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ゼンスイに取材!今売れてる超小型クーラー『TEGARU』の凄さと秘密とは!

夏を控え、今とっても売れている水槽用の小型クーラーがあるのをご存知ですか?

それはゼンスイさんで出している『TEGARU』というクーラーです。

今回は、そのゼンスイさんに密着取材をしてきた内容をご紹介します!

超小型水槽用クーラー『TEGARU』の利点、そしてその秘密に迫りました。メリットがとってもたくさんなクーラーですので、ぜひご一読してみてください!世界が広がります!

注目の超小型クーラー・TEGARUについてゼンスイにお話しをうかがいました!

水槽用クーラー大手のゼンスイさんの注目商品・TEGARUの秘密について、開発に携わったお二方からお話を伺うことができました!

東京アクアガーデンのミーティングルームへお越しいただきました。

左から東京アクアガーデンの笹渕さん、中央がゼンスイ株式会社の吉原さん、右が開発担当の関根さんです。

ゼンスイさんといえばZCシリーズなど、いままでも優秀で強力な「チラー式水槽用クーラー」を開発してきたメーカーとしてアクアリストに有名なメーカーさんですね。

TEGARUは「ペルチェ式」ですが、小さな機体にこだわりが詰まった、凄いクーラーなんです。どこがそんなに凄いのか、その魅力について熱く語っていただきました!
ゼンスイ 小型ペルチェ式クーラー TEGARU2(テガル2)

簡単に説明すると、チラー式は「パワーがあるけど本体価格がお高め」ペルチェ式は「パワーは弱めだけれど手軽な価格」という違いがあります。さらに小さな水槽をお持ちの方は「冷却ファン(扇風機のような装置)」を選択する場合もあります。そんな中、TEGARUはペルチェ式でありながら格段の効率で水温を維持することができるんです!

冷却ファンなど詳しく知りたい!という方は以下の記事に詳しく解説がありますので参考になさってください。

開発のきっかけ:水温調節装置のエントリーモデルを

上のお二人が超注目の『TEGARU』に関わってきた方々です。

左がゼンスイ株式会社の吉原さん、右が開発担当の関根さんです。

冷却ファンとZC-100の間を埋めるモデルを作りたかったです。スペック的にも金額的にも空白の部分でした。
しかし、ニーズは確実にありました。冷却ファンではおいつかず、かといって、普通のクーラーを買うほど大きな水槽ではない、だけれど、確実に水温を維持したい…という層の声をもとに、本格的な水温調整装置のエントリーモデルとして、TEGARUは開発されました。

なるほど…おっしゃる通りですね。

最初に説明した通り、

  • パワーはあるが高価なチラー式
  • パワーは劣るが安価なペルチェ式

今まで我々アクアリストには、この2タイプしか選択肢がなかったわけですから。正直「帯に短したすきに長し」だった部分もあります。

ですので、ゼンスイさんの開発してくださった『TEGARU』は、ペルチェ式でありながらコンパクト・パワフルで、小さな水槽を持つアクアリストにとってまさに救世主となったのです。

事実『TEGARU』の出荷数は既に2000台を突破しています!

TEGARUの特徴について

こちらのパッケージ画像を見て「ええっ!」と思った方もいらっしゃるかと思うのですが、

そうです!このTEGARUは1台で「冷却」も「加温」もしてくれるのです!

例えば設定温度を25℃にしておけば、暑い時はクーラーとしてはたらいて水温を下げ、寒くなってきたらヒーターとしてはたらいて水温を上げてくれるのです。なんて「かゆいところに手が届く」仕様でしょうか!切り替えいらずなんですよ!

小型水槽を持つ人の多くが持つ悩みは「水槽というのは維持していくのに多くの装置を必要とするが置き場所がない、ゴチャつく」ということでしょう。

一台でクーラーとヒーターの能力を持つTEGARUはその悩みを解消してくれるアイテムですね。しかも自動で調節してくれるんですから、これまでのように「暑くなったと思ってヒーター出したのにまた冷え込んだよ!んもー!」という場面がなくなるわけで…素晴らしいアイテムです。

切り替えスイッチが必要ないため、その分「軽量化」と「省エネ」にも成功しています。

実は開発の初期段階では「加温機能はいらないのでは?」という意見もあったんだそうです。でもこの加温機能があるのが大きなメリットであり、特長でもありますから、つけてくださってありがとうございます!!と声を大にして言いたいですね!

こんな魅力もあるTEGARU

そしてお話をするうちに、TEGARUの魅力はそこだけじゃない!ということがわかってきました。

最小!コンパクトで静音な秘密

TEGARUは何と横幅11cmという驚異の小ささです。手のひらに乗っかるサイズです!

