水槽といえば一般的にはガラスやアクリル製の長方形やキューブ型のものを思い浮かべる人がほとんどでしょう。しかしイベント会場や水族館、ホテルなどでは多角形や仕切りが付いている水槽など、市販されていない特殊な水槽を使用していることがありますよね。
このような水槽は「特殊水槽」と呼ばれ、そのほとんどがオーダーメイドなんです。今回はこの特殊水槽に対して施すことのできる加工について、東京アクアガーデンのオーダーメイド水槽を例にご紹介していきます!
特殊水槽とは
市販されている水槽の多くは長方形やキューブ型ですが、ラウンド型のようなちょっと変わった形状のものもありますよね。イベント会場やホテルなどでは、インテリア性にこだわった市販されていない多角形のものやオーバーフロー管が2本に分かれているもの、仕切りの付いている水槽などを使うことがあります。
特殊水槽とは、このような市販されていない規格外のサイズ・形状・仕様などを持つ水槽のことを指します。材質はデザインや大きさなどによってさまざまですが、一般的には加工しやすいアクリルを使っているものが多い傾向にあります。
どんなことができる?!水槽にできる特殊加工
特殊水槽はほとんどがオーダーメイドのものです。今回ご紹介する特殊水槽の加工項目については、東京アクアガーデンのオーダーメイド水槽を例に解説していきます。
水槽の材質によって施せる加工が変わりますし、同じサイズでも重さが変わってくるので、オーダーメイドを考えている人はこちらの記事もおすすめ!
アクリル水槽の特殊加工
アクリル水槽は軽くて曲げ伸ばしもしやすいですが、色を付けることも可能なので、特殊な形状を作ったり、フタや扉などの加工などに使われることが多いです。
アクリル水槽の特徴についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
また加工実例を見てみたいという人は、こちらの記事が参考になりますよ!
それではここからアクリル製の特殊水槽に施すことのできる加工についてお話ししていきます。
特殊な形状にする
アクリル水槽はガラスと比べると柔らかく曲げ伸ばししやすいので、市販されていない形状の特殊水槽を作ることができます。
- 円柱
- 半円柱
- 多角形など
このような変形タイプの水槽はもちろん、オプションパーツを使うことで、飼育する生き物の足場なども作ることが可能です。
仕切り加工
ベタ用の小さな水槽だと仕切りが付いているものが市販されていますが、規格水槽などになると、最初から仕切りの付いている水槽を探すのは難しいでしょう。
アクリル製の特殊水槽では、以下のような仕様の仕切り水槽が作れますよ。
- 通常の1枚板仕様のもの
- 仕切り板に穴が開いたパンチ仕様
- 仕切り板が固定しているタイプ
- スライド式の可動式タイプ
専門業者としっかりと打合せすることで、自分の使い勝手のよい仕切り水槽を作ることができます。
色板加工
アクリルは色を変えることができるという特徴があるため、水槽の色を変えることも可能なんです。背面だけ黒や青などの色つきにすると、水草や生き物の色がよりはっきりとわかるという特徴もあります。
オーダーメイドで多いのは白・青・黒ですが、半透明のような特殊カラーの水槽も板の厚さ次第で選択可能になります。
特殊なオーバーフロー加工
オーダーメイドのアクリル製のオーバーフロー水槽に対し、独立管やサイドフロー加工といったものの位置を、自分の好きな場所にすることが可能です。これらの加工技術を応用することで、海水魚用の水槽ならリフジウム水槽を作ることもできます。
帯加工
帯加工とはどんな加工かというと、水槽の上部か下部(もしくは両方)に、任意で設定した幅の色板フレームを取り付ける加工のこと。何の加工もしていない水槽だと、ときにフランジの断面が見えて気になったり、砂の境目がはっきりとしてしまい景観が悪くなると感じる人もいます。
このような状態を気にする人が、帯加工を利用することが多いです。
フランジの加工
フランジの加工は、以下の2種類あります。
落とし込み加工:
こちらの加工はフランジを取り付ける高さを、水槽の底面に向け任意の高さに下げることが可能な加工です。クリップライトを取り付けたいときや、水槽にフタを設置したいというときに有効な加工方法となります。
フランジ無し加工:
フランジのない水槽を作りますが、フランジがないと内部からの水圧に対しての耐性が下がってしまいます。水圧に耐える必要があるため板厚を上げるので、見た目はよくなっても作成する費用が上がってしまうというデメリットがあります。
扉加工
文字どおり水槽に扉を付ける加工で、東京アクアガーデンでは以下3つの中から選択することができます。
開閉式:
蝶番を使用して扉を付け、開閉可能にする加工。
ケンドン式:
引き上げ式の扉を付けます。
スライド式:
こちらの水槽は熱帯魚などの水棲生物では使用できません。スライド式のアクリル製の水槽は、水をたくさん入れると水圧で板が歪んでしまい、扉をスライドできなくなる可能性があるからです。ハムスターや爬虫類など、水を入れないケージとしての使用に向いています。
フタ加工
フタ加工には、以下の4つの加工方法があります。
ボトル留め:
アロワナのような飛び跳ねることのある大型魚を飼育している場合には、飛び出し防止などのために必須な加工となります。ステンレスボルトでフタを固定します。
エサ穴:
フタをボルトで固定してしまうと、簡単に開閉することができなくなってしまいます。そのためフタにエサ入れ専用の穴をあけることで、エサやりを簡単に行うことができますし、虫などの混入を防ぎたいのであればエサ穴にフタを取り付けることも可能です。
空気穴:
こちらは湿気に弱いハムスターなどのために施す加工で、パンチ板を使用して専用のフタを作ります。
重合接着
一般的にアクリル水槽を作るときは、表面を溶かして板を接着させる『溶剤接着』が主流となっています。しかしフランジのない水槽や、厚さのあるアクリル板で水槽を作る場合には、接着面がとてもきれいで強度のある『重合接着』を使いますが、価格は溶剤接着の倍かかってしまいます。
ソケット加工
アクリル製の特殊水槽では、自分の好きな位置にホースや配管を接続することができるソケットを追加で作ることができますよ。
ガラス水槽の特殊加工
ガラスは長期間使用していても曇りが発生しにくく、傷が付きにくいとうメリットがあり鑑賞性が高いですが、重さがあり割れるという欠点もあります。
ガラス水槽の特徴に関してはこちらの記事を参考にしてくださいね。
実際にガラスで特殊水槽を作成した事例に関しては、こちらの記事をどうぞ!
