熱帯魚を飼育していると、ついつい魚を増やしてしまいがちです。お店から買ってくるのもですし、繁殖して数が増えるのもあります。
特にグッピーやプラティなどを飼育していると、次々に繁殖して「60センチ水槽の中で100匹以上飼育していた」なんていう経験がある方も少なくないと思います。
また、上の画像の水槽のように「30センチキューブ水槽でプレコやサカサナマズを含めた50匹の熱帯魚を飼育すること」も、やろうと思えば出来なくはありません。
これらの過密飼育は、きちんとした理由があって元気に飼育できているのですが、その理由はどこにあるのでしょうか。「水槽に最適な熱帯魚の飼育数」をテーマとして、考えていきたいと思います。
目次
熱帯魚の水槽飼育での適正数を動画で解説!
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過密飼育についての注意点を音声付きで解説します。
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熱帯魚の適正飼育数について
水槽における熱帯魚の適正飼育数は、昔から「水1リットル=魚の体長1センチ」と言われています。体長2センチのネオンテトラの場合、60センチ規格水槽では22匹、90センチ規格水槽では63匹が適正な飼育数となります。
(↓過去記事で詳しく触れていますので、参考にしてみて下さい)
しかし、この数字は、熱帯魚を飼育したことがある人にとっては「少なすぎる」と感じる飼育数です。冒頭で紹介した「60センチ水槽にグッピー100匹」とか「30センチキューブ水槽に混泳50匹」などの飼育方法もやろうと思えば出来るのですから。
このような飼育数に振れ幅が生じる原因について、ここからは紹介していきます。
キーワード①:バクテリア
熱帯魚水槽において、水質の浄化をするためにバクテリアは欠かせません。(魚の老廃物や食べ残した餌から発生するアンモニアなどを、比較的毒性の低い硝酸塩に変化させてくれるのですから)
このバクテリアが水槽内で十分に働いている場合は、過密気味に飼育しても老廃物や餌の食べ残しをバクテリアが処理してくれるので、水質は安定します。
キーワード②:水替えの回数
バクテリアが仕事をしていても、水槽内には硝酸塩と呼ばれる「水の汚れ」が蓄積されます。これは魚や生き物にとって弱い毒性があるため、水中の濃度が高くなる前に水替えをする必要があります。
当然、飼育数が多いほど硝酸塩の濃度も上がりやすいので、過密飼育をする場合には水替えの回数を多めにした方が安心です。
キーワード③:水草の有無
頻繁に水替えが出来ないけれど、水槽内の硝酸塩濃度をどうにかして下げたいと思う場合、成長の早い水草を多めに入れるという方法が有効です。特に、ウォータースプライトやマツモ、アナカリスなどは底砂に植えなくても水中の硝酸塩を吸収して成長してくれますのでおすすめです。
また、これらの水草の表面にはバクテリアが住み着くので、水草を多めに入れることは水質の浄化や安定にも繋がります。
キーワード④:エアレーションの有無
魚は水中の酸素を消費して呼吸をしています。また、バクテリアも水中の酸素を消費して活動をしています。
エアレーションをすることで、魚の酸素不足を防ぎ、バクテリアの活性を上げることができるのです。
キーワード⑤:じわじわと飼育数を増やすことが大切
水槽内のバクテリアが十分に増えていないのに、たくさんの魚を飼育してしまうと水が濁ったり、魚が大量死したりします。それは、バクテリアの水質浄化能力を超えてしまって水質が急激に悪化したことが原因です。
飼育する魚を増やす場合には、バクテリアが水槽内で増えているかを考えて、少しずつ飼育数を増やしていくことが大切です。

なお、水槽内に熱帯魚を入れ過ぎた場合には、前兆となる注意サインがありますので、「過密飼育気味かな?」と思う時には、飼育数を減らしたり、エアレーションをしたり、水草を多めに入れるなどの対策を取ってあげて下さい。
注意サイン:水が匂う
何となく水槽が臭いと感じる。生臭かったり、アンモニア臭がしたり、ドブのような臭いだったり。――これらは、バクテリアが水中の汚れ(老廃物や餌の食べ残しなどの有機物)を分解しきれていないことが原因です。
注意サイン:水が濁る
水の透明度が無くなって濁るのは、魚の大量死につながる危険サインです。
水中の汚れを分解できていないので、水の臭さもさらに強くなります。早急に「3分の1~2分の1の水替え」をして、エアレーションをしてあげて下さい。半日経っても濁りが改善しない場合には、水槽内の飼育数を減らすことを検討しましょう。
注意サイン:魚が水面に浮かぶ
魚が水面に浮かんで、ぼーっとしているのは、死んでしまう寸前の危ない状態です。何匹も水面に浮かんでいる場合には、水質がかなり悪化しているので、早急に水替えとエアレーションをしてあげて下さい。
まとめ/熱帯魚の適正飼育数について

ここまで、熱帯魚の適正飼育数について考えてきました。
冒頭のグッピー100匹水槽は「バクテリアが十分に増殖している&じわじわと飼育数を増やしたこと」が過密飼育成功のポイントですし、混泳50匹水槽の場合には「大量の水草&エアレーション」が過密飼育を実現するポイントになります。
つまりバクテリアや水質のことをしっかりと考えている水槽では、過密飼育をしても意外とトラブルは起きにくいのです。
しかし、「水替えによる水質の急変」や「魚の成長に伴う老廃物の増加」などによって、バクテリアのバランスが崩れることも多々ありますので、過密飼育で慢心するのは危険です。バクテリアのバランスが崩れて起こった水質の悪化は、飼育魚が一気に全滅するようなダメージを受けてしまうことも多いですから。

最後にまとめです。
熱帯魚の適正飼育数は「バクテリア(=水質の安定)」がキーワードです。水草を多めに入れたり、エアレーションをしたりして、水質の安定に気を付ければ過密飼育でもトラブルは起こりにくいです。
そう考えると、冒頭で紹介した「1リットル=1cm」の計算式で出せる飼育数の2~3倍に魚の数を設定するのが、見た目や管理の手間なども考えた上で、現実的な数字ではないでしょうか。少しずつ魚を増やしていくことが前提ですが、60センチ水槽ではネオンテトラ40~60匹、90センチ水槽ではネオンテトラ120~190匹――経験的にも、無理せずに管理ができる飼育数と言えます。
ぜひこの数字を参考にしつつ、自分の水槽の様子を見ながら、賑やかな熱帯魚水槽を演出してみて下さい。混泳水槽は華やかで楽しいですからね。

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