暑い夏が近づいてくると「水槽の水温管理、どうしよう…」と悩むものですよね。
何かしらの対策を行わないと水槽の水温は40℃近くまであがってしまうことがあります。そうなると水槽内の生き物にとっては命の危機です!
よく上げられる夏場の水温対策である「エアコン」と「水槽用クーラー」、どちらがお得なのか徹底検証しました。
エアコンと水槽用クーラー、それぞれのメリットデメリット
エアコンを使う場合と水槽用クーラーを使う場合、同じ条件にしないと比較ができないので、以下のような条件と仮定して各数値を比較していきます。
- 水槽サイズ:60cm水槽(60 × 30 × 36)
- 部屋の大きさ:6畳
結論としては
エアコンが向いているのは
- 在宅時間が長い
- 水槽内にサンゴ、水草が少ない
- 費用をあまりかけたくない
- 音に敏感
- 室温が低めでも大丈夫
という方です。水槽用クーラーがオススメなのはその逆の方と言えます。
下でその理由について詳しく解説します。
エアコンを使うメリットデメリットは
エアコンを使うメリット
光熱費を安く抑えられる場合がある
最近のエアコンはとても光熱費が抑えられています。
現在販売されているとある人気機種の数値を書き出してみますと、冷房消費電力:717W とありました。
これはエアコンをつけているときに消費する電力の数値です。この電力で1時間エアコンを稼働させたとすると、電気代はおよそ22.23円となります(電力料金は目安として1kWhあたり31円で計算しました)。
在宅時間が長い方の場合、「水槽用クーラーは稼働させているがエアコンはつけていない」という状況は少ないでしょう。どのみちエアコンを使うなら水槽用クーラーを別に用意する必要はなさそうです。
既に家にある場合が多い
今の日本は夏場大変暑くなりますので、エアコンがないという家庭は少なく、既にエアコンがある場合が多いでしょう。
であれば、改めて水槽用のクーラーを購入するよりも費用を抑えることが出来ます。
音が静か
夜になっても暑い日本ですから、今のエアコンはどれも非常に静かです。
夜間ずっとつけっぱなしでも稼働音に邪魔されることなく、ゆっくり眠れます。
エアコンを使うデメリット
冷房22℃くらいにしないと効果がない
水槽の水温を適度に保とうとすると、ルームエアコンの設定温度は22℃くらいにする必要があります。その部屋で過ごすとなると、少々寒すぎるようにも感じます。
特にエアコンの冷気で体調を崩す人にとっては、しんどいことになりそうです。
24時間つけっぱなしにする必要がある
家を留守にしていても、夜間でも、エアコンは24時間つけっぱなしにすることになります。
理論的に「光熱費は安い」とわかっていても、24時間エアコンをつけっぱなしにすることに対して何となく気が引ける、罪悪感があるという人は少なくありません。
水槽用クーラーを使うメリットデメリット
水槽用クーラーを使うメリットは
水温調節はカンペキ
そもそも水槽の水温を管理するための機器ですから、水温調節はカンペキに行われますので安心感があります。
特にサンゴや水草水槽をお持ちの場合、これだけで相当の価値があります。
サンゴは27度を超えるとダメージを受けて死んでしまいます。水草も同様に、高温すぎると枯れてしまいます。
それを防ぐうえで、水槽用クーラーは代替の効かない必須アイテムです。
「室温は下がっているけど水温は大丈夫だろうか」とヒヤヒヤする必要は一切ありません。
電気代が安い
家にいる時間が少ない方の場合、エアコンをつけずに水槽用クーラーだけをつけて外出すると光熱費が安く抑えられます。
おおよそ水槽用クーラーの消費電力は95W(50Hzの場合)ですから、1時間あたりの電気代は2.95円となります。(電力料金は目安として1kWhあたり31円で計算しました)。
水槽用クーラーを使うデメリット
購入費用が必要になる
初めて水槽用クーラーを使うのであれば、購入費用が必要になります。
売れ筋の水槽用クーラーは以下のようなものがあげられます。
その他人気機種はこちらの記事をご参照ください!
室内用だと部屋が暑くなる
室内用の水槽用クーラーは排熱を行うため、室温が高くなってしまいます。
あまりにも高水温の場合、在室中は、その高くなった室温をルームエアコンで下げる…という二重構造になってしまう点に注意してください。
音がうるさく感じる人もいる
音に対する感じ方は人によりますが、「水槽用クーラーをつけると音が気になって眠れない」という人も中にはいます。
音に敏感な人や眠りの浅い人には向いていない場合もありますのでよく検討してから購入しましょう。
水槽用クーラーを設置する場所が必要
上に例として出した水槽用クーラーのサイズは「196×320×350mm」となっています。
35㎝というのはA4よりも大きなサイズです。そのクーラーを設置する場所が確保できている必要があります。また、水槽用クーラーもコンセントにつなぐことになりますので、つなげる場所があるか確認してから購入しましょう。
まとめ:飼育している生体、在宅時間などに応じて上手に機器を使い分けよう
水槽にとって、どちらの機器が向いているかは環境、考え方によって異なってきます。
ですから自分の水槽が必要としているものは何なのか、ということをよく検討した上で、猛暑の夏を迎えていただけたらと思います!
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