ここからはガラス製の特殊水槽の加工についてお話ししていきます。
高透過ガラス仕様
高透過ガラス(クリアガラス)は、一般的なガラスよりも透明度が高いガラスで、鑑賞性に優れたガラス水槽を作るときによく利用されます。
東京アクアガーデンでは、お客様の希望する任意の面に対してのみ高透過ガラスを使用し、他の部分には通常のガラスを使用することで価格を抑えている『コンビガラス水槽』の制作も行っているんですよ。
ちなみに画像のコンビガラス水槽は、正面にクリアガラスを使用しています。
ブラックシリコン加工
ガラス水槽は板をシリコンで接着していますが、通常はクリアなものが使われています。このシリコンの色をクリアからブラックに変更することもできるんですよ!
クリアだとどうしてもシリコンの縁にコケが付いたり、汚れが付くと目立ってきますが、ブラックにすることで汚れが目立つことなく、スタイリッシュな見た目の水槽にできるというメリットがあるんです。
ガラス水槽のシリコンの色については、こちらの記事を参考にしてくださいね!
ワームプロテクト加工
ワームプロテクト加工とは、シリコンの上にプレートを付けることでシリコンを保護し長期間もたせることができる加工のこと。カメのような爪などでシリコンを引っかいて、ぼろぼろにしてしまうような生き物を飼育するときに使われることが多いです。
フランジ加工
アクリル水槽では強度を上げることを目的として付けられているため、フランジに穴開け加工はできません。ガラス水槽の場合は、生き物の脱走防止・水漏れ防止のためにフランジ加工を施すことが多い傾向にあります。
オーバーフロー加工
「ガラスじゃ無理なんじゃ?」と思っている人もいるようですが、実はガラス水槽でもオーバーフロー加工が可能なんです。東京アクアガーデンのように知識と技術のある専門業者なら、しっかりと強度を保ったガラス製のオーバーフロー水槽を作ることができます。
アルミ加工(レール、メッシュ)
レールやメッシュといったアルミ加工は、パルダリウム水槽などで使用されることの多い加工です。アルミレールは扉を取り付けるため、そしてアルミメッシュは水槽内の通気性をよくするために取り付けます。
扉加工
ガラス水槽の場合もアクリル水槽と同じく扉加工を施すことができ、以下の2種類が選択可能。
- 引き戸式
- 引き上げ式
どちらの場合も水槽にアルミ製のレールを取り付けて扉加工を施します。
フタ加工
ガラス水槽では、フタの形状はもちろんフタの縁部分の加工も可能で、三角カットやコの字カットがよく利用されています。
ソケット加工
ガラス水槽の場合でもソケット加工が可能。水槽を設置する場所や水槽レイアウト、飼育する生き物の特性などに合わせて、自由に位置を設定できます。
仕切り加工
ガラス水槽でも仕切り加工ができ、仕切り板に穴あけ加工を施すこともできます。そのためひとつの水槽で複数の部屋をつくることもできますよ。
特殊水槽を販売している場所
規模の大きなアクアリウムショップや、ネットの通信販売などでも特殊水槽を購入することはできます。しかしさまざまな加工やオプションを付けることになってしまうと、通販だけでは対応しきれないケースも多いです。
最初から東京アクアガーデンのように、水槽のオーダーメイド作成を行っている専門業者や工場を見つけて発注することをおすすめします。
オーダーメイド水槽は、ほとんどの業者がまずお客様の好みのデザインやオプション取り付け希望などを確認し、無料で見積もりを行ってくれます。しかしひとつの業者だけで決めてしまうと、後から他のほうが安かったことを知るのも珍しくありません。
オーダーメイドを考えているのであれば、面倒でも複数の専門業者から見積もりをもらい、納得のいく制作をしてくれるところに頼みましょう。
東京アクアガーデンのオーダーメイド水槽のページへは、こちらからどうぞ!
まとめ:こんな形はできるの?特殊水槽とは!販売している場所やオーダーメイド!
今回はオーダーメイドの特殊水槽に施すことのできる加工について、お話ししてきました。
オーダーメイドで水槽を作る場合は、ガラスとアクリルの素材そのものの特徴をまずしっかりと理解しておきましょう。あとで後悔しないようにしっかりと制作に関する打ち合わせを行い、見積もりも予算の範囲内で収まるかも確認しておく必要があります。
オーダーメイド水槽に関する問い合わせや見積もりは無料のことがほとんどなので、飼育する生き物にピッタリな水槽がない場合や、オリジナル水槽を作りたいときは気軽に専門業者に問い合わせてみましょう!
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