海水水槽のよくあるトラブル5選!レイアウト・病気・設備のお悩みを解説

淡水魚の飼育に慣れてきたアクアリストが、ステップアップとして始めることの多い海水水槽(マリンアクアリウム)
淡水水槽とはまた違った美しさがありとても魅力的ですが、飼育環境が異なる分、淡水魚飼育では考えられないようなトラブルに見舞われることも少なくありません

そこで今回は海水水槽によくあるトラブルということで、

  • ライブロックの組み方が難しい
  • 海水魚が病気になる
  • オーバーフローの配管が上手くいかない
  • 海水の最適な比重がわからない
  • 水槽周りが塩だれする

これら5つのお悩みについて原因解決策などをご紹介していきます!

海水水槽で何かトラブルがあった際には、是非このページをお役立てください。

トラブル1:ライブロックの組み方が難しい

海水水槽のレイアウトには欠かせないライブロックですが、せっかく組んで配置したのに崩れてしまったという経験はありませんか?
ここではライブロックが崩れてしまう原因と、上手に組み上げる方法についてご紹介していきます。


ライブロックが崩れる原因と対策

海水水槽は水流を大切にするため、小さく安定性の悪いライブロックを重ねると水流に負けて崩れてしまいます
また、安定感を求めて重いライブロックを使うと、水通りが悪くなることからむしろ崩れやすく、水質が悪化する可能性も高くなってしまうのです

つまり、ライブロックを崩れにくくするためには、大きくて重量が軽いものを選ぶことが大切です。
基本的には何個も積み重ねるのを控え、組み合わせる数を少なくしたほうが上手くいきます

角度のついたライブロックを使おう

ライブロックのレイアウトでよく見かけるトンネル型(アーチ状)の組み合わせですが、これは塊状のものよりもL字やブリッジ型のような形状を使ったほうが崩れにくいです
土台となる大きなライブロックを2つ置いて、その上にL字やブリッジ型のライブロックを1つだけ置くようなイメージですね。

レイアウトの仕上がりをしっかりと頭に浮かべて、必要な形のライブロックを選びましょう。

トラブル2:海水魚が病気になる!

続いては海水魚によくある病気や、淡水浴の方法などについて解説をしていきます。
海水魚の病気は淡水魚に対する処置とは若干異なりますので、しっかりと確認しておきましょう。

導入前のトリートメントが大切!

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海水魚がかかりやすい病気としては白点病ハダムシが挙げられますが、これらを予防するには水槽に導入する前のトリートメントが肝心です。

まず白点病についてですが、これは淡水魚の白点病とは原因が異なるため、淡水魚用の薬では効き目がありません
必ず、白点キラーなど海水魚用の白点病治療薬を使いましょう。

あとは淡水魚飼育者にはおなじみのグリーンFゴールド顆粒なら、海水魚へ使えるうえに白点病など幅広い効果があるので、持っていることをおすすめします。

白点病の詳しい治療方法については以下の記事で解説をしていますので、ご覧になってみてくださいね。

淡水浴の方法

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続いてハダムシの治療法についてですが、ハダムシは寄生虫の一種なので淡水浴が効果的です。
海水と淡水の浸透圧の違いによって、生体に付着した寄生虫を落とすようなイメージですね。

やり方としてはまず隔離水槽にカルキ抜きした淡水をはり、pH調整剤でpH8.3程度(海水水槽と同じpH)に調節します。
その後、対象の魚を隔離水槽で5~8分程度泳がせましょう。

淡水浴中は魚の様子をしっかりと確認し、苦しそうな様子を見せたらすぐに中止します
少々手荒な治療法ですが効果はかなり高いので、新しく購入した魚は水槽へ入れる前に淡水浴させるのがおすすめです

淡水浴の詳しいやり方については以下の記事をご確認ください。

トラブル3:オーバーフローの配管が上手くいかない

続いてのトラブルは、オーバーフローの配管について。
配管サイズを変換する場合や殺菌灯を接続するときのコツ、水漏れを防ぐ方法について解説をしていきます。


配管サイズの変換はポンプから遠い位置で行おう

オーバーフローの配管はポンプと最短距離でつなげたほうが、水流を殺さずに済みます。
そして、ポンプから水槽に水を戻すための配管はなるべく太いものを選んだほうが、水流を損ないません。

水流が滞るとポンプに負荷がかかり故障の原因になりますので、配管のサイズ変換はポンプから遠い位置で行ないましょう

殺菌灯をつけると水流が弱まる?

