水槽に生えるコケ対策のすべて【生える理由・掃除法などを解説】

アクアリウムを設置してしばらくすると水槽内には『コケ(藻類)』が生えてきます。

  • ガラス面がすりガラスのように曇ってきた…
  • 水草や流木に茶色いふさふさした斑点がついている…

このような時は、コケが水槽内に生え始めた状態です。水槽に生えるコケは1種ではなく、アオコや黒髭コケなど撃退に手間がかかる種類も存在ます。

コケは種類別に適した対策を行うことで効率よく抑制・撃退が可能です。

効果的なコケ対策と掃除法などを解説いたします。

水槽のコケ対策をプロがアドバイス!

アクアリウムを楽しんでいると必ず生えてくるコケに悩まされる方が多いです。水槽に生えてくるコケは主に以下の7種です。

  • 緑コケ:緑色の柔らかい藻類
  • 茶コケ:赤茶色の藻類で、汚れて見える
  • アオコ:飼育水が緑色に濁る
  • アオミドロ:繊維状の藻
  • 斑点状藻:ガラス面などにポツポツと着く緑コケ
  • 藍藻:青っぽく粘度のあるコケ
  • 黒髭コケ:髭のように生える頑固なコケ

これらはすべて性質が異なり、それぞれ効果のある撃退方法が違います。

緑コケならオトシンクルス、藍藻ならヤマトヌマエビというようにコケの種類別に食べてくれる生体で対策をするなど、工夫をすることで美しいアクアリウムを維持しやすくなります。

コケとはそもそも何なのか・コケの種類別対策法を詳しくこちらの記事に掲載しています。

コケを食べる熱帯魚・エビ・貝をご紹介!

コケを抑制する薬剤なども発売されていますが、より自然にコケを減らす方法が『お掃除生体の導入』です。

コケは水草と同じで常に成長しますから、抑制剤を使用してもしばらくして再び広がってしまう事も少なくありません。コケを減らしていくにはお掃除生体の力を借りるのが効率よいです。

コケを積極的に食べてくれる生体は以下の通りです。

  • オトシンクルス
  • ヤマトヌマエビ
  • ミナミヌマエビ
  • サイアミーズ・フライングフォックス
  • イシマキガイ など

お掃除生体として選ばれるのは、草食性があり大人しく、他の魚種と混泳しても小競り合いをしない種類です。

しかしサイアミーズ・フライングフォックスは小さなころは大人しくても、成長とともに縄張り意識が生まれるため注意が必要です。このように、成熟とともに気が強くなる魚種もいますので、相性を事前に確認して飼育を開始しましょう。

コケを食べる生体についてはこちらでも解説しています。

水槽にコケが発生する理由7つと対策!

水槽にコケが発生する理由はいくつかあります。

  • バクテリア(硝化菌)が少ない
  • 水槽掃除・水換えが足りない
  • 魚に餌を与えすぎている
  • 水草用の肥料が多すぎる
  • 魚の数が水槽に対して多すぎる
  • 直射日光が当たっている
  • メンテナンス道具にコケの胞子がついている

などですが、ほとんどの理由に共通して『水中に余分な栄養素がある状態』ということがわかります。

水草の成長などで吸収される以上の余った養分は、コケの餌となります。

過剰な養分は水の黄ばみ・濁り・魚病の原因にもなりますので、水質をチェックしつつ、餌を与えすぎていないかなど日頃の飼育方法や環境をチェックするのがおすすめです。

こちらの記事で詳しく解説しております。

水草に付いているコケを取る方法!

コケは水槽側面だけでなく、水草にも生えます。

コケが生えてしまった水草の葉は、光が上手くとりこめず枯れてしまいますから、いきいきとした状態を保つためにも対策が必要です。

水草に着いたコケはお掃除生体(メンテナンスフィッシュ)に食べてもらうのが最も安全で効果的です。

  • ヌマエビ類
  • オトシンクルス
  • ブッシープレコ
  • 貝類

などが適しています。特にヤマトヌマエビミナミヌマエビオトシンクルスは混泳にも向き、抜群の働きをするのでおすすめです。

詳しい生体の種類はこちらをご覧ください。

黒髭コケの撃退法を解説!

コケのなかで最も落としにくいのが『黒髭コケ(紅藻類)』です。頑強で物理的に取れにくい厄介さから、アクアリストの間でも撃退難易度の高いコケとして知られています。

撃退方法として

  • ヘラなどでこする
  • 水換えをこまめにおこなう
  • コケ抑制剤や木酢液を使う
  • サイアミーズ・フライングフォックスを導入する

などが挙げられます。

黒髭コケは水中の養分以外に水の硬度が高いと発生しやすいため、水質を確認しつつ水換えや水質調整を行いましょう。

黒髭コケのさらに詳しい撃退法はこちらをご覧ください。

木酢液でコケを撃退する方法と注意点!

コケ抑制剤の代わりになるアイテムとして『木酢液』があります。

コケ抑制剤は大変便利なのですが、エビやモス系の水草には影響を与えすぎるといったデメリットがあります。

水草への影響が少ない木酢液ならその問題をクリアできますし、コケに対して多用途で使える強みもあります。

  • 3倍に希釈後、飼育水に添加してコケを弱める
  • 水草に生えたコケに噴きかける
  • 原液を頑固なコケに直接塗る

など、1本でさまざまな使用法があります。

しかし、使用量が多すぎたり長期間にわたり使用し続けたりすると、バクテリアや生体も弱らせてしまいます。

木酢液は強力な効果があるため、デメリットや限度も理解して使用しましょう。

木酢液を用いたコケ撃退法はこちらにも詳しく書いています。

【画像でわかる】水槽のコケ掃除方法!

何度もコケが生えてしまう場合は、水槽の掃除方法全体を見直すと効果的です。

こちらの記事ではアクアリストが行うコケ掃除の手順を写真つきで解説しています。

ヘラやメラミンスポンジなど、100均で購入できるアイテムだけでもピカピカにコケを落とすことができます。

ご参考までにご覧ください。

まとめ:水槽に生えるコケ対策のすべて【生える理由・掃除法などを解説】

コケは水槽内の過剰な養分を糧に増えていきますが、裏を返せば、過剰な養分を消費して水槽内のバランスを保つために現れている、と言えます。

水槽環境が整っていてもコケは生えてきますが、種類に違いがあります。

  • 環境の整った水槽:緑コケ、斑点状コケ
  • 水質が不安定な水槽:茶コケ、藍藻、髭状コケ
  • 光が強すぎる水槽:アオコ、アオミドロ

生えるコケの種類は自分の水槽の状態を知るヒントにもなります。コケが生えてきたら掃除するとともに、よく状態を観察をするとメンテナンスのコツが見えてきますよ。