浮力が強い有茎草やマツモなどの浮遊性の水草をレイアウトしたい時は、水草に重りを取り付けると良いでしょう。
水草の重りには、リングやポット状の物を取り付けて底砂に埋め込むタイプや、巻き付けて沈めるタイプがあり、いずれも手軽に固定が可能です。また、専用の商品を使用せずとも、大きめのリングろ材や格子状のシェルターなどを用いることでも代用できます。
水草の重りを使用する際は、茎などを傷付けないよう注意してください。あまり強く圧迫すると、その箇所の組織が壊死して腐り、水質が悪化するとともに水草の上部が浮かび上がってしまいます。
ここでは、水草の重りの使用法や使用上の注意点に加え、おすすめの商品などをご紹介します。
水草の重りとは
水草を簡単にレイアウトできるアイテム!
浮力が強い有茎草やマツモなどの根を張らないタイプの水草を、固定・レイアウトしたい時に使用すると便利なアイテムです。水草の下端に取り付けて底床材に埋め込むタイプの物や、巻き付けて使用するものなどがあります。
水草用おもりの使い方
基本的には、水草の下端に重りを取り付けて沈めるだけです。
埋め込みタイプは、プラスチック製のリング状やセラミックス製のポット状をしており、その材質から巻き付けて使用するロールタイプよりも劣化しにくく、植え直しも容易です。
巻き付けるタイプは、水草を保護するために内側がスポンジになっていたり、柔らかい素材でできていて、巻くための長さと重さの調節がしやすい特徴があります。
使用上の注意点
いずれのタイプを使用する場合も水草に取り付ける際に、茎などを傷付けないよう注意してください。茎を潰したり傷付けてしまうと、そこから腐って断裂し、上の方が浮いて来ることがあります。
また、底砂を掘り起こす性質を持つ魚種が居る場合や強い水流が発生している環境だと、十分な効果を発揮できないことがある点も留意しておいてください。
ちなみに、マツモやカボンバなどの有茎草をネット通販などで購入した時は、鉛板で固定された状態で届くことがあります。この鉛板は重りとしても使用できますが、付けたまま水槽に導入することはおすすめできません。
なぜなら、鉛板で固定されていた箇所の組織が圧迫されたことにより死んでいると、そこから腐って水質の悪化や水草の衰弱を招くからです。そして、水草の固定に使用される鉛板は腐食が速く、重りとして長持ちしません。
そのため、鉛板は外して水草の状態をよく確認し、重りとして生産された物を取り付けた方が良いでしょう。また、鉛が溶けだすことで生体に害を及ぼすとも言われていますが、鉛に対する感受性は生体の種類によっても異なり、長期的に見ても悪影響が出ないこともあります。
しかし、デトリタス食性を持つドジョウなどは奇形の出現率が上昇するという報告もあるため、そのような生体を飼育している方は鉛製品の水槽中での使用は避けた方が無難です。
おすすめの水草用重り
水作 水草の安心おもり
セラミックス製の小さなポット状の重りです。付属のフィルターで水草の茎を包んでセラミックスのポットに取り付け、底床材に埋め込んで使用します。生体に無害なセラミックスを使用しているので安心して導入できます。
スドー 水草のソフトおもり
水草の下端に巻き付けて使用するロールタイプの重りです。鉛板とウレタンで構成されており、任意の長さにハサミで切り、ウレタンの側を水草に巻き付けて使用します。ウレタンはあまり耐久性に優れないため、定期的な交換が必要です。
水草用重りとして代用できるアイテム
ろ材リング
水草を傷付けずに保持し、浮かないようにできれば良いので、重りは専用の商品を使用せずとも代用が可能です。代用できるアイテムとして代表的な物がろ材リングで、リングの輪に水草を通して隙間をスポンジなどで埋めれば重りの代わりとして使用できます。
しかし、ろ材リングが小さいと、水草の種類と大きさ、本数によっては重りとして機能しないことは留意してください。
ろ材を最初から水草の重りとして使用したレイアウト用品も市販されており、リングろ材の「ライフマルチ」や「マルチリング」に水草を差し込み固定した商品が有名です。
ろ材は最初から水中で使用する目的で生産されているので、有害物質の溶出による水質への悪影響の心配がなく、バクテリアの住処となるため水質の安定にわずかではありますが貢献してくれます。
スドー 多目的シェルター mini
魚などのシェルターも、形状によっては水草の重りとして代用できます。
同商品は枠だけの立方体なので、マツモなどの有茎草を入れて隙間をスポンジなどで埋めれば、重りとして機能して水草をレイアウトすることが可能です。素焼きのシュエルターなので水質への影響もほとんどなく、水槽内の情景にもマッチします。
まとめ:簡単に使える水草の重り!巻いたまま入れる!マツモなどを手軽に固定しよう
浮力が強い有茎草やマツモなどの根を出さない種類をレイアウトしたい時は、水草の重りを用いると便利です。重りは専用の物を使用しなくても、リングろ材や格子状のシェルターでも代用できます。
マツモなどの根張りしない種類をレイアウトしたい場合は、素焼きのシェルターなどを重り代わりにした方が、水槽内の情景を損ねないケースもあります。
また、重りを取り付けても底砂を掘る生体が居ると効果が得られない場合もあるので、ご自身の水槽環境を考慮して使い分けると良いでしょう。
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