今まで生き物を育てた経験がなくこれからアクアリウムを始めようと思っている人は、基本的な知識が不足していることが多いです。一体何をどうすればいいのか、何から始めればよいのかわからないという人がほとんどでしょう。
アクアリウムは手軽に始められるとはいえ、必要な道具は水槽だけでなくヒーターやろ過機材などがありますし、運用もただ機械を回して餌を与えるだけでは終わりません。
今回は、これからアクアリウムを始めようという人向けに、アクアリウム水槽の作り方や水槽の設置・運用方法についてお話ししていきたいと思います。
アクアリウムの基礎知識
まず最初にアクアリウムの基本的知識についてですが、そもそもアクアリウムというものがどのようなものかしっかりと理解して始める人は少ないです。アクアリウムウとは水槽や瓶などの容器を使用して水棲生物や水草などを育て鑑賞することを言います。
アクアリウムで魚などの水棲生物や水草を育てるときには、餌の食べ残しやフンなどを処理してくれるバクテリアの存在が重要になってきます。
バクテリアについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
生き物の飼育経験がない人の場合、一度水槽に水を入れればそれでOK!と思っている人もいるよですが、適度な水換えは必須。なぜなら魚のフンや餌の食べ残しなどが原因で水が汚れてしまい、水質が悪くなることで魚が病気になってしまったり、水草が枯れるなどといった現象が起こってしまうからです。
水換えをするときは基本的に容器内の全ての水を交換するのではなく、全体の3分の1くらいの量を交換します。ただし病気が発生してしまったり、水の汚れ具合がひどい場合は全ての水を変える必要があることも。
水換えについてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
アクアリウムの作り方!準備編
アクアリウムを始めるときに、生き物を先に購入したり、生き物と必要な機材を同時に購入する人は多いですが、基本的に水槽や必要な機材を購入し水槽内の水質を安定させてから生き物を水槽に入れます。
水槽や設備を用意!
水槽は自宅の飼育スペースを考えるだけでなく、飼育しようと思っている生き物や水草のサイズ・数に見合ったものを選びましょう。またデザイン性がよくてもメンテナンスが面倒というケースもあるので、ネットなどのレビューや口コミなども参考に、初心者でも手入れしやすいタイプのものがおすすめです。
また値段だけで選ぶと失敗しやすいので、しっかりと自分がどんな水槽を作りたいのかイメージを固めてから選ぶようにします。
熱帯魚や水草飼育では水槽用のろ過機材や照明も必要なアイテムですが、バラバラに選ぶとなると手間がかかりますし、異なるサイズのものを選んでしまったりと失敗することも多いので、一式セットになった飼育セット水槽の購入をおすすめします。
メンテナンス用具も準備しよう
後からでもいいやと思われがちな水槽のメンテナンス用品も、水槽や設備を用意するときに一緒に用意しておくことで、急にメンテナンスが必要になったときに慌てることがありません。
水換え時に使用するバケツ、意外に収納スペースに困るという人がいますが、アウトドアや園芸用の折り畳み式バケツなら収納スペースを取りませんよ。
またガラス面などのコケや汚れ取りには100円ショップでも購入可能な、メラミンスポンジが活躍してくれます。
この他にも魚をすくうための網や水槽のサイズやレイアウトなどにもよりますが、底砂掃除用のプロホースなどもあるとメンテナンスが楽になります。
アクアリウム用品の購入やメンテナンスなどについては、こちらの記事で詳しく解説してますよ!
水槽設置編
水槽やガラス容器などは単体ではそれほど重くなくても、実際に底砂や水・生き物を入れ照明やろ過機などをセットするとかなり重くなります。また日光の当たる場所などに設置するとコケが生えやすくなるということもあるので、置き場所に気を付けなければなりません。
水平な場所に設置しよう
水槽はフレームで全体を支えているのではなく、底面全体で重さを支える構造になっています。そのため斜めになっている場所に設置したり、凸凹になっている場所に設置すると水槽に対する負荷が大きくなり水槽の劣化が早まる原因になってしまうので、水槽は必ず水平な場所、できれば専用の水槽台に設置するのが望ましいです。
水槽の設置に関しては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
魚は設置当日に入れてはいけない!
水槽を設置して水をいれすぐに生き物を入れてしまう人がいますが、これはおすすめできません。水槽に水を入れた直後はまだ水槽内で生き物を飼育する環境ができておらず、餌の食べ残しなどを分解するバクテリアも存在していないため水質が安定していないのです。
水槽を設置して水を入れたら、フィルターを設置してアカヒレなどのパイロットフィッシュを入れた状態で1週間水を回しておきます。こうすることでフィルターなどの機材の初期不良を発見しやすくなり、水槽内にバクテリアが発生し飼育環境を整えることができます。
水草は下処理をしてから植え付けよう
<水草を植えるときは必ず下処理を行いましょう。ショップで販売されている水草の中には農薬を使用して育てているものがあり、水草に付着した残留農薬が原因でエビなどが死んでしまうことも。
また小さなスネールやスネ―ルの卵などが付着していることもあり、水槽内に害虫を入れないためにも手間にはなりますが目視チェックなどもしっかりと行う必要があります。
残留農薬に関してはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
水槽運用編
水槽内の水質が安定し、飼育する生き物を水槽に入れて終わりではありません。ここからが本番で、水槽の水をしっかりと立ち上げて運用をしっかりと行うことで、生き物の長期飼育をしやすくなります。
立ち上がるまではこまめに水換え
バクテリアが有害な物質を分解し、生き物にとって最適な環境を作ることのできる「硝化サイクル」が完成することを「水槽が立ち上がる」と言います。
水槽の立ち上げは一般的に約3~4週間ほどかかりますがこの間は2~3日に1度、全体の3分の1~3分の2程度の水量で水換えを行いましょう。
換水する量に関しては水槽内のアンモニアや亜硝酸塩の濃度によって都度変えていきます。アンモニアなどは目で見ることができないため、専用の水質チェッカーを使って計測しましょう。
換水量が多いと急な水質悪化で生き物がpHショックを起こしてしまうことがあるので注意!
pHショックについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ!
適切なメンテナンスできれいに維持しよう
水槽が立ち上がっても週に1度は、水槽内の餌の食べ残しやゴミ取り、コケ取りといった掃除や機材のメンテナンスなどを行ないましょう。水槽内の汚れがそれほどひどくなく、水質が安定している状態がつづいているのであれば、メンテナンスのペースを2週間に1度にするなど間隔を伸ばしても構いません。
水槽メンテナンスについてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
まとめ:アクアリウムの作り方!初心者がはじめに覚えたい水槽の基礎知識・運用方法
アクアリウムを始めるときに飼育する生き物の生態や特徴などをしっかりと理解しておくのはもちろんですが、アクアリウムで使用する水槽やろ過機などの機材について、また水槽の立ち上げやメンテナンスについてなど知っておくべきことはたくさんあります。
必要な機材などについても今は情報量が多く書籍やネットなどで調べれば簡単に手に入りますし、ショップで店員さんに聞くこともできます。身近なところに飼育している人がいれば、その人からもお話しを聞いて参考にすることもできますし、何かあれば相談することもできますよね。
何もわからない状態で始めてしまい、間違った飼育方法などで生き物をすぐに死なせることは避けたいもの。トロピカではアクアリウム初心者向けの水槽設置やメンテナンスの記事も豊富に掲載しているので、お時間のあるときにトロピカの記事をチェックしてみてくださいね!
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