亀の水槽を玄関に置くと金運がよくなるという風水情報を知って、玄関で亀を飼おうと考えている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、玄関での亀の飼育には、いくつかの問題点があり、亀の健康状態には悪影響な場合が多く、あまりおススメな飼育場所とは言えません。
加えて、亀は、他の熱帯魚よりも水を汚しやすく、水槽から悪臭を発生させやすい生き物ですので、玄関で亀を飼育する場合には、それなりの設備と対策が必要になります!
今回は、玄関の水槽で亀を飼ってはいけなのか?という疑問点や、玄関で亀を飼う際に必要なアイテム、そして、亀にとって、より良い飼育場所になる場所についてご説明させていただきます。
※販売目的ではない飼育や譲渡は認められます。
放流は絶対に行わないようにして、最後まで育てましょう。
玄関に水槽を置くメリット&デメリット
まずは、玄関に水槽を置くメリット&デメリットを考えてみましょう。
「メリットを活かしつつ、いかにデメリットを減らすのか?」というのが、玄関で亀を飼うためのキーワードになります。
メリット
- 来客時に鑑賞してもらえる。
- インテリア性がある。
- 水替え時の排水がしやすい。
- 外に水道が有れば水換え時の給水が楽になる。
- 夜でも水槽の音が気にならない。
- 風水では金運がよくなると説明されている。
玄関で亀を飼育すると、金運がよくなると耳にしたことのある人もいると思います。
しかし、これは、亀以外の水槽にも言えることですが、水槽を置いて風水で金運をアップさせたい場合は、水槽の水が澱んだり、汚れていないことが前提になります。
玄関に亀の水槽を置くことで、インテリアとして人に見てもらったり、外で水換えや給水をしやすくなるというメリットもあるようです。
▼インテリア性が高い水槽に関してはこちらもご参考にしてください。
デメリット
- 冬場に冷え込む。
- 人の出入りがあるため生体が落ち着かない。
- 汚れた水槽は見栄えが悪い。
- 臭い水槽を置くと、家全体のイメージが悪くなる。
- 大きな水槽が置きにくい。
外気が入りやすく、気温や水温の変化が激しくなりやすい玄関は、亀の健康状態を良好に維持するには向いていない環境です。
人の出入りが激しい場所というのも、亀にとってはストレスになります。
また、亀は水を汚しやすく、水槽からドブのような臭いがすることもあります。
来客時に、汚れた水槽が玄関にある家というのも、家全体のマイナスイメージにつながりやすくなります。
▼水槽の置き場所や風水に関してはこちらもご参考にしてください。
玄関の水槽で亀を飼ってはいけない理由とその対策
さて、玄関に水槽を置くデメリットを減らす方法を考える前に、そもそも、なぜ玄関で亀を飼ってはいけないのかを考えてみたいと思います。
なぜ、玄関で亀(水棲)を飼ってはいけないのか?
玄関に水槽を置くと、インテリアとしてお客さんに見てもらえます。
また、臭いが気にならない程度の広さがある庭をお持ちであれば、掃除のときの排水を庭に流すことができ、外の水道を使えるので給水がしやすいです。
実際、この記事を読まれている方の中にも、玄関に水槽が置いてあるご家庭は多いのではないでしょうか?