殺菌灯を使う場合は接続部分の配管が細目になることが多いため、その分の水流は弱まります。
配管のカーブを減らせばスムーズな水流になりますが、気になるようならマグネットポンプを選んでみましょう。

クーラーも接続する場合はさらに水流が弱くなってしまうため、

  • ろ過槽からクーラーを経由し再びろ過槽に戻す配管
  • ろ過槽から殺菌灯を経由し水槽に戻す配管

といった具合で、2台のポンプを使って別系統の配管を組んでも良いと思います

水漏れを防ぐには!

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配管からの水漏れを防ぐため、塩ビ管は塩ビボンドでしっかりと接着・固定をしておきましょう。
耐久性も出ますし、奥までしっかり差し込めば漏れる心配はありません。

また、ポンプや塩ビ管とホースを接続する場合は、接続口を結束バンドで固定しておくのがおすすめです。

以下の記事では塩ビボンドを使ったオーバーフロー水槽の配管方法を丁寧に解説していますので、是非お役立てくださいね。

トラブル4:海水の最適な比重がわからない

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続いては海水の最適な比重についての解説です。
魚の発色が良くなる比重や、比重が低すぎる場合の問題点などをご紹介していきます。

海水魚の体色を重視するなら1.024以上がおすすめ

太平洋よりも比重の高いカリブ海などに生息する魚のほうが濃い体色をしていることから、東京アクアガーデンでは海水の比重と魚の体色には密接な関係があると推測しています。
具体的に言うと、比重を1.024~1.026程度に維持すると魚の発色が良くなるということです。

海水魚飼育における比重の合格ラインは1.020~1.024とされていますが、海水魚の体色を重視する場合は1.024以上の比重を保ちましょう

ただし1.026以上にすると塩分濃度が高すぎることで魚たちが体調を崩しますので、注意が必要です。

低比重すぎるとどうなるの?

逆に、1.020以下の低すぎる比重ではpHも下がるため、海水魚たちの好む水質ではなくなってしまいます。
特にサンゴは低比重に弱くすぐに枯れてしまいますので、比重の下げすぎにも十分に注意しましょう。
サンゴのいる水槽では、1.024~1.026の比重が適切です。

トラブル5:水槽周りが塩だれする!

最後に解説するのは、水槽周りの塩だれ対策についてです。
塩だれの原因やおすすめの対策方法についてご紹介していきます。

塩だれは飼育水の飛沫が原因!

飛び散った飼育水が蒸発すると塩が残るため見栄えが悪く、電気器具に塩が付着すると火事の原因にもなってしまいます

海水水槽は淡水水槽以上に溶存酸素量が重要なためエアレーションが必須と言われていますが、エアレーションすると飼育水が跳ねて塩ダレを起こしやすいので、代わりにプロテインスキマーを使用して酸素を供給さているアクアリストが多いです。

水槽台の中の塩ダレはろ過槽の水位が変化することが原因なので、ろ過槽の水が飛び散らない水位を把握し、適正な水位を守りながら管理しましょう。


濾過槽内の水位を適正にしよう

ろ過槽内の水位が高すぎると水槽から流入する塩水が大量に跳ねてしまうので、水位を低めに保つのが得策です。

ただし、水位が低すぎると蒸発による影響を受けやすくなってしまいます。
ヒーターが露出したりポンプが空回りする危険性が高くなってしまうため、水跳ねしない程度の水位に設定し、足し水をこまめに行なうのがおすすめです

また、底板が目詰まりすると水の循環が悪くなって水位が上がりやすいので、定期的に水槽周りやろ過槽をお掃除しましょう
掃除の様子を写真付きで解説した記事がありますので、こちらも参考にしてみてくださいね。



まとめ:海水水槽のよくあるトラブル5選!レイアウト・病気・設備のお悩みを解説

海水魚飼育にはトラブルがつきもの。
ですが、トラブルの原因や正しい対処方法を理解すれば、そこまで難しい知識が無くても始められる趣味と言えます。
初めは敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、海水水槽は仕組みがわかれば管理そのものはあまり難しくはありません。

今回は海水水槽によくある5つのトラブルとその原因や改善策をご紹介してきましたので、このページを活用しつつ、皆さんもマリンアクアリウムにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

淡水水槽とはまた違った美しさや感動が、皆さんを待っています。



 

 

 

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