盆栽飼育とは? 熱帯魚が大きくなり過ぎると大変!最適なサイズに保つ方法

盆栽飼育という言葉を聞いたことはありますか?

 

盆栽飼育とは「盆栽」+「飼育」という言葉からイメージできるように「熱帯魚を小さく育てる飼育方法」になります。もちろん、大きく育つ魚の成長をわざと抑えるのですから、批判的な意見も多いのが正直な現状です。しかし、盆栽飼育の考え方を知っていることは、大型魚を飼育するにあたって色々なメリットが有ります。

 

例えば、「盆栽飼育の逆をすれば、大きく育てることができる」とか「(盆栽飼育まで極端にしなくても)大型魚の成長をある程度で抑えたい」などです。知識を知っていることで、色々と応用することができます。

そんな盆栽飼育について、今回は紹介していきたいと思います。

はじめに・熱帯魚の盆栽飼育とは?

最初にも紹介しましたが、盆栽飼育とは「熱帯魚を小さく育てる飼育方法」になります。

例えばポリプテルスの飼育で考えてみると分かりやすいのですが、「60センチ水槽で1年間飼育した個体」と「90センチ水槽で1年間飼育した個体」とでは、サイズが1.5倍くらい差が出ます。

 

この成長の差は何なのでしょうか?――という要因に着目して、あえて魚を小さく育てることが盆栽飼育の基本的な考え方になります。

盆栽飼育のメリット

盆栽飼育のメリットは、何と言っても「(比較的)小さな水槽でも大型魚を飼育できる」ことに尽きます。150センチ水槽が必要な魚を120センチ水槽で飼育するですとか、120センチ水槽が必要な魚を90センチ水槽で飼育するなどです。

 

大型魚を小さな水槽でぎちぎちに無理して飼育するのではなく、あくまでも成長をコントロールしてあげることで、遊泳スペースに余裕を持たせる(=魚のストレスを減らす)ことが目的です。

盆栽飼育のデメリット

盆栽飼育のデメリットは、方法を間違えると「背骨が曲がったり、鱗が乱れたりする」ことです。

また、盆栽飼育をしていても「確実に小さい状態で成長が止まるわけではない」ので、想定外に大きく育ってしまうこともありえます。その場合には、見た目が可愛そうなので、大きな水槽を用意してあげたくなってしまいます。

盆栽飼育で熱帯魚を育てるポイント

せっかくの熱帯魚の飼育なのですから、背骨が曲がったり、鱗が乱れたりして観賞価値を下げてしまうのはもったいないです。そのため、ここからは「なるべく魚に負担をかけない盆栽飼育の方法」を紹介していきたいと思います。

水温を下げる

生物が成長するには代謝が欠かせません。その代謝を抑えるために、水温をできるだけ低く抑えることが求められます。魚の種類にもよりますが、徐々に慣らせば17~20度でも健康に飼育することが可能です。

餌を制限する

幼魚の時に、餌の量を制限することが盆栽飼育には欠かせません。ただし、単純に餌の量を少なくするだけでは、背骨が曲がる原因にもなります。そこで、与える餌を栄養強化することがおススメです。

 

栄養強化の方法は簡単です。生餌をそのまま与えるのではなく、「活き餌にする直前に、高栄養の餌を食べさせる」のです。そうすることで、大型魚にも間接的に栄養を与えることができます。なお、高栄養の餌としては沸かしたばかりのブラインシュリンプやビタミン強化された冷凍赤虫、繁殖用の人工飼料などがおススメです。

 

ちなみに、両生類や爬虫類の飼育では「餌用のコオロギに専用のサプリメントをまぶす」こともあります。使われるのは、カルシュウムの粉末だったり、ビタミンの液体だったりします。すぐさま熱帯魚に転用できるかは別ですが、知識として覚えておいても損はないと思います。

過密飼育

過密に飼育すると1匹あたりの水量が減るため、魚のサイズは小さくなります。

分かりやすいのが、外国産グッピーやプラティを過密に繁殖させた水槽です。(血が濃くなるのも原因と言われていますが)魚の成長が止まってしまい、成魚でもなかなか大きくならないことがあります。

水槽サイズ

1匹あたりの水量を減らすという意味では、水槽のサイズを小さくすることは重要です。30センチキューブ水槽→60センチ規格水槽→90センチ水槽などのように、魚の成長に合わせて徐々に水槽サイズをステップアップすることが大切です。

 

なお、魚の全長が水槽の奥行と同じになってからも無理してその水槽で飼育を続けると、背骨が曲がる原因になりやすいです。特に、背骨の柔軟性がないと言われているガーの仲間は注意してあげて下さい。

運動量・水流

動物は、運動すると成長ホルモンが出ます。なるべく魚に運動をさせないためには、水流を弱めにしておくことも大切です。

エアレーション

エアレーションをすることは、魚を大きく育てるのには欠かせません。そのため、盆栽飼育をするにあたってはなるべくエアレーションはしない方が良いです。過密飼育やバクテリア、濾過槽などの関係からエアレーションが必要なこともあると思いますが……知識として頭の中に入れておいてみて下さい。

個体差

なお、最後に持ってきたのは個体差です。とても重要であり、一番簡単でもあり、一番難しいのが個体差です。最初から小さく育つ遺伝子を持っていれば盆栽飼育は成功しやすいですし、逆に大きく育つ遺伝子を持っていると魚に無理をさせてしまいます。

ペットショップで選べるのならば、販売水槽の群れの中でも小さめな個体を選ぶと盆栽飼育は上手く行きやすいです。

盆栽飼育のおわりに・熱帯魚を最適に育てるには?

ここまで、盆栽飼育について紹介してきました。しかし、安易な気持ちで大型魚の飼育は始めてはいけません。

最後まで面倒を見ることができるか? 飼いきれなくなった時に責任を取る覚悟があるか? 予想以上に大きく育った時に、大型水槽を用意できるか?――などをしっかりと考えて手を出してください。

 

「大型魚を飼いたいけれど、60センチ水槽しか用意できない。だから盆栽飼育をしよう♪」では、かなり無理があります。大型魚の飼育には最低でも90センチ水槽、できれば120センチ水槽は必要です。その上で「大型魚に快適に過ごしてもらうために、成長をコントロールする」という視点で盆栽飼育の考え方を取り入れてみて下さい。

熱帯魚を最適に育てるには、飼育者の愛情が重要です。大型魚は、何年も付き合える相棒なのですから。

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