皆さんは「光る海の生き物」と聞くと、どんな生き物を想像しますか?
波打ち際で青白く光るウミホタルや水族館で人気のクラゲなどが有名ですが、実は食べると美味しいホタルイカも、その名の通りホタルのように発光する生き物なんです!
今回はそんな光る海の生き物特集ということで、5種類の生き物たちをご紹介していきます。
夜空の星を眺めるのも素敵ですが、たまには海の生き物の幻想的な光に癒されてみるのはいかがでしょうか?
幻想的!光る海の生き物たち
それでは、光る海の生き物特集ということで今回は
- ウミホタル
- ヒオドシエビ
- ホタルイカ
- 夜光虫
- クラゲ類
こちらの5種類の生き物たちをご紹介していきます!
ウミホタル
ウミホタルは日本固有種の甲殻類の仲間で、海底が砂地・淡水の流入の少ない海であれば日本の広範囲で見られる生き物です。
外部から刺激を受けると発光成分(ルシフェリンとルシフェラーゼ)を吐き出し、海水と反応して青白く光ることが知られています。
大きさは生息地によって差がありますが、平均して3mm程度とかなり小さいです。
日中は海底の砂に身を隠し、夜になるとエサのゴカイや小魚を求めて活発に動き回ります。
ヒオドシエビ
ヒオドシエビは全長8cm程度のエビの仲間で、水深900~1800mの深海に生息しています。
真っ赤な色をしたエビなのですが、こちらはエビの体自体が発光するわけではありません。
敵に襲われた際に青く発光する物質を噴射して、相手が錯乱したすきに逃げるという特技を持っているのです。
ちなみにこの発光物質がどのような成分で作られているのかは、まだよくわかってないようです。
水深1000mより深い場所では太陽の光が届かず日中でも真っ暗なので、ヒオドシエビの噴射する発光物質はとても目立ちますし、相手もかなり驚きそうですよね!
ホタルイカ
食べるととても美味しいホタルイカも、その名の通りホタルのように発光します。
ホタルイカが発光する仕組みもウミホタルと同様に、発光成分によるものだと考えられています。
外敵から逃げる際には腕の発光器を、大きな目玉の位置を敵に知られたくないときには眼の発光器を、昼間や月明かりの眩しい日には影を消すために皮膚の発光器をそれぞれ光らせて、捕食者から身を守っているのです。
また、ホタルイカはイカの中で唯一色覚をもっていると考えられています。
発光する際には青・水色・緑の3種類の光を使い分けて、仲間とコミュニケーションを取っているのではないかと推測されているようです。
夜光虫
漁業を悩ませる要因のひとつである赤潮ですが、これは渦鞭毛虫(うずべんもうちゅう)という海洋性プランクトンの大量発生が原因です。
夜光虫の正体が、実はこの渦鞭毛虫。
夜間になると他の光る生き物のように発光物質を放ち、暗い海の中で青白く光ります。
夜光虫が光るのはエサのプランクトンや小魚を光で呼び寄せているということと、外敵を撃退するためという2つの理由が考えられているようです。
クラゲ類
水族館で人気のクラゲにも、光る種類が存在します。
アミガサクラゲやカブトクラゲ、オワンクラゲなどが有名ですね。
この中だとオワンクラゲ以外は、傘の内側にある櫛板(くしいた)と呼ばれる部分が光を反射することで、発光しているように見えます。
オワンクラゲはちょっと特殊で、傘の縁の部分に発光するタンパク質をもつことで青白く発光しているようです。
これらのクラゲが光を反射したり発光する理由はまだよくわかっていませんが、とにかくクラゲはとても癒される、幻想的な生き物であることは間違いありません。
自宅でも飼育が可能なのか
神秘的な光る海の生き物ですが、実はウミホタルやクラゲであれば飼育ができないこともありません。
適切な飼育方法をご紹介しますので、興味がある方はしっかりチェックしておきましょう!
ウミホタルは飼育できる
先ほどご紹介したように、ウミホタルは全長3mm程度の非常に小さな生き物です。
上部フィルターやオーバーフロー式の水槽だと生体が吸い込まれてしまいますので、底面フィルターを使用しましょう。
ウミホタルは砂の中に潜る習性があるため、底砂は細目のサンゴ砂がおすすめです。
ニッソーのバイオフィルターであれば底砂がフィルター内に入りづらい設計になっているため、底砂やウミホタルの吸い込みを防ぐことができます。
水温は20℃前後をキープできるように調節をしましょう。
淡水では生きられないため、必ず人工海水を用意します。
生息地ではゴカイや小魚を捕食していますが、飼育下のウミホタルは割と何でも食べるようです。
刺し身や赤虫などはもちろん、ハムやちくわなどの加工品も好んで食べます。
ただしナマモノは水質が悪化しやすいので、与えすぎには注意しましょう。
夜間に飼育水をかき混ぜたりすると、その刺激に反応して青く光ります。
飼育自体は容易ですが日中は砂に潜っているので、海で入手するのはちょっと難しそうです。
採取したウミホタルを販売しているお店がありますので、確実に手に入れたい場合はそういったお店を頼るのも一つの方法ですね。
クラゲ飼育は難易度が高い!
クラゲの飼育は、ウミホタルと比べるとグンと難易度が上がります。
特に光ったりする種類はかなり難しいですね。
クラゲ飼育が困難な理由として挙げられるのが、
- エサとなるプランクトンの給餌が大変
- クラゲにとって負担とならない水流を作るのが難しい
- 飼育にかかる手間の割に寿命が短い(1年未満)
といった点です。
特に水流は弱すぎても漂えず体力を消耗しやすいですし、強いとクラゲ同士がぶつかったり、傘が裂けてしまうことがあるのです。
飼育下では常に一定方向に循環する適度な水流が必要ですので、そういった条件が考慮されたクラゲ専用の水槽で飼育してみるのが得策と言えます。
飼育している人がまったくいないというわけではありませんが、クラゲを家庭で飼育するのは至難の業です。
夜の海は危険!採取にご注意
「光る海の生き物を観たい」「採取したい」という気持ちで安易に夜の海へ向かうのは大変危険です。
日によっては夜間に満潮を迎えることもありますので、必ず複数人で安全が確保されている場合にのみ行きましょう。
最近ではウミホタルやホタルイカが発光する様子を見学できる旅行プランがありますので、そういったものを利用するのもおすすめです。
安全が確保された場合でも、ライフジャケットやヘッドライトなどの装備は絶対に怠らないように!
まとめ:光る海の生き物5選!ウミホタル、夜光虫など幻想的な癒しの生き物たち!
今回は光る海の生き物特集ということで、5種類の生き物をご紹介してきました。
生き物が発光する様子はなんとなく儚げで、とても神秘的に見えますよね。
私も一生に一度は、海で光る生き物を見てみたいと思っています。
ウミホタルであれば割と簡単な仕掛けで捕まえることができるようなので、皆さんも機会があればウミホタルの飼育に挑戦してみてくださいね。
繰り返しになりますが、夜間に海へ出かける際は安全が確保された状態で向かいましょう!
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!