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お魚や生き物をベランダで飼育する!?ベランダ飼育のポイントとは

ベランダ飼育という言葉を知っていますか? イメージとしてはビオトープ。ベランダに置いた容器でメダカを飼育するアレですが、色々と準備を整えることで、メダカだけでなく熱帯魚や水棲生物を飼育することもできます。

ベランダ飼育では、水草の水上葉を育成出来たり、魚の発色が良くなったり、飼育スペースを広く取れたりというメリットがあります。しかし、その一方で注意しないといけないことも少なくありません。

今回の記事では、そんなベランダ飼育のポイントについて紹介していきたいと思います!

魚や生き物をベランダ飼育する時の前提条件とポイント

ベランダ飼育には、飼育者の安全のために気を付けないといけないポイントがあります。

ポイント①:屋内仕様の電化製品は使えない

ベランダは、雨水や夜露などの問題があるので、屋内仕様の電化製品は使用できません。漏電や火災のリスクを抱えたまま、自己責任で使用するのは……ちょっと怖いですよね?

そのため、屋内仕様である「ほとんどの照明、ろ過器、エアポンプ、ヒーターなど」が使えないという前提になってしまいます。なお、数は少ないのですが、池用の製品は安全に使用することができます。

ポイント②:紫外線対策は必須

ベランダで飼育するには、どうしても「日光に含まれる紫外線」の影響を考えることが必要です。この紫外線は、ガラス水槽ではガラス面や接合部のシリコンを劣化させますし、アクリル水槽でもアクリル素材を劣化させて脆くしてしまいます。

そのため、基本的に屋内で使用されることを前提としたガラス水槽やアクリル水槽は、ベランダ飼育には向きません。1~3年程度ならば見た目上の問題がないかもしれませんが、年数を経過するごとに「突然ガラスが割れる」「接合部からの水漏れ」などの危険性が高くなります。

ベランダ飼育の前提条件

これらの2つのポイントから安全面を考えると、「ベランダ飼育にはビオトープ向けの製品することが安心」と言えます。お手軽なビオトープ用のセット商品を購入するのも良いですし、ホームセンターで入手できる60~120リットル前後のプラ船を流用するのもおすすめです。

――さて、前提条件は確認できましたので、ここからはベランダ飼育特有の問題と解決策を紹介していきます。

ベランダ飼育のための水温対策

ベランダ飼育では、飼育容器に日光が当たってしまうことが多いと思います。また、ベランダは建物の南側に作られていることが多いので、夏場の水温対策も欠かせません。

直射日光

直射日光が飼育容器に直接あたると水温が上昇します。特に、小さな容器だとそれは顕著で、中に入っている生き物達は水温の乱高下でストレスを抱えてしまうこともあります。

直射日光対策としては、農業用の寒冷紗で直射日光を遮ることで対策します。市販されている寒冷紗は、日光の透過率を10%単位で調整できる(透過率60%や透過率10%など)ので、直射日光の当たり具合や季節によって調整することができます。

なお、寒冷紗では見た目が悪いと感じる人には、ホームセンターで購入できる葦簀(よしず)やフェイクグリーン(遮光用)がお勧めです。色々なサイズや色が用意されています。

夏場の高水温

夏場の高水温対策としては、直射日光を避けるだけでなく、「コンクリートの床に直接容器を置かない」ということが大切です。頑丈でオシャレな台の上に置ければベストだと思いますが、発泡スチロールの板が1枚あるだけでも、夏場の水温上昇は大きく違います。

他にも、可能であれば「飼育容器を大きくする」ことで、水温が安定しやすい効果が期待できます。

ベランダ飼育のためのコケ対策

ベランダ飼育は、コケに悩まされることも多いです。基本的には、コケが生えすぎた飼育容器は直射日光が当たりすぎている状態なので、寒冷紗などを設置するだけでも大きくコケを減らす効果が期待できます。

また、ベランダ飼育に使う底砂や土は「ビオトープやアクアリウム専用の製品」を使用することも大切です。庭の土や田んぼの土を使用してみたくなる気持ちも分かるのですが、ビオトープやアクアリウム専用の製品以外は「栄養過多(=コケの原因)」「残留農薬」「水の濁りの原因」などにつながりやすいです。

これらのことをふまえて、プラスαとして、特に発生しやすいコケへの対策を紹介します。

アオミドロ

糸状の見た目が悪いコケですが、ベランダ飼育で撲滅させるのにはちょっとしたコツが必要です。寒冷紗の設置でかなり発生を抑えることができますが、「定期的な水替え」「コケを食べる生き物の投入」「水草や水棲植物を入れる」ことも大切です。

