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小さな淡水フグ「アベニー・パファー」の飼育方法とオス・メスの見分け方

アベニー・パファーという熱帯魚をご存知ですか?

アベニー・パファーは淡水フグで、大きさは成長しても2~3センチほどと世界一小さなフグです。比較的ショップでの流通量も多いので、よく目にする熱帯魚です。

しかし見た目の可愛さとは裏腹に、肉食で小さなスネ―ルまで食べてしまうので、混泳には注意する必要があります。

今回はこのアベニー・パファーについて、飼育方法や餌についてまた繁殖や混泳などについてお話していきます。

淡水フグ「アベニー・パファー」とは?

(熱帯魚)アベニーパファー(約1cm - 1.5cm)(4匹)[生体]

アベニー・パファーは小さいながらにフグの特徴がよく出ています。淡水で飼育できるフグということから、アクアリストの間でも人気の高い熱帯魚です。泳ぎ方もホバリングしているかのような、ゆったりとした独特の泳ぎ方なので見ていて楽しいですよ。

よく人に懐くことでも知られており、餌やりのときなどは水面近くまで近づいてくることもあります。

大きくなっても2~3センチとミニサイズで、販売価格も300円くらいからと購入しやすいのですが、寿命は平均1~2年と短いです。

1~2匹の飼育なら25センチのキューブ水槽など、コンパクトタイプの水槽で飼育することも可能です。しかしその性格や肉食という点から、アクアリウム初心者には少し飼育の難しい熱帯魚といえます。

気性が荒く、縄張り意識が強い!

アベニー・パファーは縄張り意識が強いため、狭い水槽で複数飼育していると同種間で喧嘩をします。

また性格によって差はありますが、気性の荒いものが多く、同種族間でいじめが発生することも。そのため、飼育する水槽内には水草や流木などで隠れ場所を多く作ってあげる必要があります。

「拒食症」になることも!

アベニー・パファーは気性が荒い反面、神経質な部分もありいじめなどにあったり、ストレスを強く感じると人間のように「拒食症」になってしまいます。

もし特定のアベニー・パファーだけがいじめられているようなら、隔離しましょう。 水槽内にパーテーションを入れ区切ったり、市販のサテライトを使用するという方法もあります。

さりげなく自然に隔離したいのであれば、サテライトの中にもマツモなど植え込む必要のない水草を入れてやると、隔離されている魚も落ち着きます。

水槽内にも流木などで隠れ場所を増やすことで、いじめられたときに逃げ込むことができるため、ストレスが軽減されて拒食症が治ることもあります。

一度拒食症になってしまうと文字どおり餌を食べなくなってしまい、元のように餌を食べるようになるのは難しく死んでしまうことが多いです。そのため、普段から飼育環境には気を付けてげあましょう。

アベニー・パファーは肉食魚!

アベニーのエサをいろいろ試してみた【アクアリウム】

多くの熱帯魚は市販の人工飼料を抵抗なく食べてくれますし、メダカやモーリーなどは水槽内のコケなども餌として食べます。

しかしフグの仲間であるアベニー・パファーは「肉食性」の熱帯魚です。

ショップで販売されているアベニー・パファーでも人工飼料に慣れているものは少ない傾向にあるため、冷凍アカムシやイトメといった肉食性の餌を与えている飼い主が多いです。

餌やりの頻度は、1日に多くても2~3回程度にとどめます。アベニー・パファーは必要以上に食べ過ぎてしまう傾向にありるので、餌が足りないかなと思っても一度に多く与えずに、小分けで少しずつ与えるのがポイントです。

赤虫を良く食べます

ベニー・パファーは肉食のため、飼育している人で冷凍アカムシを与えている人は多いです。冷凍アカムシはアベニー・パファーの嗜好性が高い傾向にあり、タンパク質も豊富な餌です。

乾燥アカムシも販売されていますが、食いつきは冷凍アカムシの方が圧倒的によく、乾燥アカムシは見向きもせず食べてくれないことが多いです。冷凍アカムシのほかにイトメなどの生餌も好んでよく食べます。

冷凍アカムシをそのまま水中に入れるとばらついてしまうので、割りばしで直接与えたり、キョーリンのフィーダーカップを使うことで餌の散らばりを防ぐことができます。

冷凍アカムシはドリップや食べ残しで水質の悪化が早くなる傾向にあるので、食べ残しはこまめに取り除きましょう

人口飼料に慣れさせるには?

