熱帯魚水槽を持っていて、一番大変な作業は何か…それは、『水換え』です!
水は重いし、体力や時間は使うし、はっきり言うと面倒くさいですね。
しかし、熱帯魚水槽を維持するうえで、水換えは重要な作業でもあります。
水槽の水換えをする、理由と必要性をまとめました。
水換えをする理由1 飼育水の有害物質を除去する!
水換えする最大の理由は、魚たちに悪影響を及ぼすアンモニアや亜硝酸塩、硝酸塩などの有害物質の除去です。
水槽は、設置して魚を入れて時間が経つと、それらの有害物質を分解してくれるバクテリアが棲み付きます。
水槽内に水浄化のバクテリアが定着すると、フンなどから発生するアンモニア(毒性が強い)→亜硝酸塩(毒性はなかなか強い)→硝酸塩(毒性が弱い)というように、徐々に毒性の弱い物質に転換していってくれます。
水槽を設置して間もない飼育初期は、バクテリアがいないため、有害物質はたまる一方です。
なので、飼育数、水槽サイズにもよりますが、毎日~3日に一回の1/3以上の水換えが必要です。
バクテリアが無事棲み付いても、硝酸塩だけは分解されずに飼育水に溜まっていきます。
硝酸塩が溜まりすぎると水のpH(ペーハー)が下がります。
通常、日本で飼育できる熱帯魚や金魚などが好むpHは7.0程度です。
pHが下がりすぎると調子を崩したり、尾ぐされ症状になってしまう魚もいます。
なので、バクテリアが繁殖していても、pHを安定させるためにも水換えは必要です。
水換えをする理由2 水槽の水質を安定させる!
pHが傾きすぎると、新規導入した魚がショック症状をおこしたり、先ほども触れましたが、尾ぐされ症状など、もとから飼育している魚も調子を崩してしまいます。
しかし、pHが低くなりすぎたからといって、急いで水を換えると、pHが急激に上がり、逆に魚がショック状態になってしまいます。
ショック状態になると、底でヒレをたたんで動かなくなったり、そのまま死んでしまうことがあります。
ですので、日ごろから決まったペースでの水換えが必要です。
飼育数や魚種にもよりますが、30cm程度の水槽なら3日~1週間に1回、60cm以上なら1週間~2週間に1回、などの水換えが良いとされています。
水換えをする理由3 水槽内の菌類を不活性にする!
飼育水には水をきれいにするバクテリアだけでなく、魚の病気の原因になる菌も常在しています。
有名な病気の原因菌であるエロモナスやカラムナリス菌も、もちろん常在していますから、それらの勢力を強めないことが重要です。
水が汚れる(フンや食べ残し、水草の破片などの有機物質が溜まりすぎる)と菌の栄養になってしまいます。
水換えすることでそれらの栄養分を減らし、さらに飼育水に含まれている菌も排出できます。菌の絶対数を減らすことで、勢力を弱まらせるのです。
水換えは、魚たちを守ることでもあるのです!
水換えをする理由4 魚の神経を活性化で治癒力を高める!
水換えには魚の交感神経を活性化させる働きもあります。
新陳代謝が高まり、魚たちのケガや病気の回復を早めることができます!
魚の病気の薬は基本的に、病気の進行を防ぐことしかできません。
怪我や悪くなった患部を治すのは、魚たちの持つ自然治癒力です。
どうしても調子の悪い魚も、水換えの頻度を増やしてあげることで、持ち直すこともあります。ただし、弱っている魚に急な水流はよくないので、水を注ぐときは静かに少しづつ入れてやるようにしましょう。
軽い尾ぐされ病などは、水を清潔にしてやることで治ることもあります。
水換えをする理由5 水槽の見た目も美しくなります!
水換えをするときは、『プロホース』などで吸い出す方が多いと思います。
プロホースは水と同時に底砂にたまったフンなども吸い出せますから、水槽内のお掃除も同時にできます。
フンなどの有機物が沈殿しすぎた水は当然、濁りはじめます。
水換えで定期的にゴミを吸い出し、新しい水を入れることで、常に透明感のある水槽を維持することができます。
また、フンなどの有機物はコケ発生の原因でもあります。
有機成分により水が富栄養化してしまうからです。
その過剰な栄養分でコケ(植物性プランクトンなど)が育つわけです。
ですので、定期的に水換えすることはコケ抑制の意味もあるのです。
まとめ:水換えは水槽管理の要
水換えは、水槽内のまざまな有害物質やたまりすぎた栄養素を排出するのが主な目的です。
しかし、それにより環境が改善され、魚たちや水草が元気になる様子を見ることができます。
健康で気持ち良く暮らしている生体たちは、それだけでかけがえのないものです!
水換えは、魚たちの長生きには絶対に必要です。
とても労力を使いますが、ペースを決めてしっかりと行ってあげましょう。
それだけの意味はありますよ!
ちなみに、余談ですが、筆者の家ではプロホースで水換えをしようとすると、魚たちが近寄ってきます。
一説によると、魚にとってプラスチックは『美味しそうな匂い』がするものらしいです。
かわいい魚やエビ、貝、水草たちを快適に暮らさせてあげましょう!
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金魚に愛を注いでいるWeb担当。
かわいい金魚の為なら腰痛も何のその。金魚のテンションがMAXになる魔法の餌・アカムシを与えることに喜びを感じています!
アクアリウムに親しめる、良い情報をお届けできるように勉強&実践中です。
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