アオミドロが蔓延る原因になる過剰な栄養(特にチッソ・リンなど)を飼育容器から排出する水替えや吸収する水草は重要ですし、コケを食べる生き物を入れることでアオミドロの増殖を抑えることができます。

アオコ

飼育水が緑色になってしまうアオコ。こちらも寒冷紗の設置でかなり軽減することができます。「定期的な水替え」「水草や水生植物を入れる」ことも対策や予防として重要です。

ベランダ飼育のための雨水対策

ベランダ飼育では、雨水対策も欠かせません。基本的には、飼育容器内に水が入り込まないように、設置場所を選ぶことが一番大切です。

オーバーフロー

雨水が直接入り込む場所に置いた場合、大雨の時などには水量が増えてオーバーフローしてしまうことが多いです。対策としては、雨水が掛からない場所に置いたり、雨水を遮るものを置くのが一番です。ただし、そのいずれもが難しい場合には「飼育容器の上部に穴を開ける&細かいメッシュを設置する」ことで、増えた水だけを安全に排水することも出来ます。

雨の酸性化

車や工場の多い都心部の雨は、PHがかなり低い(=魚にとって危険な)ところも少なくありません。この雨の酸性化については「某アイドルがしている、新宿のビルに自然を呼ぼうというテレビ番組」でも触れられていましたので、少なくとも大都会の中心部では頭の中に入れておいた方が良い問題です。

なお、酸性の雨に対応する方法としては「雨を飼育容器内になるべく入れない」ことが一番です。方法としては、雨水が入らない場所に容器を設置する、葦簀などで屋根をつくるなどです。

また、特にこだわりが無いのであれば、雨水の中に含まれる有害物質のことを考えても、雨水を中和させて使うことはしない方が安心です。

ベランダ飼育のための厄介な来訪者対策

ベランダ飼育には、屋内飼育では考えられない厄介な来訪者たちがいます。彼らに対する防衛手段を講じていないと、一日で生物が全滅ということもありますので、注意してあげて下さい。

トンボ(ヤゴ)

ベランダ飼育をしていると、どこからともなくやってくるトンボ。自然環境の再現という意味では歓迎してあげたいところですが、生き物の飼育を考えると諸手で歓迎しきれないのが実情です。

そんなトンボ対策ですが、飼育容器に蓋ができないのであれば「諦めて共存する」か「定期的に飼育容器の水を抜いて駆除する」のが一番です。メダカなどの小型魚では一撃で捕食されてしまいますので何とも言えませんが、食べられる数よりも繁殖する数が多い状態に持って行けばさほど問題になりませんし、捕食が許せないのであれば定期的なチェックでヤゴを捕まえるしかありません。

ヤゴに食べられたくない生き物は、ベランダで飼育してはいけません(笑)

カラス&ネコ&サギ

共存を考えることができるトンボに比べて、大型の生き物は被害が大きくなってしまうことが多いです。警戒心を持つだけの知能を持っている彼らは、「ビオトープが完成して、上手く行ってきたかな?」という、少し慣れてきたタイミングで襲うことが多いので、飼育者のメンタルが折られかねない危険な存在です!

彼らに対する防衛方法としては、ネコならば侵入経路をふさいだり、容器の周りにトゲトゲのネコ除けシートを設置すれば被害が抑えられます。

またカラスやサギに対しては、飼育容器の上に釣り用のテグスを何本が引っ張って、空中の障害物を作ってあげると効果的です。テグスが飛翔の邪魔になるので、嫌がって来なくなります。

まとめ・ベランダ飼育のポイントについて

ここまで、ベランダ飼育のポイントについて紹介してきました。

こうして考えてみると、屋内飼育に比べてベランダ飼育は色々なことに気を付けることが大切だと言えます。しかし、それでもベランダで生き物を飼育してみたくなるのがアクアリストと呼ばれる人達です。

ベランダ飼育のメリットである「水草の栽培」「魚の発色の向上」「飼育スペース拡大」などは、大きな原動力となってくれるはずですから。

これからどんどん温かくなっていく季節。今回紹介したポイントをふまえながら、あなたもベランダ飼育に挑戦してみて下さい♪

水槽のプロ トロピカライターのくろいあまがえるです。
熱帯魚&両棲類が大好きです。地鶏の刺身と唐揚げが大好物。

雀百まで踊りをなんとか……ということわざがあるように、幼稚園児の頃に飼育した金魚&アマガエルが、生き物好きになる切っ掛けだったのかもしれないなと思っている。

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