観賞魚が泳ぐ水槽を眺めていると、小さな卵を見つけることがあります。
予期せぬ事態にどうしたら良いかわからない、という人も少なくありません。
この場合の選択肢は2つです。
- 育てる
- 見守る
育てる場合は、稚魚用の飼育器具が必要ですし見守るのであれば、親に食べられるなどのリスクがあるため、悩んでしまうのも無理はありません。
そこで、今回は観賞魚の卵を育てる・見守るなど、ケースごとの方法と注意点を解説します。
飼育している魚が卵を産んだら!
飼育している魚が卵を産んだら重大な選択を迫られます。
それは、「育てる」か「見守る」のどちらかです。
どちらもメリット・デメリットがあるので、飼育スタイルに合わせて最適な選択をする必要があります。
卵を見守る場合
卵を見守るという選択は一見、育児放棄のように聞こえますがそんなことはありません。
無理をして育てても飼育者の負担が大きくなり、飼いきれなくなってしまうこともあります。それに、あえて手を加えないことで、数は少ないものの健康的に育つ場合も。
もし、育てるか見守るかで悩むようであれば、飼育スペースや手間を考慮して、手を出さないのも1つの手です。
触らずに普段通りメンテナンスをする
見守る場合は触らずに普段通りのメンテナンスを心がけましょう。
卵に気をつかって水換えの頻度を増やしたり水流を変えたりしても、かえって卵にダメージを与えてしまうかもしれません。
見守ると割り切って普段通りの方法と頻度でメンテナンスすることをおすすめします。ただし、汚れが舞い上がるような掃除方法は卵にカビが発生しやすくなるため、控えましょう。
カビが生え死卵が増えると、水質の悪化につながります。
あえて手を加えないメリット
あえて手を加えないことによるメリットもあります。
過保護に育てると、奇形個体が増える恐れもあるため、あまりおすすめしません。
稚魚を隔離して丁寧に世話をすると、普通だったら淘汰される奇形や弱い個体も生き残ります。そのような個体が繁殖に参加すると、次の世代も状態の良くない個体が生まれることもあるでしょう。
残酷なようですが、健康に育てるためには、たくさん卵を産む魚は選別が必要です。
また、育てる場合だと、稚魚用の飼育スペースや餌、飼育器具が必要です。時間と手間とお金がかかるため、無理をすると飼育者が苦しい思いをしてしまいます。
卵を自身で育てる場合
卵を自分で育てる場合は卵や稚魚の世話をする必要があります。
孵化するまで水質をきれいに保ったり親に食べられないよう隔離したりと、やることは多いです。それに、孵化した稚魚用の飼育器具もそろえなければなりません。
飼育者の負担は確実に増しますが、成長していく姿を間近で観察できる、といった嬉しいこともあります。
必要な器具を揃えよう
卵を育てる場合は、生まれてくる稚魚のための器具が必要です。
具体的には、下記の通りです。
- 稚魚用の水槽
- スポンジフィルター
- 稚魚用の餌
- ヒーター
体の小さな稚魚は親や混泳している魚に食べられてしまうため、別の水槽で飼育する必要があります。
その際、普通のフィルターでは吸い込まれてしまう危険があるので、スポンジフィルターを用意しましょう。
また、底面式フィルターもおすすめです。
餌は稚魚のサイズに合わせて、ブラインシュリンプやゾウリムシといった生き餌、人工飼料を使い分けることが重要です。
また、季節や魚種によってはヒーターで加温する必要があります。
親魚から隔離が基本
卵は親魚をはじめ、成体や混泳魚から隔離するのが基本です。
そのままでは、食べられてしまいます。
隔離する方法は、2つあります。
- 親と同じ水槽内で隔離する
- 別の飼育容器に分けて隔離する
同じ水槽内で隔離する場合は専用のプラスチックケースやネットを水槽に浮かべ、そこに隔離します。
別の飼育容器を用意したり水質を合わせたりといった手間はかかりませんが、少し狭いので卵の数が多いと向きません。また、何かの拍子に成体が入ったり沈んでしまうリスクもあります。
一方、別の飼育容器に隔離すると、食べられる心配はないものの、飼育スペースの確保や水質・水温の管理を個別にする必要があります。ヒーターがいる時期であればランニングコストも考慮しましょう。
未受精卵は取り除く
卵を親から隔離して、未受精卵を見つけたときは取り除きましょう。
未受精卵はしばらくすると、白く濁ったりカビが生えたりするので見分けがつきます。放っておくとカビが受精卵にまで侵食して、孵化しなくなってしまうことも。
また、受精卵であっても、途中で死卵になってカビが生える可能性があるので、見つけ次第取り除くようにしましょう。
清潔な水流を心掛ける
孵化には水流の刺激が欠かせないため、清潔な水流をあてることを心掛けます。
そのためにはもちろん、水質をきれいに保つ必要があり、定期的な水換えが必要です。そのうえで、ろ過フィルターやエアレーションで間接的にやさしく水流を当てるようにしましょう。
ただし、あまりに勢いがあると卵が舞って傷付いてしまうことがあるため、適度に調整する必要があります。これは、メダカなどでも同じです。
孵化したら大切に育てよう!
孵化したら最後まで大切に育てましょう。
条件が整っていればものすごい勢いで殖えることも珍しくありません。メダカに関しては毎日産卵することもあり、あっという間に手に負えなくなることもあります。
また、増えたからといって、自然の川や池に放してはいけません。条件が合って定着してしまうと、その場にいる在来種と競合してしまう可能性があります。
最悪の場合、生態系を崩してしまう危険もあるため、絶対にやめましょう。無理に増やし過ぎることはせず、キャパシティを守った繁殖をおすすめします。
まとめ:観賞魚の卵を見つけたら!育てる・見守るなどケースごとの方法と注意点!
観賞魚の卵を見つけたら、
- 卵や稚魚の飼育・管理ができるか
- 個別に飼育スペースや容器を用意できるか
- 最後まで責任を持って飼育できるか
これらの、ポイントを考慮して育てるか見守るか決めましょう。
現状のペースを優先して見守っても良いですし、本格的に繁殖に挑戦しても良いです。無理のない範囲で楽しく魚と触れ合ってみてください。
トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
金魚が生まれて、2年ぐらいたち、すくすく成長している‼️
コメントありがとうございます。
2年目の金魚はとっても食いしん坊で元気いっぱいです!
魚たちの成長を見と、こちらまで嬉しくなりますよね。
とても良い説明しているのですぐわかりました
ありがとうございました