「海の日」や「体育の日」「いい夫婦の日」など、日本では振興目的の「○○の日」がたくさんありますよね。その中には、熱帯魚や海水魚、水族館などアクアリウムに縁のあるものが存在するのを知っていますか?
アクアリウムに縁のある「○○の日」には、次のようなものがあります。
- 2/9:フグの日
- 3/3:金魚の日
- 3/5:サンゴの日
- 3/7:さかなの日
- 4/8:貝の日
- 6/22:カニの日
- 8/1:宮島水族館の日
- 9月第3月曜日(敬老の日):エビの日
- 11/11:チンアナゴの日
- 12/23:ハゼの日
今回は意外に知られていない、熱帯魚などの魚や水族館などの「○○の日」について調べてみました!
熱帯魚・観賞魚の記念日10選!
日本でよく知られている「○○の日」といえば、1月1日の「元旦」や、5月3日の「ゴミの日」、11月22日の「いい夫婦の日」などがありますよね。
アクアリウム関係の記念日がないのかと調べてみると、意外にありました。今回はその中から、熱帯魚など観賞魚に縁のある記念日を10個ご紹介していきます!
2/9:フグの日
最初にご紹介するのは2月9日の「フグの日」。2(ふ)9(ぐ)という語呂合わせでフグと読ませます。この記念日、下関ふく連盟という団体が、1981(昭和56)年に制定したと言われています。
でもこのフグの日、実は以下の日も該当するとされているんです。
- 9月29日(フグがおいしくなる季節のため。29日をフグと読ませる)
- 10月29日(10(とら)29(ふぐ)の日)
- 11月29日(11(いい)29(ふぐ)の日)
フグは高級魚で美味しいこと、食べると幸福を呼ぶとされていますが、猛毒があるため自宅・仕事関係なしに調理するためには『ふぐ調理師免許』が必要になります。
でもアクアリウムで飼育するときは、特に許可証取得などもありませんよ。フグはアクアリウムでは人なつっこく愛嬌のある顔だちから、女性人気のある魚です。
3/3:金魚の日
3月3日といえば女の子の日である「ひな祭り」ですよね。
しかしこの日は同時に「金魚の日」でもあるんです。「金魚の日」は、日本鑑賞魚振興会(2010年に解散。2020年現在は日本観賞魚振興事業協同組合)が1990年に制定したと言われています。
金魚といえば夏というイメージが強い人が多いと思いますが、江戸時代では2月中旬から3月にかけて販売していたんです。
これはなぜかというと、お雛様を飾るひな壇に一緒に飾るという風習があったから。
ひな人形は、自分についているケガレを、紙で作った人型(ヒトガタ)に移して、河川や海に流していたことが元とされています。そこから、水にゆかりのあるスルメやハマグリといった物をひな人形と一緒に飾るようになっていきました。
一方、金魚は江戸時代にはすでに盛んに養殖がおこなわれている人気の観賞魚でしたから、同じく水に縁のある生き物として金魚もひな壇に一緒に飾られるようになっていったと言われています。
また、金魚売りが春先に金魚を売り歩く声が春を連れてくるということで縁起が良いものとされていたことからも、金魚はひな壇に飾るのにぴったりだったのかもしれませんね。
3/5:サンゴの日
3月5日の「サンゴ」の日は、3(さん)5(ご)という語呂合わせだけでなく、3月の誕生石ということで制定されました。フグの日や金魚の日は日本の団体が制定したものですが、こちらは「世界自然保護基金(WWF)」が制定したもの。
この記念日が制定された1996年から、石垣島の白保にサンゴ礁を研究・保護するセンターを設立しようとする運動が始まりました。その成果がありサンゴ礁保護研究センター施設は、2000年に「しらほサンゴ村」という名称でオープン。
世界最大級とされる「青サンゴの大群落」がある、世界レベルで貴重な自然が残っている場所としても知られています。
3/7:さかなの日
こちらの記念日は「さかなジャパンプロジェクト推進協議会」という団体が制定しました。3(さ)7(かな)という語呂合わせになっています。
昔日本は、国民1人が消費する魚介類の量が、100万人以上の人口のある国の中では世界一だったんですよ。しかしそれが2011年になると6位にまで下がってしまいました。これは経済協力開発機構が落ち込みが異例と指摘するほど。
そこで、ヘルシーな魚をもっと食べてもらいたい、魚の食文化を国内だけでなく海外にも広めたいという思いから、全国漁業協同組合連合会と大日本水産会、産経新聞社が中心となって立ち上げた団体がさかなジャパンプロジェクト推進協議会です。
さかなの日は「魚介類を身近に感じて、もっとたくさん食べてもらいたい」という気持が込められた記念日で、お魚屋さんではこの日をきっかけに毎月7日は魚の日にして、特売をしているところもありますよ。
観賞魚の中では、ナイルパーチは冷凍食品の白身魚の代用として使われていることは有名ですし、地方によってはフナや鯉を食べるところもありますよね。また魚を身近に感じる、という点ではアクアリウムも縁のある日といえますね。
4/8:貝の日
渥美半島は貝料理が自慢な地域なことから、愛知県の田原市・渥美商工会が貝の日を制定しました。渥美半島は「貝の半島」と呼ばれるほど、アワビやサザエ、アオヤギ、ハマグリなど数多くの貝類が採取できますが、語呂合わせでもないのになぜ?と思う人が多いかもしれませんね。
4月は貝類がおいしい季節であることが、制定理由のひとつめ。ふたつめは、「貝」という字は「目」と「八」というふたつの漢字に分けることができますよね。さらに「目」を横にすると「四」と見ることができることで、四月八日を貝の日に制定したんです。
渥美商工会では、貝の日に貝祭りやキャンペーンなどさまざまな企画をおこなっています。アクアリウムなら、イシマキガイやマガキガイなどが知られていますね。
6/22:カニの日
カニ専門料理のチェーン店「かに道楽」を運営しているJRI株式会社が次のような理由で6月22日に制定した記念日です。
- 夏場の活カニを広めたい
- 星占いのかに座が6月22日から始まる
- 日本語の50音では、「か」が6番目で、「に」が22番目に当たること
このカニの日にちなんで、かに道楽は6月は毎年「かにの日月間」というようなキャンペーンをおこなっています
アクアリウムで飼育することのできるサワガニは、高齢な方だと子ども時代に河川で採取して素揚げにして食べた、なんて人もいるのではないでしょうか。
余談ですが6月22日のカニの日は、カニに対して敬意を表しているというような意見もあります。これは6月以外の月の22日が「カニカマの日」に制定されているという理由からです。
8/1:宮島水族館の日
生き物だけでなく、水族館にも記念日があること、知っていましたか?
