家庭で熱帯魚や海水魚飼育を行う際、使用する水槽の形状が四角い物ばかりだと思っていませんか?実は半円形の柱タイプや円柱状の水槽も存在します。
水族館や動物園で使用されていますが、個人で使っている人はまだまだ少ないようです。既製品を店頭で見つけても、実際にレイアウトするとどのような感じになるか、イメージがわきにくいという人もいるでしょう。
そこで今回は、半円柱水槽の水槽レイアウトの作り方や、おすすめの市販されている半円柱水槽と、特注の水槽についてお話していきます。
半円柱水槽のレイアウトをご紹介!
今回半円柱水槽のレイアウトを作るにあたり使用した水槽は、コトブキの「アクストラウンド25」という小型の水槽ですが、小型タイプで卓上水槽としても使用しやすいサイズです。
実際に購入したときのパッケージはこのようになっています。
箱から取り出し正面から見てみると、スリムな感じです。コンパクトなサイズのLEDライトと、フィルターも付属しているので、底材や生き物、水草などを購入するだけですぐにアクアリウムを始めることができます。
斜め上からみるとこのような感じです。他にも市販されている半円柱水槽には、テトラの「ハーフムーンアクアリウムS HM20LS」という商品もあります。
しかしこちらはコトブキのものよりも大きいサイズなので、卓上よりはきちんとした水槽台などに設置したほうがよいでしょう。
卓上水槽に興味のある方は、下記の記事をご覧ください。
半円柱水槽はスタイリッシュな印象を与える水槽ですが、半円形のため通常の長方形や四角形の水槽よりは、中に入る水の容量が意外と少ないという特徴があります。
今回、半円柱水槽のレイアウトを行うに立っては、できるだけ奥行きのあるレイアウト作りを目指しています。水槽レイアウトはすっきりした印象を与えるものと、ボリュームのある水草レイアウト重視のものの2つを作成してみました。
なお、水草の上手な植え方については、こちらの記事を参考にしてください。
スッキリタイプ水槽レイアウト
真ん中に岩を配置し、水草のボリュームを抑えたレイアウトです。
出来るだけスッキリした印象を作るレイアウトでは、中央に岩を配置して、水草のボリュームを控えめにしているレイアウトとなっています。前景・後景をはっきりと見せることで、奥行き感を出すためメインの水草にはアヌビアス・ナナを使用し、魚が泳ぎやすい環境を作っています。
今回使用した水草は、ピグミーチェンサジタリア(左上)、アヌビアス・ナナ(右下)、バリスネリアスピラリス(右下)です。
スッキリタイプの水槽レイアウト作成手順
スッキリタイプの水槽レイアウト作成手順は、次のようになります。
1.砂利を敷く
最初に水槽の底に砂利を敷きますが、今回は大磯砂を使用しています。
2.岩を配置
水槽の中央に岩を配置しますが、このとき左右どちらかにより過ぎないように気を付けてください。一度岩を置いて少し離れた場所から確認すると、岩を中央に設置しやすいです。
3.後景の水草を植え込む
まずはバリスネリアを左端、後景に植えます。
次にアヌビアス・ナナなど、大きな水草を植え付けいきます。
4.前景草を植えこむ
ピグミーチェーンサジタリアを、手前(前景)に植えます。ピグミーチェーンサジタリアは土から根が出るのを嫌うので、植え込み中に浮いたり、根が土から出ないよう気を付けてください。
5.すっきりした水槽レイアウトの完成です!
すっきりしたレイアウトの場合は、セッティングする水草や岩などの数が少ないため、これで完成です!
水草のボリュームが控えめで、魚たちも泳ぎやすく、エビ類などもしっかりと水草に隠れることもできるので、シンプルながらも落ち着きのある環境を作り、生き物にストレスを与えにくいです。
ボリュームタイプの水槽レイアウト
ボリュームタイプの水槽レイアウトは、水草重視のレイアウトにしました。水草の葉の形状や長さ、色の違いを上手く利用することで、全体的にボリュームのある印象を与えることができます。
中央には流木を設置し、高さのあるレイアウトを可能にしつつも、全体を引き締めています。
ボリュームタイプの水草に使用したのは、ピグミーチェーンサジタリア(左上)、チドメグサ(右上)、 ミクロソリウムプテロプス(左下)、ハイグロフィラロザエネルビス(下中央)、アンブリア(最右)です。
ボリュームタイプの水槽レイアウト作成手順
ボリューム感のある水槽レイアウト作成手順は、以下のようになります。
1.流木を中央に設置
流木を中央に設置することで、高さのある水槽レイアウト感を出します。
2.流木にミクロソリウムを配置
ミクロソリウムを流木にレイアウトしていきます。
3.後景草を植えこんでいく
最初に右側後景にハイグロフィラを設置します。
次に左後景にアンブリアを配置していきます。
アンブリアは茎がむき出しで根がない状態で販売されていることもあり、アクアリウム初心者の場合、根がない状態でもそのまま土に刺してしまいがちですが、そうするとすぐに浮いて来ることが多いです。
一番下の葉の少し下を根ごと切り取り、一番下の葉も砂利に一緒に埋め込むことで、浮いてくるのを防ぐことができます。葉を植え込むのが嫌な場合はリング濾材に通し、リング濾材ごと根元を砂利に埋め込むといった方法もあります。
4.中景草を配置
左中景にチドメグサをセッティングします。
5.前景草を設置
前景にピグミーチェーンサジタリアを植え込んでいきます。
6.ボリューム感のある水槽レイアウトの完成!
全ての水草を植え終わったら、水槽レイアウトの完成です!
今回流木は太目のものを使用していますが、細目のものを使用する、枝の多いものを使うことでまた違った雰囲気の水槽を作ることもできます。
水草メインの水槽は、定期的にトリミングを行わないと、水槽レイアウトが崩れることがあるので、成長具合を見ながらトリミングを行ってレイアウトを維持してください
オーダーメイドで半円柱水槽の制作ができる!
半円柱水槽を利用してみたいと思ったけど、市販されているもので希望サイズがない、ふた部分などのデザインが気に入らないという方もいるのではないでしょうか?
ネットショップなどを調べてみましたが、既成水槽で半円柱は、今回レイアウトで使用したもののように卓上サイズか、30cmくらいまでの小さなものしか販売されていないようです。
東京アクアガーデンのように、水槽のオーダーメイドを受け付けている会社では、半円柱水槽のような特別な形状の水槽も大型サイズのオーダーメイドが可能です。
こちらの画像の水槽は、扇形の水槽ですが、半円柱水槽のように円柱の要素を持っているので、壁面に沿わせて設置することが可能です。半円柱水槽は、壁面に沿わせつつ丸みを持たせることができるので、お部屋に設置すると柔らかな雰囲気も作り出してくれます。
東京アクアガーデンでは、オーダーメイド水槽の相談や見積もりは無料ですので、気になった方は気軽に相談してみましょう!
半円柱水槽でおしゃれな水槽レイアウトを楽しもう!
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今回は実際に制作した、半円柱水槽のレイアウト手順や、オーダーメイド水槽についてお話しました。
半円柱水槽は壁面に沿わせることができ、ガラス面が曲面となっているので、柔らかな雰囲気を作りやすいです。個人で使用している人は少ないので、水槽レイアウト次第で、おしゃれなオリジナルのインテリイアとして卓上で使用することもできます。
現在半円柱水槽の既製品は小型サイズしか販売されていないため、大き目のサイズが欲しい、もっとオリジナリティのある半円柱水槽が欲しい、といった場合には、オーダーメイドで制作することをおすすめします。
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