魚を飼いたい!と思って調べると、まず出てくるのが「カルキ抜き」という言葉ですね。
水道水にはカルキという殺菌成分が入っていますが、カルキ抜きしなかったらどうなるのでしょうか??
また、カルキ抜き剤を使うこと、使わないこと、それぞれどんなメリットがあるでしょうか。
今回はカルキ抜きに焦点を当てて解説していきます!
目次
飼育水をカルキ抜きしなかったらどうなる!?
カルキを抜くのは当たり前!というように書いてあることも多いですが、じゃあカルキを抜かなかったらどうなるの?と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
カルキを抜かなかったらどんな影響があるのでしょうか?
バクテリアが死んでしまう
水道水は安全に使用できるように、「カルキ」という成分が含まれています。カルキとは塩素のことで、殺菌力があるのです。人間の飲み水ともなるものですから、雑菌が残っていたら大変ですからね。
カルキは有害な雑菌だけでなく、水槽内のバクテリアも殺してしまいます。
水槽内のバクテリアは、飼育している生体の排泄物に含まれるアンモニアなどを無毒化してくれるとても大切な存在、そのバクテリアが死んでしまったら…水槽内のろ過パワーが落ちて水質はどんどん悪くなります。
そうなると当然、生体が衰弱します。水質悪化により悪臭も発生します。また、すべてのバクテリアが死滅した結果、そのあと混入した病気を引き起こす雑菌…エロモナスやカラムナリスの原因菌が繁殖、魚が病気になる可能性も高まります。
水槽内のバクテリアはとても大切な存在であることを覚えておいてください!
注意していたのに水質が悪化してしまい、もうどうしていいかわからない…という場合は、水質調整剤を使用するのも良いでしょう。
水道水のカルキで魚は即死しないが危険
水道水のカルキは微妙なので、魚をすぐに死なせるほどの毒性はありません。
私たち人間は体が大きいのであまり影響を受けませんが、魚たちにとっては危険性が大きくなります。衰弱する可能性もありますので、やはりカルキは抜いた方が良いでしょう。
カルキ抜きの方法は動画でも解説しています
カルキ抜きの抜き方については動画でも解説しています!
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カルキ抜き剤は魚に悪い?入れすぎが良くない理由
そうか、カルキは抜いた方がいい!と思うと、ついカルキ抜きをたくさん使いたくなりますね。でも、使いすぎて悪影響はないのでしょうか?
カルキ抜きの成分が水中に残る
カルキ抜き剤の量が適正であれば、水道水のカルキをきちんと抜くことができます。
ですがカルキ抜き剤が多すぎると、成分が水中に残ることになってしまいます。カルキ抜き剤の成分は「チオ硫酸ナトリウム」と言い、塩素の数に応じて消費(変換)されます。
もし、塩素の数に対してチオ硫酸ナトリウムが多すぎると水中に残り、水を酸性に傾けます。それだけでなく、長期間カルキ抜き剤を必要以上に使いすぎると、魚に悪影響が出ます。
具体的には下痢やピンホールの原因になるといわれていますので、規定量を守って使いましょう。
こういったアイテムがあると、カルキ抜き剤を正確に計り取ることができますね。
それでも本当にカルキが抜けたか、不安になることもあると思います。そういった時は残留塩素テスターを使うと安心ですね。
粘膜保護剤入りは入れすぎ厳禁
カルキ抜きの中には、粘膜保護剤入りのものもあります。
粘膜保護剤は水の粘性を高めるため、入れすぎに注意してください。
水の粘性が高くなりすぎると、水面に泡がたまりやすくなります。気温の高い時期に特に発生しやすいので使いすぎないようにしましょう。
カルキ抜き剤の使用・不使用のメリット
アクアリストの中には「カルキ抜き剤は使わない方がいい」という人もいます。
使った場合、使わない場合、それぞれどんなメリットがあるのでしょうか。
カルキ抜き剤を使うメリット
カルキ抜き剤は、使ってわずか5分でカルキを消去する力があります。
思いついたときにすぐに作業が開始できますし、水にゴミが混入するリスクも抑えられます。
ちなみに筆者は思い立ったらその時にすぐ!やりたい性格なので、カルキ抜き剤にはいつも助けられています。
アクアリウムの管理に費やせる時間があまりとれない、という場合にもカルキ抜き剤を使った方が時短になります。
また、大きな水槽の水を換えたい場合、たくさんの水を用意する必要がありますので、さっとカルキが抜けるのはとても大きなメリットです。
カルキ抜き剤を使わないメリット
カルキ抜き剤を使わないメリットは「チオ硫酸ナトリウムが水に残留することがない」ということです。
特に水質変化に敏感なエビなどの生体飼育をしている人にとってはメリットがあります。
ただしカルキ抜き剤を使わない場合は、水を日光に数時間当てる必要があります。その間にゴミが混入する可能性はありますし、大量の水を日光に当てるとなるとそれなりの容器、スペースが必要です。
基本的なカルキ抜きの方法、どのくらいの時間が必要なのか、などについては下のリンクを参照なさってください!
また、水質をできるだけ悪化させたくない、きれいな水で飼育したいという方は浄水器を使うというのも一つの方法です。
まとめ:カルキ抜きしないとどうなるの?!魚が死んじゃうの?!影響を考えます!
水道水のカルキ抜き剤を使うメリット、使わないメリットについて解説しました。
お持ちの水槽のサイズ、飼育している生体などによってどちらがより良いか、お好みの方法をお使いください!

水槽のプロ トロピカライターの高井です。
遺伝子学が専門分野で、高校の理科教師として、日々、生徒たちに自然の偉大さを教えています。
アクアリウム全般が好きで、現在はアベニーパファーのトリコ。
ピンセットでアベニーにアカムシを食べさせるのが日々の癒しです。
コメント
カルキを抜かないと金魚のエラ組織が破壊されて死ぬと聞きますが、その場合窒息死するんですか?ウチで飼っていた金魚もカルキを抜かなかったため死んでしまいましたが、カルキを抜いていない水に変えてから3時間ほどしてもかろうじて生きていて、窒息死するには時間が長いと思ったので質問させていただきます。
カルキ抜きをせずに投入した経験がないので正確にはお答えできませんが、一気に呼吸ができないほどに破壊されるわけではないと思います。
その場合は3時間かけてエラの機能に障害が出たのかもしれません。