宮島水族館では毎年8月1日を「宮島水族館の日」にしています。この日は小学生以下の来館者にオリジナルのグッズをプレゼントしたり、1日子ども飼育員体験、バックヤードツアーなどの特別イベントを開催しているんです。
宮島水族館にはテッポウウオ(アーチャーフィッシュ)専門の水槽もあるので、記念日以外でも見どころがあり、楽しめるイベントが多いです。
しかし残念ながら、2020年11月現在コロナの影響でイベントは中止になっているものが多いようなので、訪れるときは公式HPで事前に情報をチェックしておくことをおすすめします。
9月第3月曜日(敬老の日):エビの日
9月の第3月曜日は「敬老の日」ですよが、この日は「エビの日」でもあるんです。
このエビの日は、海老問屋で三河地方最大かつ老舗の「毎味水産株式会社」が、2013年に制定したもの。エビの日を制定することで、水産業界が盛り上がり、一般家庭にエビが広まることで食が豊かに楽しくなるように、という願いが込められています。
またエビは長寿のシンボルとしても有名な生き物。敬老の日と同じ日というのは、ご高齢の方がより長生きできますように、という願いも込められているからなんです。
エビがなぜ長寿のシンボルになったかについては、こちらの記事をチェック!
今では飼育・鑑賞用として知られているヌマエビは、河川や池などで普通に採取できます。
若年層の方は意外だと思うかもしれませんが、昔はその辺で採取したものを普通に素揚げなどにしておやつで食べていたんですよ。中高年の方で、子供の頃によく食べていたというお話しをされる方も多いです。
11/11:チンアナゴの日
ここ数年で有名になったチンアナゴの記念日「チンアナゴの日」は、東京都墨田区にあるすみだ水族館が2013年に制定したもの。底砂から出ている細長い体が数字の「1」に似ていることから、11月11日に制定されました。
この日が制定されたことで、毎年各地の水族館などではチンアナゴの生態について知ることのできるイベントや、フォトスポット設置などをおこなっています。また併設しているレストランでは、チンアナゴにちなんだオリジナルパフェなどが期間限定でメニューに登場することも。チンアナゴ好きの方は要チェックですね!
12/23:ハゼの日
ハゼの日になっている12月23日は上皇陛下の誕生日。「なぜこの日に?」と疑問に思う人が多いかもしれませんね。あまり知られていませんが、上皇陛下はご公務で多忙な中、ハゼ類の分類などについて研究をなさっており、以下のような機関に所属しています。
- 日本魚類学会に所属
- イギリス国のロンドン・リンネ協会:数少ない外国会員かつ名誉会員
- オーストラリア博物館:名誉リサーチ・アソシエート
- ロンドン動物学会:名誉会員
- アルゼンチン自然科学研究所:永久名誉会員
ハゼについての論文発表だけでなく、ご著書も出版しているんですよ。こういう理由があって、12月23日は「ハゼの日」に制定されています。
魚の記念日は今後も増える可能性あり!
「○○の日」は年々増えていますが、個人が勝手に制定することはできません。「一般社団法人・日本記念日協会」に申請をおこなって、認定されることで制定されます。
申請自体は政府や公的機関だけでなく、業界団体・企業、個人で行うこともできるんですよ。
昨今はコロナの影響でどの業界も売り上げが冷え込んでいますし、おうち時間も増えているので、今後も振興目的の記念日が増えることが予想されます。水族館も、宮島水族館のように独自の記念日を設ける可能性もありますね。
まとめ:熱帯魚・観賞魚にも記念日がある!?アクアリウムに関係する記念日10選!
今回は熱帯魚や観賞魚など、アクアリウムに関連のありそうな記念日を10個ご紹介しました。
全部知っていたという人は少ないのではないでしょうか。また知っていたとしても、なぜその日ができたのか理由を知らなかったという人もいることでしょう。
探せばまだいろいろ出てきますし、今後も水産業やアクアリウム業界などの振興目的で新しい記念日が制定されることも予想されます。
水族館や観光・飲食業界独自の記念日には、イベントやフェアなどをおこなうことが多いです。コロナで外出しにくい状況が続いていますが、外出予定を立てたり、食材や料理をお取り寄せするときにチェックしておくと、お得な体験ができるかもしれませんよ。
【関連記事】
水槽のプロが所属するサイト運営チームです。
淡水魚・海水魚・水槽設備やレイアウトのことまで、アクアリウムに関する情報を発信していきます!