aquarium fish food series 「ff num21」 フグ用フード ひとくちクリル 10g 詰め替え用

冷凍アカムシや生餌ばかり与えるていると栄養が偏ってしまうことがあります。その点、人工飼料は栄養価が高いですし、冷凍アカムシや生餌よりも水を汚しにくいというメリットがあります。

またキープしている冷凍アカムシは冷凍庫で保管しなければなりませんが、人工飼料なら常温保存できるので、わざわざ冷蔵庫に入れる必要がありません。また餌代も冷凍アカムシより人工飼料の方が安く済むというメリットがあります。

人工飼料に慣れさせるには、他の熱帯魚が人工飼料を食べているところを見せる、冷凍赤虫や生餌を減らしつつ同時に人工飼料も与えるなどの工夫が必要です。

同じアベニー・パファーでも性格や嗜好が変わるので、人工飼料でもすぐに食べてくれる場合もあります。様子をみながらゆっくりと人工飼料に慣れさせていきましょう。

以前は冷凍赤虫が主流でしたが、最近ではアベニー・パファー用の人工飼料も販売されています。餌代を抑えたい場合は大変でも人工飼料に慣れさせ、月に何度かはおやつ程度で冷凍赤虫を与えてあげましょう。

エビや貝も餌になる


アベニー・パファーは肉食なため、脱皮直後のエビを食べてしまうことがよくあります。特にミナミヌマエビは食べられやすく、アベニー・パファーの飼い主の中には餌が足りないときのための非常食用として、ミナミヌマエビを水槽内に入れているほどです。

成長しきったミナミヌマエビでも餌になるので、口に入りやすい稚エビは特に注意が必要です。ミナミヌマエビを繁殖させたいのであれば、最初から別水槽にするか、稚魚を隔離する必要があります

ヤマトヌマエビはミナミヌマエビよりも大きいせいか、少しかじられる程度ですみます。しかしヤマトヌマエビは淡水では繁殖できない点に注意する必要があります。

アベニー・パファーは、口に入る小さな貝類も食べてしまいます。

しかしこの性質を利用して水草についてくるスネール対策でアベニー・パファーを水槽に入れる人も多いです。貝類を食べる時は貝殻や肉片のカスを吐き出し、中身だけを食べるので水槽内に貝殻が散乱し、水が汚れやすくなります

エビ同様に水槽内にコケ対策でスネール類を飼育している人は、アベニー・パファーとの混泳には注意しましょう。

餌の食べ方が汚い!

アベニー・パファーはどの個体も一度餌を口に入れ、半分だけ食べて残り半分を口から吐き出すという中途半端な、汚い食べ方をすることが多いようです。そのせいで底砂の汚れが目立ったり、水質悪化が早まることも。

アベニー・パファーを飼育する時はクーリーローチやコリドラスなど底層にいるタイプの熱帯魚も入れておくと、食べ残した餌を食べてくれますよ。

アベニー・パファーに最適な水槽サイズとは

テトラ (Tetra) 水槽 オールグラスアクアリウム GA-300F 水槽 アクアリウム 熱帯魚 メダカ 金魚

アベニーパファーはとても小さいので、20cmくらいの小さな水槽で飼育している人もいます。1匹なら20cm以下の水槽でも大丈夫ですが、複数を同じ水槽で飼育する場合は、余裕のある広さの水槽が必要となってきます。

小さくてかわいいアベニー・パファーは、縄張り意識が強いので、狭い水槽で複数飼育すると、喧嘩やいじめが発生しやすくなります。

アベニー・パーファーを飼育するときは、1匹につき横幅約10cm(水約10リットル)程度が理想とされています。そのため、3匹なら最低でも幅30cm以上の水槽が望ましいです。

オスは特に縄張り意識が強いので、複数飼育する際はオスの数は1~2匹にとどめておいたほうが、喧嘩などが発生しにくくなります。

水温や水質は?

アベニー・パファーは弱酸性~中性の水質を好みます。水温は26~28度が適温ですが、高温に強いため30度くらいまでなら耐えることができます。

しかし水温が低いのは苦手なようで、24度以下になるとすぐに弱ってっしまうため、秋~冬は水温の低下を防ぐため水槽にヒーターは必須です。

また、水流にも注意する必要があります。体がとても小さいゆっくりとした泳ぎをするアベニー・パファーは、強い水流を嫌います。そのためろ過した水の排水口の向きは、なるべく水流がアベニー・パファーに当たらないようにする、水流を弱くするといった工夫をしてあげましょう。

オス・メスの見分け方

アベニー・パファー 3匹セット ※死着補償有り(地域限定)

