観賞魚の流通経路は1つではなく、あらゆる方法で皆さまの手元まで運ばれています。
海外からやってくる観賞魚もいれば、国内で養殖または、採取される観賞魚もたくさんいるのです。
また、流通経路の確保には、問屋と呼ばれる観賞魚の輸入業者が入ることが一般的でしたが、ここ最近は熱帯魚専門店が直接輸入する、いわゆる直輸入というのも流行りつつあります。
では、問屋経由の仕入れルートと、直輸入での仕入れルート、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、日本のアクアリストの手元に届くまでの観賞魚の流通経路について解説いたします。
観賞魚の流通経路
- 問屋経路
- 問屋非経路
- 個人売買
問屋経路の特徴
一般的な流通経路は、問屋を介して行われます。
多くの熱帯魚や水草、海水魚からサンゴまでは、海外から輸入されてきます。
ストックヤードの生体リストを、シッパーは各取引先に送ります。
その中には日本の問屋も含まれています。
ストックリストを確認した問屋は、その中から希望の生体をシッパーへ注文することで、日本の問屋に届きます。
※シッパーではなく、仲買人と呼ばれる方を挟む場合もあります。
問屋は届いたすべての個体を見極め、卸すことのできる生体をリスト化し、熱帯魚専門店へリストを送ります。
熱帯魚専門店は問屋からのリストを確認し、希望の生体を注文するという流れです。
さらに、天然個体と養殖個体で違いがあるので、この点も解説いたします。
天然個体の場合
自然の海から採取された生体は、採取人からシッパーと呼ばれる方が購入をし、海外のストックヤードで管理されます。
養殖個体の場合
養殖個体の場合、海外の養殖フォームに日本の問屋がオーダーして仕入れるという流通経路となります。
なお、日本の養殖ファームもありますが、ほとんどが水草主体の組織培養水草ファームか、日本淡水魚の養殖ファームです。
日本のファームも問屋経由が主ですが、条件を満たせば熱帯魚専門店でも購入することができる場所もあります。
では、問屋を介するメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
メリット
デメリット
問屋非経路の特徴
問屋非経路とは、いわゆる熱帯魚専門店が直接引っ張る、直輸入と呼ばれる方法です。
一昔前までは、直輸入は状態が悪く怪しい印象でした。
しかし最近では、直輸入の悪いイメージを払拭するために、日本の熱帯魚専門店が海外にストックヤードを作り、しっかりしたろ過設備で水槽管理をしている所は状態が良いと評判です。
問屋の中でも、海外のストックヤードで水槽管理の方法を指導しているところもあるのですが、自社で水槽管理までしているところは殆ど無いため、しっかり管理して直輸入できることはこれから益々伸びていくものと思われます。
直輸入のメリット、デメリットを解説いたします。
メリット
デメリット
適当になんでも良いから送って欲しいなど、企業努力をしていない所からの直輸入は危険です。
状態が悪いことや、販売名と実際の種類が異なることもあります。
海外からのリストは学名記述主体、そして英語でのやり取りが多く、依頼側が経験を積んだ判断をしないと間違った生体が送られてくることのよくある話です。
最後に個人売買について解説いたします。
個人売買について
ここでの個人売買とは、主に国内で行われていることを指します。
ブリーダーと呼ばれるブリーディング業者が、自宅や倉庫の1室などで繁殖をさせて問屋や熱帯魚ショップ、またはヤフオクなどに販売しています。
個人売買のメリット・デメリットについて解説いたします。
メリット
デメリット
まとめ:観賞魚が流通する仕組みとは!熱帯魚や海水魚、国内の養殖についてを解説
熱帯魚、海水魚を含めた観賞魚の流通経路について解説しました。
最近では、インターネットの発展に伴い様々な流通経路が拡大され、みなさまの選べる幅も広がりました。
しかし、正しい知識と情報がなければ希望していた個体を手に入れることができなく、残念な結果になってしまうことがあるのも事実です。
自信のない方は、熱帯魚専門店から購入していただくことが望ましいと言えます。
アクアリウムを楽しむために、今泳いでいる観賞魚の流通ストーリを知ることで、さらなる愛着が沸くはずです。
観賞魚の流通経路を知って、さらにアクアリウムを楽しんでいきましょう!
熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
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