アクアリウム、素敵だなあ、うちにも1つ欲しいなぁ、でもなー誰が手入れするんだって怒られちゃうよなぁ。
こんなこと、誰しも考えたことがあるのではないでしょうか。
今回は「お手入れなしの水槽は可能なのかどうか」をプロが真剣に考えてみました。
結論としては完全にお手入れを無くすことはできませんが、工夫次第で手間を減らすことができます。
どんな設備が良いのかと、お手入れを減らすポイントを解説していきます。
お手入れしない水槽は実現可能かを動画で解説!
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水槽掃除は面倒?お手入れしない水槽は実現できるのかを音声付きで解説します。
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お手入れしない水槽はなぜできないの?
アクアリウムだけでなく、ペットの飼育には「お手入れ、お世話」が必須です。
そこがネックになってなかなか手が出ないと言うかたも多いのではないでしょうか。まずは、どうしてお手入れが必要なのか、最低限の手入れはどういったものなのかを知っておきましょう。
水槽のお手入れが必要な理由
水槽の中には生物がおり、生命活動を営んでいます。ですからどんどん状態が移り変わっていきます。主な移り変わりは以下のようなことです。
- 水草が伸びすぎる
- 水草が枯れる
- 生体からの排泄物が水の中に貯まる
- コケが生えて美観を損なう
- 水が蒸発して減少する
- フィルターにゴミがつまって機能が低下する
これらは、生物の営みによるものなので完全に止めることはできません。放置すれば悪化する一方なので、上記のポイントを抑えつつ、一定の状態を保つことを目標に、お手入れをしましょう。
機材には必ずメンテナンスが必要
特にメンテナンスが必要なのは「水槽用の機材」です。
機材は使っているうちに劣化したり、ゴミがたまったりしますね。購入時が理想のスタイルなので、そのスタイルを維持すべく、メンテナンスが必要なのです。
具体的には
- 切れた電球の交換
- フィルターの掃除、交換
- 水槽用ヒーターの動作保証期間内の交換
などです。特にヒーターの動作保証期間は短いため、定期的に交換が必要なんだ、と覚えておきましょう。ヒーターが壊れたら水槽の水は冷え切ってしまいます!
なるべく!お手入れしない水槽設計を考えてみた
上の項でご説明した通り、完全に手入れをしない!というのは不可能です。
ですが、プロが考え抜いた「このようなセッティングをすれば、お手入れを最低限にできる」というアクアリウムの考え方をご紹介します!
飼育水槽は球体が良い?!
飼育水槽は、ここでは球体が良いとします。
球体の水槽は、イタリアでは規制の対象にまでなっていますが、チョイスする理由があります。
- 開口部が狭いため、水の蒸発が起こりにくい
- 水流によどみが生じない
といったことがらは、お手入れを減らすためには大切な要素です。
あまりに小さすぎると水が減りやすいのと、設置の手頃さも考えて、直径40cm程度であればサイズとしては充分と考えます。
こちらの水槽はのようなイメージですね。
とはいえ、球体の水槽はなかなか高級ですし、手に入れにくいので、現実的には「キューブ水槽」がおすすめです。キューブ水槽はまんべんなく水温を整えやすいです。
こちらの水槽であればフタもついていますので、水の過度な蒸発、魚の飛び出しを防止できます。フレームレスなので中がよく見え、美しい水槽です。
ただ、小型水槽は周囲の影響を受けやすいので、ちょっとした注意点があります。下のリンクでご確認お願いします。
照明とろ過装置は最低限
照明は、強くしすぎるとコケの繁茂の原因となるので、最低限にしましょう。
丸い容器であれば、サイズにもよりますが下のようなライトでOKです。
ろ過装置はお手入れを簡易化するために、「マットだけ交換すればOK」というような、シンプルなものがおすすめです。
球体水槽ならば投げ込み式フィルターを中央に設置するのが簡単です。上でご紹介したバイオーブもそのような造りです。
ツインタイプのスポンジフィルターのように、片方ずつ濯げばいいようなタイプも良いですがやや場所をとるのが難点です。
また、なるべくお手入れをしない水槽には後述しますが、空調(外気温)が一定でない場合は水槽用ヒーターや水槽用クーラーが必須です。
保温器具を使用する場合は、お手入れが増えてしまいますが外部フィルターを使用しましょう。
コケ対策に水草とヌマエビは必須
工夫してもどうしてもコケは生えてきてしまうので、コケを食べてくれる生体を入れましょう。オススメはヌマエビの仲間です。
代表的なヌマエビは、以下の2つです。
- ヤマトヌマエビ:硬いコケも食べてくれる。水草も食べてしまうことがあり、繁殖が難しい
- ミナミヌマエビ:繁殖が容易で柔らかいコケを好む。硬いコケを食べることはできない
など、それぞれのエビに長所と短所がありますので、ポイントを抑えて選びましょう。
筆者は個人的にミナミヌマエビのほうが扱いやすく可愛らしいと思っています。
水草は照明が暗めでも生育してくれ、成長がゆっくりな陰性水草がおすすめです。下のリンクにまとめられていますので、お好みの水草を探してください。
魚はできる限り少なくする
魚が多いほどフンなどで水が汚れやすく、手入れが必要になるので、できる限り少数で飼育しましょう。
手入れをさほど必要がなくなる目安は「魚の体長1cmあたり水2L」です。
魚が少なければ水質悪化によるトラブルを減らせます。
水温を一定にする
生体の健康を守る、水の過度な蒸発を保つために、水温を一定に保つことは大切です。
そのために、エアコンで常に一定の室温にするか、水槽用ヒーターと水槽用クーラーを用意します。
お手軽にと言いつつも、正直、これは費用が掛かります。必要な理由としては、水温を常に一定に保てば、病気などのトラブルを最小限に抑えることができるからです。
生体が病気になってしまっては、治療の手間や魚病薬の費用などがでてきます。予想できるトラブルを防ぐのも、お手入れを最小限に抑えるポイントです。
保温器具はどんなものを選べばいいの?と迷った時は、下のリンクを参考になさってください。
底砂はソイル一択だが、交換が必要
水槽の底にはソイルを使いましょう。その理由は水草を良く育てて、水質悪化のスピードを抑えるためです。水草がしっかり根を張ることで、水質を悪化させる成分(過剰な養分)を肥料として吸収してくれます。
また、ソイルには肥料があらかじめ配合されているタイプが多く、水草のために追肥を行う手間を省いてくれます。
こちらの商品は、水質の悪化を遅らせるために有害物質を吸着してくれる性質があります。また、ミネラル分も配合されているため、追肥の必要がさほどなく、おすすめです。
ただしソイルというのは、交換が必要な素材です。ソイルは非常に細かな粒子である黒土を人工的に焼き固めたものなので、徐々に砕けてしまうためです。
手入れを工夫すれば、長持ちさせることもできますので下のリンクを参考にしてください。
まとめ:お手入れなしの水槽をプロが考えてみた!水換え・掃除をしないことは可能?
できる限り手入れが最小で済むアクアリウムのポイントについて解説しました。
水量の蒸発を防ぎ、水温を維持し、エビを導入し、魚の数を少なくして、陰性水草をソイルに植える…こう書くと結構やることが多い気がしますが、アクアリウムとはそもそも少しずつ手を入れて完成させる趣味です。
バランスを保つことができれば驚くほど水質が安定しますので、ぜひチャレンジしてみませんか?
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