パッと見、オス・メスの区別をつけにくそうなアベニー・パファーですが、それも稚魚のうちだけ。成長するに従い雌雄の判別がしやすくなります

繁殖を狙っているのであれば、購入時に自分でオス・メスを見分けて購入することも重要なので、見分け方をしっかりと覚えておきましょう。

オスの特徴

オスは体の黒いスポットが大きなマーブル模様の形をしています。メスと比べると体は黄色っぽさが強い傾向にあり、尻尾まで黒い1本のラインが入ります。

メスの特徴

メスの黒いスポットはドット、またはヒョウ柄に似た模様になることが多いです。オスと比べると身体の色は白っぽく、お腹の白い色が目立ちます。

また体型も、メスの方がふっくらと丸い形になる傾向にあります。

繁殖は可能

アベニー・パファーは繁殖が可能な熱帯魚ですが、縄張り意識が強いです。そのため繁殖用の水槽を用意したほうが成功率が高くなります。

ペアを作るためには、複数のアベニー・パファーを同じ水槽内に入れる必要があるので、60cm以上の繁殖用水槽を用意しましょう。

アベニー・パファーは自然環境だと夏に産卵を行いますが、飼育環境では常に水温が一定に保たれているので、あまり季節を意識する必要はないようです。

オス・メスを同じ数にしてしまうと、ペアができる確率が下がってしまうので、オスを少な目に入れるのがポイント。水温は25℃くらいにセットしましょう。オス・メスが一緒に並んで泳いでいればカップル成立です。
(水草)メダカ・金魚藻 国産 無農薬アナカリス(10本) 北海道航空便要保温

アベニー・パファーは卵を水草に産み付けるので、ウィローモスやカボンバ、アナカリスといった水草を入れておきましょう。

親は卵や孵化したばかりの稚魚も食べてしまうので、産卵後は親を元の水槽に戻して、親子別々で育てます。孵化した稚魚は一週間くらいからブラインシュリンプなどを食べるようになります。

アベニー・パファーのかかりやすい病気

アベニー・パファーは白点病・尾ぐされ病に罹りやすい傾向にあります。

また他の熱帯魚とは違い、拒食症になりやすいという問題もあります。

拒食症を防ぐにはストレスを与えない、同種間でいじめが起きないよう、またいじめられても逃げることの場所を確保する、いろいろな餌を与えすぎないといった注意が必要です。

白点病などの病気にかかったときには、専用の市販薬を使用して治療しましょう。

白点病についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

他の熱帯魚との混泳は可能?

アベニー・パファーは泳ぎの早い魚ではありません。ゆったりとした泳ぎ方をしますが、グッピーやベタといったヒレのひらひらしている種類や、ヒレの大きな魚のヒレをかじるクセがあります。

そのため、グッピーやベタといったヒレの大きな熱帯魚との混泳はもちろん、アベニー・パファーのように気性の荒い熱帯魚や縄張り意識の強い熱帯魚との混泳は避けた方がよいでしょう

混泳可能な熱帯魚でも、アベニー・パファーと喧嘩してしまったり、かじられることがあるので、隠れ家はなるべく多く作っておく必要がありますアベニー・パファーは単一飼育が望ましい熱帯魚です。

アベニー・パファーの飼い方まとめ

今回はアベニー・パファーについて、飼育方法や餌について、また繁殖などについてお話しました。

アベニー・パファーは小さくてもフグの仲間という特徴が強い熱帯魚で、肉食性や気性の荒さはフグそのものです。人工飼料に慣れさせることもできますが、冷凍アカムシやイトメなどの生餌を好んで食べます。

またエビ類や貝類なども小さいものは殻を無視して食べてしまう、ヒレの大きな熱帯魚はヒレをかじられやすいという点から、混泳させる熱帯魚の種類は注意する必要があります。

同種同士でも縄張り意識が強いので、飼育する際は水草や流木、割れた陶器などで隠れ家をしっかりと確保してあげましょう。

ストレスがたまると拒食症になりやすいという点から、アクアリウム初心者には少し飼育が難しいです。しかし愛らしい泳ぎ方や、人に慣れるという点から飼育を始めて愛着がわくという人も多いです。

小さく可愛らしい淡水フグの、アベニー・パファーを飼育してみませんか?

コメント

  1. タカP より:

    わかりやすい解説ありがとうございます。

    • 中島 より:

      コメントありがとうございます!
      より解りやすい解説ができるように頑張りますね。

      • りくと より:

        とてもいいとおもいます。
        おすとめしはのみわけかたがわかりました。

        • 中島 より:

          コメントありがとうございます!
          アベニーはとても小さいのでオスメスを見分けるのが大変ですよね。