飼育を始めてから水槽内でいじめなどが起こったり、水草が枯れるといった事態を回避しやすくなります。
また適温を知ることで、水温の変化で弱ったりすることも防ぐことが可能になるので、購入前に育てる生き物や水草について調べておきましょう。
水温管理はヒーターやクーラーを使用する
水槽内の水は、室温や外気温の影響を受けやすいです。そのためヒーターやクーラーを設置せずに通年放置していると、夏の暑さや冬の寒さで水温の上下が激しくなり、生き物や水草が弱ってしまったり、死んでしまうことがあります。
夏にどうしても水温が高くなりすぎるようなら、水槽の置き場所を変えたり、水槽用のクーラーを使って水温の上昇を防ぎましょう。冬は市販されている水槽用のヒーターを使用することで、水温の低下を防ぐことができます。
クーラーやヒーターについてはこちらの記事を参考にしてください。
長期間家を空けるときはどうしたらいい?
旅行や冠婚葬祭などで長期間家を空けるような場合は、餌やりについてはオートフィーダー(自動給餌器)を使用するという方法があります。
また信頼できる人に様子をみてもらいがてら、餌やりを頼んでおくことで生き物が餓死することを防ぎやすくなります。水質が不安だというのであれば、家を空ける前に一度水換えや水槽内の掃除を行っておきましょう。
オートフィーダーについて詳しく知りたいという人は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ:現実をしっかりと見極め理想の水槽を作ろう!
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アクアリウムは放置していても綺麗な状態を保てるものではありませんし、生き物は食べ物がなければ死んでしまいます。さらに水質や水温の急変で、体調を崩してしまい病気になったり、死んでしまうこともよくあることです。
今はアクアリウムのプロだという人でも、最初は何度も失敗してそこから学んで今があります。1度や2度の失敗にめげず、アクアリウムの知識をどんどん身につけて、誰もがうらやむ魅力的な水槽を目指しましょう!
そのためには、まずは機材や生き物、水草などの基本的な知識を身につけましょう。育てながらでもよいですが、事前にある程度の知識をえることで、水槽選びに失敗したり、間違った育て方をするのを回避することができます。
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