これまでアクアリウムでは水草やサンゴなどを育てるために、メタハラや蛍光灯といった照明器具が使われてきました。近年になってLED照明が登場し、育てる生き物によって照明の使い分けをしている人は多いです。
しかし「システムLED」なら、タイマーや調光機能がセットされているので、別売りのタイマーなどをセットせずにこれ1つで済ますことが可能になるのです。
タイマーや他の照明など照明関係の器具を複数使用すると、水槽まわりがごっちゃになってしまいますが、システムLEDを使用すると水槽回りをすっきりさせることができます。
今回はさまざまな機能がついていて便利な、システムLEDについてお話していきます。
システムLEDとはどんな照明器具?
まず、システムLEDとはどんな照明なのかについてお話しましょう。
システムLEDとは、従来の水槽用のLEDライトに、タイマー機能や調光機能などの機能がついているLED照明ことです。
今までは水草やサンゴなどを育てる時は、メタハラや蛍光灯などを使用するのが主流でしたが、最近は長持ちし、発熱量の少ないLEDライトを使用している人が増えています。
LEDライトだと波長が足りないと思っている人はまだまだ多いですが、最近の水槽用LEDライトは水草やサンゴの育成に必要な波長も十分カバーしています。また発熱量が少ない・長持ちするということで、従来のメタハラや蛍光灯よりもコスパがよくメリット的な部分が大きいです。
そのため熱帯魚や海水魚飼育に使用する照明は、蛍光灯やメタハラが減少しつつあります。メリットの多いLED照明は、これから主流になっていくことが予想できます。
機能の設定はスマホでも可能なものがある!
これは商品やメーカーによりますが、システムLEDの機能の切り替えや調整方法は次の4つです。
- 本体で切り替える
- 付属、または別売りのコントローラーで切替
- スマホアプリで切替
- PCから指示を出す
本体で切り替えるものはまだまだ多いですが、テレビのリモコンのようなコントローラーで切り替えたり、専用のスマホアプリを自分のスマホにダウンロードして、外部から光量やタイマーのセットを行うことができるものが増えています。
システム照明についている機能とは?
システムLED照明についている機能ですが、これは商品によって異なります。一番多い機能はやはり照明のオン・オフ機能や特定の色だけ付けたり、フル点灯をするといった光量調整機能です。
商品によっては「月齢周期機能」という月齢に合わせた光量を設定できる機能や、指定した時刻に希望の時間だけ雷のように点滅させる効果を設定できるものもあります。
温度表示や日時設定などまでついてるものもありますが、機能が多くなると価格も高くなる傾向にあります。
システムLED照明のメリットとデメリット
システム照明はメリットばかりではなく、デメリットも存在します。ここではシステムLEDのメリットとデメリットについてお話します。
システムLEDのメリット
システムLEDのメリットですが、今までメタハラや蛍光灯・LEDなどを複数使用して使い分けしていた人の場合は、照明器具の使い分けの必要がなくなるというものがあります。
またタイマーなどの機能がセットされているので、別売りのタイマーや調光用の機械をセットする必要がなくなります。そのため、今まで使用していた水槽用照明からシステムLEDに切り替えることで、ごちゃごちゃしていた水槽回りがすっきりするというメリットがあります。
またタイマーや調光機能がセットされていることで、外出時の照明のオン・オフができるようになり、調光することで育てる生き物にあった波長の光を与えることができるようになります。
システムLEDのデメリット
システムLEDはメリットが多いですが、デメリットもあります。LED自体は非常に長持ちするのですが、複雑なプログラムや回路を使用しているために、湿気等で機械がダメになることがあります。水換えや水槽掃除のときは、システムLED本体に水を賭けないよう気を付けましょう。
また、どのシステムLEDでも水草やサンゴが育つのかというと、これもメーカーや商品によって波長が異なるため、購入時にしっかり波長を確認しないと、全く効果のないものを購入してしまう恐れがあります。
そしてシステムLEDは便利でコスパがよいのですが、蛍光灯やメタハラなどと比較すると初期費用が高いというデメリットがあります。
水草向きのシステムLEDは?
水槽内に水草がある場合システムLEDを購入する際は、「赤と青」の波長が含まれているものを選ぶ必要があります。商品によっては水草向きかどうかパッケージに書かれていることもあるので、購入時の参考にするとよいでしょう。
LED照明が出始めのころは、水草育成のためのについてわかっていなかったため、波長がたりないため水草は育たないと言われていました。しかしシステムLEDに使用されているLEDは白・青・赤の3色を搭載しているものがほとんどです。丈夫な水草を育てるには、太陽の光と同じ波長の「フルスペクトル」のLEDがおすすめです。
水草向きのおすすめのLED照明について知りたい方は、はこちらの記事をご覧ください。
サンゴ向きのシステムLEDは?
海水魚水槽の場合、サンゴ用の照明を別で使用している人が多いです。サンゴ育成でトップ種と言われているSPSサンゴは、LEDが出始めのころにはLEDでは色揚げが難しいと言われていました。
しかし研究が進み現在販売されているLED照明では、SPSサンゴの飼育や色揚げが可能になっています。
サンゴも水草と同じ用に「光合成」を行って成長するので、光は必須です。そして必要なスペクトルがサンゴによって異なることがあります。
システムLEDでサンゴを育てる場合も水草と同じように、「フルスペクトルタイプ」のLEDライトを使用しているものを選びましょう。
フルスペクトルタイプのLEDライトは、どのタイプのサンゴでも元気に育てることができます。
サンゴ向きのLEDライトについては、こちらの記事もご覧ください。
システムLEDはどこで買う?
今使っている照明からシステムLEDに乗り換えようとしたとき、どこで購入するかで迷う人は多いです。システムLEDは市場でも流通量が増え、ホームセンターやペットショップなどでも購入できます。またAmazonや楽天といった総合通販サイトや、アクアショップのオンライン通販、ヤフオクなどのオークションサイトでも購入することができます。
オークションの場合、初期設定金額が低くても即決価格でなければ、高額入札しなければ購入することができません。店頭よりもネットショップの方が商品自体は安いものの、送料を入れると変わらなかった…、などということもあります。
システムLEDを安く購入したいのであれば、一か所で決めるのではなく複数のショップや通販サイトを見て、送料などもすべて含めた金額で価格を比較しましょう。
海外のAmazonで購入する方法もある
アクアリストの中には、日本で販売されているシステムLEDの光量や機能に不満がある場合は、米AmazonでシステムLEDを購入している人もいます。
海外のAmazonは日本にないメーカーの商品も取り扱っているので、気に入ったシステムLEDがないという場合は、海外Amazonを見てみると気に入ったものがあるかもしれません。
Googleのブラウザ「chrome」を使用していると自動で日本語に翻訳してくれますが、画像で表示されている内容までは日本語にならないので、商品を見るだけでも英語力はあったほうがよいでしょう。
また当然ながら料金表示がドル表示な点や、海外からの発送なので到着まで日数がかかる、手数料が発生するなどといったことも気を付ける必要があります。
まとめ:スマホなどで管理できるシステムLEDで快適なアクアライフを!
今回は最先端の照明とされているシステムLEDについてお話しました。購入費は蛍光灯やメタハラよりも高いですが、使用期間がかなり長九、スイッチのオン・オフや調光などが可能なのでコスパがよく便利な水槽用照明です。
水槽の上部もシステムLEDにすることですっきりとさせることができ、留守中の照明のオン・オフ設定や光量の調整ができることから、どんな生き物にも使用できると言えるでしょう。
現在タイマーなどを使用している人や照明を複数使用している人などは、少しお値段は張りますがシステムLEDに乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
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