水槽で飼育できる魚にはさまざまな種類がいますが、中には「砂を掘る」タイプもいることをご存知でしょうか。
こだわりがなければ問題ないのですが、「せっかくキレイにレイアウトした水草が浮いてきてしまう」「ソイルの粒が砕けてしまう」など、困ったことになる場合もあります。
飼育を始める前に「この魚は砂を掘り返したいんだな」という特徴を知り、適切な飼育環境を整えておきましょう!
砂を掘る熱帯魚
砂を掘る魚として知られている種類はいくつかいます。
- ローチ
- ベラ
- スネークヘッド
- プレコ
- アフリカンシクリッド
このあたりが該当しますが、「砂を掘りたがる理由」「注意してあげるポイント」が異なる場合がありますので、魚種別にポイントを解説します。
ローチの仲間
クーリーローチに代表されるローチの仲間はドジョウの近縁種なので、底砂を掘ります。下のリンクでローチの仲間の飼育法を紹介していますので参考になさってください。
ドジョウの仲間が砂に潜るのは「身を守るため」「安全な状態で休むため」と言われています。全身を砂に埋め、顔だけちょこんと出している姿はとてもユーモラスで愛らしいですよ。
ベラの仲間
イエローコリスなどのベラの仲間にも砂に潜るものがいます。
砂に潜りやすいよう、パウダー状のサンゴ砂を敷いての飼育がおすすめです。
スネークヘッド
https://youtu.be/XZJ3crS7v2k?t=55
スネークヘッドは砂にもぐるのが大好きなのか、砂を堀り上げてしまうんです。上の動画では、大胆に砂を飛び散らす様子がわかりますね。(動画は音が鳴りますので注意してご参照ください)
そこそこのサイズまで成長するスネークヘッド、力もあります。スネークヘッドを飼育している水槽に凝ったレイアウトを展開しても、砂を掘る時に乱されてしまうことがあるので注意しましょう。
プレコ
水槽の底面で暮らす、お掃除生体として有名なプレコ、砂を掘り返して餌を探すこともあります。
コケ取り生体としてとても能力が高く、人気があるのですが「水草育成の基本土・ソイル」との相性は最悪です。プレコにかきまぜられたソイルは粒が崩れてしまうのです。
水草育成水槽への導入は他の生体を選んだ方がよさそうです。
アフリカンシクリッド
アフリカンシクリッドは、砂をくわえて掘る習性があります。
巣作りとも、縄張りの主張とも言われていますが、理由はよくわかりません。
かなり熱心に掘る個体もいますので、岩石など重たいレイアウトを崩すこともあります。そういったレイアウトが崩れることで水槽にヒビなど入ると大変ですから、レイアウトアイテムの選定に気をつけましょう。
魚が砂を掘る理由とは
ちょこちょこ掘るタイプから、大胆かつ熱心に砂を掘るタイプまでいますが、魚はどうして砂を掘るのでしょうか。
身を守るため
一番多い理由が、この「身を守るため」というものです。砂の中にいれば他の魚につ疲れる心配もありませんね。
砂は隠れ場所でもあるので、天敵に捕食されにくいというメリットもあります。
繁殖のため
一部の魚は卵を産みつけるために底砂を掘ることがあります。
上記では紹介していませんが、ラミレジィなどがそうです。
お休みするため
底砂にもぐることで安心して休む個体もいます。布団にもぐる感覚です。敵に見つかりづらい状態でゆっくり疲れを癒しているのでしょうね!
砂を掘る熱帯魚への対策
底砂は細かく柔らかいものにする
硬かったり粗い底砂は、掘り返す性質を持つ熱帯魚の体を傷つける原因になります。「この砂だと掘り返せないな、やめよう」となってくれればいいのですが、「習性」ですから、そうもいかないのでしょう。
また、上手く掘り返せないことが魚のストレスにもなります。ストレスは死因にもなりますので、できるだけストレスのない環境を整えてあげましょう。
掘り返すタイプの魚の飼育には、細かく柔らかい田砂やボトムサンドをおすすめします。
ソイルはプレコのところでも触れましたが、掘り返す生体とは相性が悪いです。崩れたソイルはパウダー状となり、フィルターの目詰まりの原因になりますので、おすすめできません。
水草は活着させよう
底砂を掘り返すことで、植えられた水草の根の周りの砂も崩れ、水草が抜けてしまうことがあります。そのため、あっという間に水草のレイアウトが崩壊することすらあります。
レイアウトした私たち、砂を掘りたい魚たち、お互いの幸せのために、水草を入れる場合は活着されたものがおすすめです。
まとめ:熱帯魚が砂を掘る?砂を掘ってしまう魚種・理由・対策等を解説します
魚によって理由は違えど、砂を掘りたいという気持ちを人間が抑えさせることはできません。ですから、「掘っても大丈夫」な環境をあらかじめ用意してやり、楽しく砂を掘らせてあげましょう。それが魚にとってストレスの溜まらない飼育環境ですから。
砂を掘る様子を見るのも楽しいもの、可愛い姿を満喫してくださいね。
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