しかし、玄関の水槽で亀を飼育するのは正直難しいと言えます。
特に問題になるのが、水の汚れと臭いです。
そこで今回は、問題点への対策を考えながら「玄関でも綺麗な亀水槽を維持するポイント」を紹介していきたいと思います。
ちなみに、玄関で亀を飼うことで起こる問題点は大きく分けて4つあります。
▼臭い対策に関してはこちらもご参考にしてください。
亀トラブルと対策 その1 脱走
亀のトラブルで意外と多いのが、脱走です。
大きくなった亀は意外と力が強いので、ガラス蓋に照明器具をのせた程度では、持ち上げて脱走してしまうことがあります。
まだ「家の中の脱走なら問題ない」と思いがちですが、玄関ならではの危険も潜んでいます。
それは、玄関の土間がコンクリートなどで固いことです。普通の床ならまだしも、土間に落ちると亀は大怪我をしてしまう可能性が高いです。
甲羅が割れたり、骨を折ったり、内臓にダメージを受けて即死したりする恐れがあります。
玄関で亀を飼う時には、脱走しないように養生テープ(剥がしても跡が残らないテープ)などで蓋を固定するか、レンガや植木鉢などの重石を置くことが必要です。
▼脱走対策に関してはこちらもご参考にしてください。
亀トラブルと対策 その2 水を汚す
玄関の水槽が汚れていると、何だか家全体の印象も悪くなりますよね。
しかし、大食漢で大型になりやすい亀は、熱帯魚に比べ、水をとても汚しやすい生き物です。
対策としては、水換えを頻繁にするのが理想です。しかし、正直それだけでは、いつか水換えが面倒になる日がくると思いますし、毎日のように水換えをするのも大変です。
加えて、毎日を水換えをおこなうことで、水槽内に、有害物質を分解してくれるバクテリアが繁殖しにくく、水が汚れやすいという悪循環に陥りやすくなります。
亀水槽において、バクテリアの繁殖は有効な汚れ対策となるので、亀の種類にもよりますが、水量を多く保って飼育できる場合は、ろ過フィルターを設置して、バクテリアを繁殖させましょう。
しかし、亀は水を汚しやすい生き物なので、ろ過フィルターは、あくまでサブ的な対策方法です。亀水槽においては、やはり水換えを頻繁におこなうようにするのがベストです。
そこで――
〇大きな水槽で飼う
〇フィルターを2個以上設置する(上部式フィルター&外部式フィルターなど)
〇亀や金魚用の”バクテリアを使った水質浄化効果のある製品“を使用する
〇アナカリスなどの成長が早い水草を大量に入れる(水の浄化作用&バクテリアの棲息面積を手軽に増やせる)
〇餌は残さない程度の適量を与える
――などの対策をして、水質の維持をしつつ水替えの頻度を減少させましょう。
▼バクテリアに関してはこちらもご参考にしてください。
亀トラブルと対策 その3 嫌な臭いがする
家に入ったらドブのような臭い――ちょっと、いえ、かなり嫌ですよね?
彼氏や彼女の家なら、一気に恋も冷める危険性があります。
そうならないための対策としては、前述の「水の汚れ対策」をすることです。
1.水換えをする
水換えにより、水槽の臭いはかなり激減して、気にならない範囲に落ち着きます。
何はともあれ、まずは、水の汚れをどうにかするのが重要です。
その上で「観賞魚用の活性炭をフィルターに入れる」「エアレーションをおこなう」などの方法で、さらに臭いの発生を抑えることも可能です。
▼活性炭に関してはこちらもご参考にしてください。
2.エサを工夫する
亀を飼育する際に、臭いの原因となりやすいエサを工夫することで、亀水槽の悪臭をおさえることが可能です。
ヒカリ カメプロスには、エサに適度な硬さがあり、エサを噛みちぎる習性のある亀にとって、食べ残しが少なくなるタイプのエサです。加えて、ひかり菌や茶葉などの配合により、水槽の臭いを更に抑えてくれます。
3.底砂を交換する
亀の飼育には、水槽の汚れや臭いを吸い取ってくれる効果のある、ゼオライトの底砂がおススメです。
しかし、ゼオライトの底砂の効果は一定期間なので、注意が必要です。
効果が薄くなってきたら、定期的に底砂を交換するようにしましょう。
▼ゼオライトの底砂に関してはこちらもご参考にしてください。
亀トラブルと対策 その4 病気になる
亀の飼育には「紫外線が欠かせない」ことを知っていますか?