それだけでなく、動作音が非常に静かでファンの音しか聞こえません。そのファンも実は2枚装着されていて、その2枚のファンが非常に近くに設置されています。それにより、このコンパクトボディが実現したんですね。さらにそのファンが同時に稼働することによりパワーを損なわず、静音性を引き出しているんだそうです。(ファンの形状にも、とにかく拘っています!)

まさに一石二鳥のナイスアイディアですね!

こんな水槽がTEGARUに向いています

TEGARUは30cmキューブ水槽をターゲットに開発されています。
最近、小型水槽しか置けないけどカクレクマノミなどの海水魚を飼育したい!というご要望が増えていることに着目しました。
でも小型水槽だとゼンスイのZC-100は大きすぎる!何とかしてほしいという声にお応えした形です。
TEGARUに向いている水槽は超小型と言える25cm~45cmの水槽です。

これは個人的にとても嬉しいポイントです。

筆者は小さな水槽しか置けない住環境なので、飼育できる生体にも限りがあるとあきらめている部分がありました。ですがTEGARUの登場により、海水にもチャレンジできそうな気がしてきました。

ペルチェ式でも省エネ!

水槽用クーラーで気になるのは電気代ですが…。

ペルチェ式でも強力で、なるべく小型に!ということで試作を繰り返しました。
そこで辿り着いたのが、冷却タンクの熱交換の効率化です。
さらに、放熱ファンを2枚つけているため効率が良く、省エネです。このファンも回転が滑らかになるパターンを採用しており、電力消費が抑えられています。

なるほど…!本当に細かいところまで気を遣って開発してくださっているんですね。

確かに夏場はルームエアコンなどで電気代がかさみますから、省エネは嬉しいです!従来の水槽用クーラーと比較して、年間でおよそ18000円も電気代が抑えられるんだそうです。

他機種との使い分けは?

もう他のクーラーもってるんだよなあ…という方は、どのように使い分けたら良いかのアドバイスももらってきました!

よく引き合いに出されるのが、適合水量が似ている『ZC-100』です。
一番大きな違いは、『ZC-100』はパワフルなチラー式だということです。
ペルチェ式は外気温を基準に温度を調整していきますが、チラー式は外気温に左右されずに水温を的確に調整する能力があります。
ですから、サンゴなどの水温にシビアな生体を飼育される場合はZCやZEなどのチラー式がおすすめです。

なるほど、飼育したい生体によって使い分けるといいのですね、参考になりますね!

おすすめの設置場所は

初心者の方だと「えっと…どこに設置したら一番効果的なのかな」と迷うこともありますよね。その点についてもアドバイスをいただきました。

ペルチェ式であることと、TEGARUはあくまで耐水性であり防水でないことを踏まえると、外気温の変動の多い場所や、水ハネが多い場所にはおススメできません。
逆を言えば、それ以外の場所なら設置が可能です。

TEGARUのメンテナンス方法

あとはメンテナンスが心配な方もいらっしゃるでしょうから(ええ、筆者もそうです…)そこもきちんとお話しを伺っておきました!

定期的に流水で洗おう!

TEGARUも他のクーラーの例外ではなく、ほこりに弱いです。ファンの回転が落ちると、冷却能力が下がります。
また、汚れが配管内にたまってしまうのも機能を低下させてしまいます。
定期的に、流水を管に流して、溜まった汚れを流しましょう。

水洗いでOKならメンテナンスは手軽に行えそうですね。水換えの時にはTEGARUも洗う!と決めておけば忘れずにササッと済ませられそうです。

困ったらオーバーホールもしています

それでも調子が悪くなっちゃったらどうしよう…でも大丈夫です!とても心強いお言葉をいただいてきました。

ゼンスイはアフターフォローに力を入れています。TEGARUももちろんオーバーホールを行えます。
調子が悪くなったり故障かな?と思ったら、オーバーホールに出すのも良いです。

こういうの嬉しいですよね。オーバーホールしてもらえばまた正常に稼働してくれるなら、それが一番ですから。

比較的気温の安定した春秋にオーバーホールをお願いすると安心して使い続けられそうです。

大容量なTEGARUも鋭意開発中です!

これはビッグニュースですね!

TEGARUを愛用するアクアリストから熱いリクエストが届きそうな「大容量向けTEGARU」も開発が進んでいます。

期待して完成を待ちましょう!

まとめ:TEGARUを上手に導入して手軽にアクアリウムを楽しみましょう!

小さくまとまっている上に、機能上も電気代もメンテナンスにも魅力のある『TEGARU』について開発に関わったお二方の説明を交えながらご紹介しました。

この記事がきっかけに、「海水水槽にもチャレンジしようかな…」と思うかたや、さらに水槽増やしてもいけそう!など、アクアリウムへのしきいが低くなれば嬉しいです!

癒しのアクアリウムを存分に楽しんでくださいね。