甲羅や骨を作るカルシウムを固くするために、カルシウムやビタミンDに加えて、紫外線が必要なのです。また皮膚病の予防のためにも、日光浴で甲羅を乾かすことが欠かせません。
そこで、今回のテーマの「亀の玄関飼育」の問題点が見えてきます。
玄関飼育の問題点! 『亀が病気になる』
一般的な玄関は「出入りするとき以外は太陽光が入らなくて薄暗い」ことがほとんどではないでしょうか? しかし、そんな薄暗い環境では、いつしか亀が病気になってしまいます。
病気予防のためには、亀専用の紫外線ライトを購入して設置するか、季節にもよりますが1週間に2~3時間程度、日光浴をさせてあげましょう。
日光浴の時には、「脱走には気を付ける」「日差しから逃げられる日陰を作ってあげる(熱中症予防)」「カラスや猫などに襲われないようにする」ことを忘れずにおこなってください。
飼い主さんが近くに付き添ってあげるのが理想です。
亀専用の紫外線ライトを使って病気の予防をする
亀専用の紫外線ライトは、ずっとつけっぱなしにしておくのではなく、1日5~7時間程度を目安に使用します。
最近では、照明用のタイマーも販売されています。照明用のタイマーは、照明時間の管理が楽になるのでおススメです。
亀用の紫外線ライトは、爬虫類用のものでも対応可能です。
亀トラブルと対策 その5 水温が安定しない
亀の適正水温
亀の適正水温は25℃程度といわれており、水温が20度以下になると活動が鈍り、消化能力も下がります。
玄関は日照不足になりやすく、冬は、火の気のあるリビングと違い、暖房がないことが多く、外気も入り込みやすいことから、水槽内がかなり冷え込むことになり、亀の健康面には悪影響なことが多い飼育場所です。
亀用のヒーターを設置しよう
どうしても、玄関で亀を飼育したい場合は、亀用のヒーターを設置する必要があります。
亀用のヒーターを設置した上で、先に紹介した、『紫外線ライト』を併用することで、ようやく玄関の亀飼育のスタートラインに立つことができます。
紫外線ライトは、防滴タイプがおススメ
紫外線ライトは、水滴がつくと割れることがあるため、必ず『防滴タイプ』のライトを選ぶようにしてくださいね。
照明で水槽を保温するバスキングライト
紫外線ライトとは別な照明になりますが、暖かい光で亀の水槽を保温できる、バスキングライトという照明もおススメです。
バスキングライトは、60㎝以上の水槽に設置する方が、温度の上昇のしすぎを防ぐことができるので、大きな亀水槽を玄関に設置できることが必須条件となります。
カメ飼育に最適な場所
亀飼育に最適な場所は、以下のような条件があります。
- 日光の当たる場所で、猫などの外敵がいない場所。
- ベランダの場合は、外敵がこないように工夫された場所。
- 室内飼育の場合は、日当たりのよい窓辺などがおススメ。
屋外で日光に当てながら亀を飼育のするのが最適な飼育条件ですが、猫などの外敵がこないように工夫してあげましょう。
室内で飼育する場合は、日当たりのよい窓辺などがおススメですが、設置スペースの問題で、明るい場所に水槽を設置できない場合は、玄関飼育の対策と同じように、飼育用品をそろえて、設置する必要があります。
屋内飼育の場合は、冬時期は、バスキングライトがあると尚いいです。
亀を玄関で飼育する場合の対策の問題点
最後に、今回の、亀を玄関で飼育する場合の対策の問題点に触れたいと思います。
玄関に亀の水槽を置く場合、水の汚れが一番の課題です。
いくら風水で、亀を玄関に置くことで金運がよくなると言われていても、家の運気を招き入れる玄関に、汚れた水や悪臭があることは、逆効果になります。
玄関の亀水槽の汚れに対する一番の対策が「水量を多くする(水槽を大きくする)」ことです。
しかし、玄関という限られたスペースに、はたして大きな水槽を置けるか?という問題が出てきます。
例えば、甲長20センチ程のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)なら、最低でも60センチ水槽は欲しいところです。
その上でさらに、水槽の半分~3分の2程度は水を入れないと、水質の維持が難しくなりやすいです。
亀の健康状態としても、玄関で飼育する場合には、きちんとした飼育アイテムをそろえてあげないと悪影響を与えやすい場所です。
水槽のサイズ&水槽の重量を考えた時に、60センチ水槽を置けないのであれば、現実的に「玄関で亀を飼うことは避けた方が好ましい」という結論になります。
まとめ・玄関の水槽で亀を飼ってはいけない?!必要なアイテムとより良い飼育場所をご紹介します
水の汚れと臭い対策、亀の病気予防に気を付ければ、玄関でも綺麗な水槽を維持して亀を飼うことができます。
しかし、そのためには、最低でも60センチ水槽が玄関に置けることが前提条件です。
また、今回紹介したコツは「水作り(水槽内のバクテリアの管理)」に関係することなので、それなりの飼育経験が必要になってきます。
なお、どうしても玄関で亀を飼いたい場合には、ミシシッピアカミミガメなどの大型になる種類ではなく、カブトニオイガメのような小型種(大きくなっても甲長15センチ程)を飼育するのも一つの手段です。
亀はとても愛くるしい生き物です。今回紹介したポイントを押さえながら、適正な場所で飼育にチャレンジしてみてくださいね。
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子ガメのため冬眠ができないので勉強になります
コメントありがとうございます。
今年の冬は厳しい寒さが予想されるため、しっかりと保温対策を行いたいところです。
冬越しの記事も増やしていけたらと考えております。
亀を飼いたかったので参考になります(#^.^#)